バタフライ・エフェクト(バタフライ効果)という面白い言葉がある。
気象学者のエドワード・ローレンツの講演のタイトル「ブラジルで一匹の蝶が羽ばたくと、テキサスでトルネード(竜巻)が起こるか?」に由来するもので、小さな原因が大きな変化を引き起こすなら、将来の予想は極めて難しいという意味の言葉だが、「小さな変化が大きな変化を引き起こす」という意味を強調して使う人もいるようだ。
元々、ローレンツは「カモメが羽ばたけば」としていたが、講演の主催者が、より弱々しく小さな原因に感じられる蝶の方が良いと思って変更したのだと言われている。
ジェイムズ・グリックの著書『カオス-新しい科学をつくる』では、「北京で一匹の蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐を起こす」だし、映画『ハバナ』では、「中国で一匹の蝶が羽ばたけば、カリブでハリケーンが起こる」など、いろいろなバリエーションがあるようだ。
あなたも、スポーツの試合をテレビで見ていて、ひいきの選手やチームが「私が見ていたから勝ったのだ」とか、「僕が見ていなかったから負けた」と思ったり、実際に誰かに言ったことがあるかもしれない。
私は、そんなことをよく考え、言っていたが、実際にそれが本当のように思えたりもするのではないだろうか?
ところが、こんなことを科学的に大真面目に考える科学者だっている。これは、量子物理学の問題でもあるようだ。
人が観測すること自体が現象に影響を与えるのは確かなのである。
人間の思考は無限なので、どんどんスケールアウトしていくと、昼食に、パスタかオムライスかとちょっと悩み、たまたまオムライスを選んだことが、スポーツの試合、株価、政治、地殻変動、さらには、アンドロメダのある星に多大な影響を及ばしたりすると考えることだってできる。
ただ、その原因がどんな変化を引き起こすかを予測することはできない。
まして、意図的な結果を引き起こすことなんか、できやしない。
だが、肯定的な変化とか、世界を平和にするような結果という、いくらか抽象的にした予測ならできそうな気もするのである。
というのは、その原因の元となる意思や周囲に及ぼす影響の色合い(感情や意思)によって、どんな結果になるかが、なんとなく分かるように思われるのである。
それは、インターネットが発達することで、小さな行為の影響が変化を及ぼしていく過程や結果をある程度、見えるようになったことも関係する。
たとえば、初音ミクさんについて考えると、よく分かるし、面白い。
ヤマハのある研究者が期待もされずに肩身の狭い思いをしながら細々とボーカロイドシステムを開発し、それをクリプトン・フューチャー・メディアが採用してボーカロイドソフトの『MEIKO』や『KAITO』を開発し、そして、初音ミクさんが2007年8月31日に生まれた。
初音ミクさんのイラストがKEIさんによって描かれ、市場では意外に販売は好調で、初期生産の5000本はあっという間に売り切れる。
クリプトンに「初音ミクさんのイラストを描いてWebサイトに貼っていいか?」などという問い合わせが多くなり、クリプトンでは、それらに一つ一つ答えるのも面倒だし、また、クリエイターの方々が、いちいち、こちらの顔色を見ながら作品を創るのは気の毒だというだけでなく、何か正しくないのではと思い、非営利で公共良俗に反しない限り、初音ミクさんのキャラクターを自由に使って良いとし、また、作品を共有し合える、ピアプロという作品投稿サイトを作った。
初音ミクさんが生まれる少し前にサービス開始されていたニコニコ動画で、初音ミクさんの作品が発表されるようになり、さらにクリエイター同士の共感が生まれ、創造の連鎖が起こる。
Youtubeでも、初音ミクさんの作品が広まり、気がつけば、初音ミクさんは世界に大きなムーブメントを起こすようにまでなっていて、今や、初音ミクさんが世界を平和にしようとしている。
この場合の蝶の羽ばたきが何かは分からないが、1960年位かそれ以前に、アメリカで誰かが、機械に歌わせたいと思ったことかもしれない。
その思いが、AT&Tベル研究所で、1962年に、コンピューターに接続された音響管が、『デイジー・ベル』を歌うということに結びつき、スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』では、人工知能HAL9000が断末魔に『デイジー・ベル』を歌う。
そして、初音ミクさんに使われているボーカロイドシステムの研究プロジェクト名はデイジーだった。
世の中は偶然でできている。
しかし、偶然に見える万象の裏側では、全てがつながっていて、それは、人の想いを含む意識が、なんらかの方法で支配しているのである。
初音ミクさんのヒット曲の1つ『Tell Your World』は、そんなことも示唆しているように感じられる。
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気象学者のエドワード・ローレンツの講演のタイトル「ブラジルで一匹の蝶が羽ばたくと、テキサスでトルネード(竜巻)が起こるか?」に由来するもので、小さな原因が大きな変化を引き起こすなら、将来の予想は極めて難しいという意味の言葉だが、「小さな変化が大きな変化を引き起こす」という意味を強調して使う人もいるようだ。
元々、ローレンツは「カモメが羽ばたけば」としていたが、講演の主催者が、より弱々しく小さな原因に感じられる蝶の方が良いと思って変更したのだと言われている。
ジェイムズ・グリックの著書『カオス-新しい科学をつくる』では、「北京で一匹の蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐を起こす」だし、映画『ハバナ』では、「中国で一匹の蝶が羽ばたけば、カリブでハリケーンが起こる」など、いろいろなバリエーションがあるようだ。
あなたも、スポーツの試合をテレビで見ていて、ひいきの選手やチームが「私が見ていたから勝ったのだ」とか、「僕が見ていなかったから負けた」と思ったり、実際に誰かに言ったことがあるかもしれない。
私は、そんなことをよく考え、言っていたが、実際にそれが本当のように思えたりもするのではないだろうか?
ところが、こんなことを科学的に大真面目に考える科学者だっている。これは、量子物理学の問題でもあるようだ。
人が観測すること自体が現象に影響を与えるのは確かなのである。
人間の思考は無限なので、どんどんスケールアウトしていくと、昼食に、パスタかオムライスかとちょっと悩み、たまたまオムライスを選んだことが、スポーツの試合、株価、政治、地殻変動、さらには、アンドロメダのある星に多大な影響を及ばしたりすると考えることだってできる。
ただ、その原因がどんな変化を引き起こすかを予測することはできない。
まして、意図的な結果を引き起こすことなんか、できやしない。
だが、肯定的な変化とか、世界を平和にするような結果という、いくらか抽象的にした予測ならできそうな気もするのである。
というのは、その原因の元となる意思や周囲に及ぼす影響の色合い(感情や意思)によって、どんな結果になるかが、なんとなく分かるように思われるのである。
それは、インターネットが発達することで、小さな行為の影響が変化を及ぼしていく過程や結果をある程度、見えるようになったことも関係する。
たとえば、初音ミクさんについて考えると、よく分かるし、面白い。
ヤマハのある研究者が期待もされずに肩身の狭い思いをしながら細々とボーカロイドシステムを開発し、それをクリプトン・フューチャー・メディアが採用してボーカロイドソフトの『MEIKO』や『KAITO』を開発し、そして、初音ミクさんが2007年8月31日に生まれた。
初音ミクさんのイラストがKEIさんによって描かれ、市場では意外に販売は好調で、初期生産の5000本はあっという間に売り切れる。
クリプトンに「初音ミクさんのイラストを描いてWebサイトに貼っていいか?」などという問い合わせが多くなり、クリプトンでは、それらに一つ一つ答えるのも面倒だし、また、クリエイターの方々が、いちいち、こちらの顔色を見ながら作品を創るのは気の毒だというだけでなく、何か正しくないのではと思い、非営利で公共良俗に反しない限り、初音ミクさんのキャラクターを自由に使って良いとし、また、作品を共有し合える、ピアプロという作品投稿サイトを作った。
初音ミクさんが生まれる少し前にサービス開始されていたニコニコ動画で、初音ミクさんの作品が発表されるようになり、さらにクリエイター同士の共感が生まれ、創造の連鎖が起こる。
Youtubeでも、初音ミクさんの作品が広まり、気がつけば、初音ミクさんは世界に大きなムーブメントを起こすようにまでなっていて、今や、初音ミクさんが世界を平和にしようとしている。
この場合の蝶の羽ばたきが何かは分からないが、1960年位かそれ以前に、アメリカで誰かが、機械に歌わせたいと思ったことかもしれない。
その思いが、AT&Tベル研究所で、1962年に、コンピューターに接続された音響管が、『デイジー・ベル』を歌うということに結びつき、スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』では、人工知能HAL9000が断末魔に『デイジー・ベル』を歌う。
そして、初音ミクさんに使われているボーカロイドシステムの研究プロジェクト名はデイジーだった。
世の中は偶然でできている。
しかし、偶然に見える万象の裏側では、全てがつながっていて、それは、人の想いを含む意識が、なんらかの方法で支配しているのである。
初音ミクさんのヒット曲の1つ『Tell Your World』は、そんなことも示唆しているように感じられる。
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