死後の魂だの、死後の世界だのといった話は多いが、自分がどんなふうに死ぬのかを考える人は少ない。
まだ現役選手だった時の新庄剛志さんが、「猫のように1人で死にたい」と言っていたというインタビュー記事を見たことを憶えているが、もしそれが本当なら、それで彼という人間が分かるように思う。
ある有名な空手家が、「畳の上で死ぬのではなく、練習中に崩れるように死にたい」と実際に言っていたテレビ映像を見たが、今考えるとパフォーマンスっぽいと思う。彼は病院のベッドの上で亡くなった。
自分の死に方をイメージすれば自分が分かる。
また、自分の死に方をイメージしている人の人間性が分かる。
まあ、死に方と言うより、どんなふうに死にたいかだろう。
そして、当たり前に考えたって、どんなふうに死にたいかで、運命とか能力とかも決まると思うのである。
そこから考えたら、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は大変な傑作だと思う。
この作品の中で、どんなふうに死にたいかを語ったのは主人公のジョバンニで、実際の死に様を示したのが、カンパネルラと、12歳の女の子と6歳の男の子の姉弟(しだい)の家庭教師の青年だ。
共に、読めば人生観が変わる・・・と私は思う。
魂は不滅で、死は終わりではないという話があるが、もしそうであるとしても死は重要なものだ。
笹沢佐保さんの時代劇小説『木枯し紋次郎』の中で、紋次郎は「死ぬ時が来れば死ぬだけでござんす」と言っていたと思うが、野垂れ死にが自分の死に方と決めていたようだ。そんな彼には、死が迫っても揺るぎない強さがあった。
彼は、畳の上で死ねる道を選べるチャンスが2度あったが、いずれも、自ら背を向けている。
とはいえ、別に、畳の上で、家族に看取られながら死にたいと思うことは少しも悪いことではない。もしそう思うなら、社会的にも人間的にも立派に生きなければならないし、本当にそう望むなら、そう生きるだろう。
『灼眼のシャナ』(小説・漫画・アニメ)の中で、私がこよなく敬愛する主人公の1人、坂井悠二(高1男子)が、クラスメイトのために残り少ない自分の寿命を削ろうとした時、シャナ(ヒロイン。見た目11~12歳)が「なぜ命を無駄にする?」と言うと、悠二は「無駄にするんじゃない。活かすんだ」と明るい顔で言ったのが印象的だ。
ジョバンニ、カンパネルラ的な死生観と思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)銀河鉄道の夜 (280円文庫) (宮沢賢治)
(2)銀河鉄道の夜 ますむらひろし賢治シリーズ
(3)イーハトーヴ交響曲[CD](冨田勲制作。初音ミク主演)
(4)木枯し紋次郎(一)(笹沢佐保)
(5)灼眼のシャナ(高橋 弥七郎著。いとうのいぢイラスト)

AIアート1640
「ニンフェット」
Kay
まだ現役選手だった時の新庄剛志さんが、「猫のように1人で死にたい」と言っていたというインタビュー記事を見たことを憶えているが、もしそれが本当なら、それで彼という人間が分かるように思う。
ある有名な空手家が、「畳の上で死ぬのではなく、練習中に崩れるように死にたい」と実際に言っていたテレビ映像を見たが、今考えるとパフォーマンスっぽいと思う。彼は病院のベッドの上で亡くなった。
自分の死に方をイメージすれば自分が分かる。
また、自分の死に方をイメージしている人の人間性が分かる。
まあ、死に方と言うより、どんなふうに死にたいかだろう。
そして、当たり前に考えたって、どんなふうに死にたいかで、運命とか能力とかも決まると思うのである。
そこから考えたら、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は大変な傑作だと思う。
この作品の中で、どんなふうに死にたいかを語ったのは主人公のジョバンニで、実際の死に様を示したのが、カンパネルラと、12歳の女の子と6歳の男の子の姉弟(しだい)の家庭教師の青年だ。
共に、読めば人生観が変わる・・・と私は思う。
魂は不滅で、死は終わりではないという話があるが、もしそうであるとしても死は重要なものだ。
笹沢佐保さんの時代劇小説『木枯し紋次郎』の中で、紋次郎は「死ぬ時が来れば死ぬだけでござんす」と言っていたと思うが、野垂れ死にが自分の死に方と決めていたようだ。そんな彼には、死が迫っても揺るぎない強さがあった。
彼は、畳の上で死ねる道を選べるチャンスが2度あったが、いずれも、自ら背を向けている。
とはいえ、別に、畳の上で、家族に看取られながら死にたいと思うことは少しも悪いことではない。もしそう思うなら、社会的にも人間的にも立派に生きなければならないし、本当にそう望むなら、そう生きるだろう。
『灼眼のシャナ』(小説・漫画・アニメ)の中で、私がこよなく敬愛する主人公の1人、坂井悠二(高1男子)が、クラスメイトのために残り少ない自分の寿命を削ろうとした時、シャナ(ヒロイン。見た目11~12歳)が「なぜ命を無駄にする?」と言うと、悠二は「無駄にするんじゃない。活かすんだ」と明るい顔で言ったのが印象的だ。
ジョバンニ、カンパネルラ的な死生観と思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)銀河鉄道の夜 (280円文庫) (宮沢賢治)
(2)銀河鉄道の夜 ますむらひろし賢治シリーズ
(3)イーハトーヴ交響曲[CD](冨田勲制作。初音ミク主演)
(4)木枯し紋次郎(一)(笹沢佐保)
(5)灼眼のシャナ(高橋 弥七郎著。いとうのいぢイラスト)

AIアート1640
「ニンフェット」
Kay