アファーメーション(肯定的確言)さえすれば、欲しいものは何でも手に入るし、その気になれば世界征服も可能だろう。
アファーメーションを、自己暗示、口癖、呪文、祈り・・・何と呼ぼうが構わない。
望ましい状態を短い言葉にして、四六時中唱えるのである。
私の知り合いに、大富豪というほどでもないが、結構な金持ちがいるが、長い間、彼の言うことを注意深く聞いていたが、彼の口癖は、「儲かってしゃーない」(彼は関西人だ)であることは分かっている。
また、彼は、唐突に、「(俺、あるいは、俺の会社には)金があるからな」ともよく言う。
祖父の代から商売人である彼は、「運動選手には運動神経が必要なように、金儲けには金儲け神経のようなものが必要だ」と、確信的に言うのだが、金儲け神経とはどのようなものかと考えていた。
そして、彼がある時、こんな興味深いことを言うのを、私は聞き逃さなかった。
会社の社長である彼は、会社幹部を前に、「俺とお前達との違いは、素振りの回数だけだ」と言ったのである。
彼はプロ野球ファンだ。
ところで、彼は、勤勉ではあるが、決してハードワークする方ではなく、むしろ、働き過ぎることを馬鹿にしていたし、私にも、「働け」とはあまり言わなかったが「働くな」とはよく言ったものだった(笑)。
その彼が、「素振りの回数」と言い、「儲かってしゃーない」とよく口にすることから、彼は、無意識に、一種のアファーメーションであるプラスの口癖のことを言っていたのだと思う。
やはり、アファーメーションが多い者が勝つのである。

昔の大河ドラマ『毛利元就(もうりもとなり)』で、スーパー戦略家、尼子経久(あまごつねひさ)は、若き元就に、「はかりごと多ければ勝ち、少なければ負ける」と教えたが、経久ともあろう者が、敵になりかねない元就に「金の知恵」を教えるはずがなく、これはこれで素晴らしい教訓ではあるが、あくまで「銀の知恵」である。
「金の知恵」は、やはり、アファーメーションなのである。
つまり、最強の教えは、「アファーメーション多ければ勝ち、少なければ負ける」である。
ちなみに、経久が大切にした言葉は、幼い時に憶えた「剛柔虚実」だ。
確かに、経久は最後に元就に敗れたが、あの時代に79歳まで現役の将軍であり、82歳まで生きたのであるから、何の不足もない。

あなたがビジネスマンなら、「儲かってしゃーない」「儲かって仕方がない」をアファーメーションにすることを検討しても良いだろう。
あるいは、エジソンのように、「わたしは天才だ」や、それに類する、「わたしは出来る」「わたしは恐ろしく切れる」などと自画自賛しても良い。
いずれにせよ、早く決めて始めなければ、すぐに時は過ぎてしまう。