ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

邱永漢

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

忘れ得ぬ体験

『涼宮ハルヒの憂鬱』で、美少女ハルヒの運命を変えたのは、彼女が小学6年生の時、家族でプロ野球観戦(おそらく甲子園球場)に行き、5万人の大観衆を見たことだった。
彼女はそれが初めての野球観戦だったが、別に野球に興味はなかったらしい。
それでも、父親(ハルヒは「おやじ」と呼んでいた)に「連れられて」という言葉から、それは父親の発案であったと思われ、6年生で初めてであったことから、滅多にないことだったと想像される。
ところで、私は、プロ野球観戦は、これまでの生涯でたった1度で、小学4年生の時、父親と2人で行ったのだった。
まあ、私の場合は、それで人生はさほど変わらなかったと思うが、それよりも、私にとっては、これも生涯ただ1度だが、兵庫県明石市にある明石天文科学館に、小学5年生の時に、やはり父親に連れられて行った時の方が大事件だった。

私の父親は、このように、野球が1回、天文科学館が1回、その他も、極めて少ないが、それでも、よく連れて行ってくれたものだと感心している。
しかも、思い出す限り、少しも面倒臭がっていなかったことは、私からすれば驚異的である。
で、明石天文科学館であるが、プラネタリウムも見て、それも憶えてはいるが、それはまあ、どうでも良かった(笑)。
それよりも、壁にかけてあった「恒星の大きさ比較」のパネルが衝撃的だった。
それまで、太陽系の太陽は相当大きなものだと思っていたのに、太陽が小さな点としたら、何十センチもあるような大きな恒星が沢山あり、さらには、パネルに一部しか表示出来ない巨大な恒星もあることを初めて知った。
ただ、今、Google検索しても分かるが、星の大きさ比較といったら、惑星の大きさの比較といったスケールの小さな話が好まれ、また、恒星の大きさ比較にしても、直観的にぱっと分かる分かり易いような図示をせず、下らない文章が多いと感じた。
それを考えれば、明石天文科学館のあのパネルは良いものだったと思う。
それでもあまりに不十分とはいえ、宇宙の大きさをほんの少し感じることが出来たことは収穫であった。

薔薇の微笑
AIアート78
「薔薇の微笑」
Kay


興味の対象は子供だってそれぞれであるので、子供を試しに、いろんなところに連れて行くことは良いことである。義務とは言わないが、子供の生涯を良いものにこそすれ、悪影響を与えることはあるまい。
そういえば、私の父親は、マジックショーにも1回連れて行ってくれたこともあった。残念ながら、内容は全く憶えておらず、ただ、前の席の男性がしていた腕時計が格好良かったことだけ憶えている(笑)。マジックショー自体は好きだったが、あまり良いショーでなかったのかもしれない。

ただ、子供も、大きくなると・・・たとえば中学生くらいになると、誘ってもついてこなくなるらしい。
だから、誘えば喜んでついて来る小学生の間に、面倒臭がらずに、いろんなところに連れていってやると良いと思う。
有名な事業家の邱永漢の本で見た覚えがあるが、子供が大きくなっても、海外旅行ならついて来るので、海外旅行に連れて行けといったことが書かれていた。
そこに、こんなことも書かれていた。
「大人になってからパリの凱旋門を見ても、当たり前に受け取ってしまうが、高校生くらいのうちなら大きな感動を感じる」
だからこそ、連れて行けということと思う。
まあ、凱旋門と言えば、犬の糞が多かったことしか憶えていないという人もいたが(やたら多いらしい)、これが大人の感覚かもしれない。

2012年だったか、産業技術研究所の後藤真孝博士が、
「初音ミク主演のライブコンサートを会場で観れば、一生忘れられないぐらい強烈な体験となり得る」
と、東大での情報処理学会で言われていたと思うが、あくまで「なり得る」であり、普通の大人では、まあ、ないことだ。
自分が好きだからと言っても、私も、初音ミクコンサートは人を選んで勧めている(笑)。

また、やたらビックリ体験を求めるのも良いことではない。
ビックリ体験というのは受け身になり易く、それはただ通り過ぎていって何も残さない場合が多い。
涼宮ハルヒは、子供の感性ということもあったが、ありふれたものを見て人生を変えたのである。
感性が豊かであるほど、さりげないものに真理を感じるのだろう。








お金を引き寄せられない本当の理由

手塚治虫の『バンパイヤ』という作品の中で、クールな極悪人ロックは、 お金というものを見たことがないトッペイという名の少年に十円硬貨を渡して言う。
「これを沢山集めた者が勝ちなんだ」
これを読む読者は、全面的ではないにしろ、いくらかは同意するだろう。
全面的に否定する者は、まず、いないと思う。
ところが、面白いのは、ロックが言うことが正しいかどうかの判断がつかないはずのトッペイが、否定はしないながらも、怯えた表情をすることだ。
まさに、トッペイは、読者の心情を反映して見せているのである。
お金を沢山得た者が勝ちだと、信じたくはないが、否定も出来ないという苦しい気持ちを、読者はトッペイの表情に見るのである。
同時に、トッペイの反応は、お金が一番大切なものではないということも示しているのである。
実際、誰もが、お金が一番大切だとは思っていない。
たとえ口では「お金ほど大切なものはない」と言う者ですら、心の底からそう思っているわけではない。
お金が一番ではないことは、お金を一度も見たことがないトッペイですら分かることだと、手塚治虫は言いたいのだろうと思う。

だが、お金が一番大切なものではないことが、本当にはっきり分かるのは、お金の良さと悪さをたっぷり味わってからのことだろう。
ある経営者が「お金の苦労は知らない方が良い」と言っていたが、その経営者は、お金で苦労しており、それもあって、現時点では、お金の価値を非常に高く評価していると思う。
そんな時期があるからこそ、ずっと後で、「お金はそれほど大切なものではない」と分かる可能性がある。
早い話が、「お金の苦労は知らない方が良い」とあえて言うのは、「お金の苦労は知っておいた方が良い」と分かっているから言うのである。
ただし、自分の子供には、そんな苦労はして欲しくないといったところから、そんな言葉が出て来てしまうのだろう。

だが、お金の苦労を知らないと、きれいごとばかり言うようになる。
邱永漢という有名な事業家が、「地元で商売をするな」と本に書いていたことがあった。
どういうことかと言うと、金儲けというのは、地元では出来ないような、恥ずかしい面があるということだ。汚いとは言わないが、きれいごとでは済まないことが多いのである。邱永漢は、そんなことを嫌というほど知っているのだ。
じゃあ、地元で商売をして成功している人がいないかというと、そんなことはない。だが、そんな人だって、馬鹿でない限り、何らかの後ろめたさは感じている。
世界2位の富豪ジェフ・ベゾスは、アメリカ全部が地元のようなもので、Amazonでアメリカ中の小売店を潰してしまったが、一方で人類文化を大きく向上させたのである。だが、普通の人なら、膨大な数の、不幸にしてしまった人達に対する後ろめたさに耐えられない。ベゾスだって、良い面がなければ平気ではないだろう。
ずっと長く世界一の富豪だったビル・ゲイツも、自分の会社が作ったパソコン用OSを全世界に圧倒的に普及させることで、もっと良いOSを潰してしまったことは分かっているだろう。とはいえ、全ての人がコンピューターを所有し、便利に活用して、仕事や学習や生活の質を、以前は誰も想像しなかったほど向上させたのも確かで、その点は、ゲイツほどうまくやれる人はいなかったと思える。
世界一の富豪イーロン・マスクは、最近、政治的な活動が目立つが、それはまさに、正義のヒーローのような行いだ。
マスクは、少年時代に『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読み、人類を救う使命に目覚めたというが、それがあるからやってこれたのであり、これからもやっていけるのである。
あまり言ってはならないのかもしれないが、ヤクザやマフィアは、当然、悪い面もあるが、儲けているなら、普通の人や団体では不可能な大きな善も成しているのである。
規模に関わらず、金儲けには、それに見合う善を行う必要があるのである。

引き寄せの本や自己啓発の本にはよく、お金に対する悪いイメージがあるからお金を得られないのだといったことが書かれている。
だが、お金や、お金儲けには、悪い面、恥ずかしい面も、事実としてある。
それを埋め合わせる善を持てば持つほど、得られるお金の規模も大きくなる。
サラリーマンの場合は、せいぜい、自分や家族が、人様に迷惑をかけないという善の分だけのお金が得られるのである。
ほとんどの引き寄せの本には、そんなことが書かれていないので、読んでもお金を引き寄せることが出来ない者が多いのである。








成功するまでどうやって生活するか

画家や作家や音楽家になりたいと思っても、それらでいきなり収入を得るのは難しい。
それらで成功した人達だって、最初からうまくいった人は滅多にいない。
では、彼らは、成功するまで、どうやって生活していたのかだが、それがなかなか面白い。

岡本太郎は、母親の岡本かの子が有名な作家で、父親もそれなりの漫画家で、結構なお金持ちだった。
それで、当時としては貴族的なフランス留学をし、フランスでも、岡本太郎がバイトしてたなんて話はなく、カフェやビストロに入り浸って酒を飲みながら芸術談に花を咲かせ、世界中の美女とのロマンスに忙しかった(とっかえひっかえ同棲してたようだ)。

横尾忠則さんは天才型で、経済的な事情で美大に入れなかったが、デザインやイラストで非凡だったので、デザイナー、イラストレーターとしてきちんと稼ぎ、有名にもなった。そして、ある時に、芸術家に転身したが、その後も、デザイン、イラストでも稼ぎ続けた。

東京芸大の受検に4回失敗した池田満寿夫は、町の似顔絵屋に馬鹿にされるほどの絵の腕前だったが、真面目に働く気はなかった。
しかし、そんな者でも、「求めよ、そうすれば与えられる」で、怪しい絵の仕事でなんとか稼ぎながら、版画作品を作り続け、応募締め切りギリギリに、ひたすら彫刻刀でひっかいて3日で作った版画作品は、誰からも評価されなかったが、ドイツ美術界の権威グローマン博士にだけは、作品を高く評価され、そこから、順風漫歩とは言わないまでも、なんとなくうまくいって、世界的版画家になれた。
さらに、芥川賞作家にもなり、映画監督もやったが、不思議なことに、池田満寿夫というキャラクターが人気になってしまい、芸術論や自伝、作画技法、あるいは、作品集などの本を沢山出し、今だ出版されるロングセラーもある。本当に不思議な天才だ。

こういった華々しい人達のようではないが、あるエッセイストは、身籠った妻がいるのに会社をやめ、「相談業」などという看板を出して独立したが、客などさっぱり来ず、暇だから、1日に原稿用紙1枚をノルマに文章を書いていたら、なぜか、物書きで成功した。最初から文章が書けたわけではなく、毎日、淡々と書いたのが良い修行になったらしい。

有名な投資家で作家の邱永漢は、非常な現実派で、ヒモになる、つまり、女に食わしてもらうのも立派な才能と言っていた。
確かに、地道な仕事をしていたら、自分のやりたいことをやる時間やエネルギーがなくなるので、男の魅力で女に養ってもらうのも1つの手と言うわけだが、同じことを女の方がやるとロクなことにならない。
そもそも、男でも、そううまくやれる者は滅多にいないだろう。確かに、ヒモも才能だ。
だから、別に「ヒモになれ」と言うのではなく、あらゆる手を探せということだろう。

実際、「成功するまで」と地道な仕事をしていると、どうしても、安全志向が強くなり、そのまま、地道な仕事で終わってしまうことが圧倒的に多い。
アメリカの画家グランマ・モーゼスは、地道どころでなく、12歳で奉公に出てから、結婚しても生活は厳しく、働きづくめだった。老後はなんとか余裕が出来たと見えるが、手がリュウマチで、好きな刺繍が出来なくなったので、元々好きだった絵を75歳から本格的に描き始めた。
すると、85歳で偶然、画家として世に出ることが出来た。ところが、そこからも、ひたすら真面目に作品を作り、100歳過ぎまでに千点以上の作品を描き、最も多作な画家の1人になった。絵は売れ、経済的にも裕福になった。

このように、いろんな異端の成功者がいるが、普通に見れば、彼らは、たまたま成功したのであり、彼らと似たようなことをしながら、全く芽が出なかった人の方が圧倒的に多いはずだ。
だが、結果論と言うしかないかもしれないが、彼らには、神の加護を得るだけのものがあったと思えてならない・・・と言うより、間違いなくあったと思う。
それは、巷で言われる成功法則や、引き寄せなどとは全く違う。
実際、彼らの中で、引き寄せの法則を学んで、それで成功した人などいない。
ただ、彼らが全員、目に見えないものを信じていたことも確かと思う。
それは、神秘的なものであったり、敬虔な信仰であったりするのだが、彼らには、普通の人とは違う、高貴とも言える魂を感じるのである。
我々が、そのような魂を持てる、実践可能な方法があるとすれば、いつも言うが、神仏の名を唱えたり、真言を唱えることだけである。
もちろん、年に1回や2回唱えてどうなるものでもない。
神仏の名を心で唱えることを、インドではナーマスマラナと言うが、念仏もその1つである。
直接、教えを受け、釈迦、イエス以来の偉人と評した著名な人もあった岡田虎二郎は、超越を達成する方法として岡田式と言われた静坐を教えていたが、静坐だけでなく、念仏もその方法だと言っていたようである。
そして、岡田は「念仏しながら生活するというのが貴いのであり、生活しながら念仏をするのでは足りない」と言われていたようだ。
そのようにナーマスマラナに励めば、道も開けてくると思う。








むしろ今は月百万円は多過ぎる

『灼眼のシャナ』という小説・アニメで、ヒロインのシャナが初めての戦いで、強敵の天目一個に勝った後、こう言う。
「たまたまうまくいったのは分かっている」
つまり、相手が強過ぎるので、シャナは捨て身の戦法に出たのが、それが、たまたま偶然、成功して勝っただけで、実際は、その初戦でおしまいになっていた可能性の方が圧倒的に大きかった訳だ。
(もちろん、小説なのだから、百パーセント負けないだろうが・・・)
スポーツの名勝負で、捨て身の作戦でたまたま勝ったなんてものも、実際によくあると思うし、リスクを恐れて合理的に戦うより、そんな「一か八か」の戦い方の方が、見ている方もだが、勝つにしろ、負けるにしろ、戦っている方も、エキサイティングで面白いはずだ。
いわゆる、「バクチは楽しい」のである。

ビル・ゲイツや、スティーブ・ジョブズらが成功したのも、調べれば調べるほど、全くのたまたまだったということが分かると思う。
ビル・ゲイツが成功したのは、IBMが、自社のパソコン用OSに、マイクロソフトのMS-DOSを採用したからだが、おそらく、IBMは、MS-DOSなんていうデタラメなものではなく、ちゃんとした学者のゲリー・キルドル教授が作ったCP/Mを採用したかったのではないかと思う。
俗説で、IBMが相談に来た時に、キルドル教授は趣味の飛行機遊びをしていたというが、それはともなく、キルドルとの交渉は面倒が多かったのだと思う。
それで、IBMは、「MS-DOSでもいいや」ということになったのだろう。
後に、IBMは、社内のちゃんとした学者が、MS-DOSに代わるPC-DOSを作り、こちらの方がMS-DOSより絶対的に優れていたが、良過ぎて面倒が多かった(遅いとか、使い難いとか)ので、全然流行らなかった。
MS-DOSのおかげで、マイクロソフトばっかり儲けて、IBMは損ばかりだったが、その後、マイクロソフトとIBMは、共同で、次世代OSであるOS/2を開発し、ものすごいキャンペーンをやり、IBMはやっと儲けられると思っていたのだろう。
しかし、OS/2はIBMの学者の発想で作ったもので、やっぱり、良過ぎて流行らなかった。
OS/2がなかなか普及しない中で、マイクロソフトは単独で、素人発想のWindowsというチャチなOSを作ったら、軽くて速くて分かり易いそのWindowsがバンバン売れ、何と、主流OSになってしまい、やっぱりマイクロソフトだけ儲けてしまったのだ。
実際、Windowsなんて、専門家から見たらデタラメなもので、そのデタラメさはその後も長く残り、今ですら、おかしなところが残っているのである。

だから、産業用には、マイクロソフトのOSなんてお呼びでないし、アップルのマッキントッシュOSはセンスは抜群だが、もっと危ないので、自動車や飛行機、まして、ロケットエンジンの制御になんか、とても使えない。
それで、その方面では、日本の坂村健教授(東大教授。工学博士)が開発したTRON(トロン)のような、ちゃんとした研究者が学者発想で開発したものが使われているのであるが、一般の人はあまり知らない。
TRONは普通のパソコンやサーバー用途でも優秀なはずだが、やっぱり普通に使うには面倒過ぎるのだろう。
坂村教授の本なんか読むと、一般的な問題でも、いちいち正論が書かれているが、とにかく「疲れる」と思うはずだ。
坂村教授が物凄い優秀な人なのは間違いなく、初音ミクさんが好きらしいところもポイントが高いが、やっぱり学者馬鹿な部分が大きいのだと思う。あれじゃ、一般には受け入れられない。
ビル・ゲイツも、スティーブ・ジョブズも、大学には入っただけでほとんど行ってないし、パソコン世界の大物達、例えば、ラリー・へリスン(オラクル)、ポール・アレン(マイクロソフト共同創業者)、スティーブ・ウォズニアック(アップル共同創業者)、西和彦さん、マーク・ザッカーバーグらは、みんな大学中退で、ちゃんと大学や大学院に行った連中は、彼らに従う形だったり、アラン・ケイのように、素晴らしい業績はあっても、一般には全然知られていないし、儲かってもいない。

成功なんて、たまたまなのである。
成功した社長さんに聞いたら、彼らが本音で言う限り、百人が百人、「たまたまうまくいっただけ」と言うだろう。
「数年早かったり、数年遅かったら、俺なんか全然駄目だったはずだ」
と言う社長さんは、現実をよく分かっているのである。
彼らは、本当に、「俺はたまたま社長になったんだ」と思っているのである。
ビートたけしさんも、「俺が成功したのは時代と運」と言っているが、謙遜でも何でもなく、本当にそう思っているだろうし、彼が言うには、長嶋茂雄さんや美空ひばりさんらは、掛け値なしに素晴らしい人達だが、もし、違う時代・・・例えば今の時代に生まれていたら、さっぱり成功しなかったはずと言う。

実際、ちょっと真面目に調べたら、ビル・ゲイツや松下幸之助になれたかもしれなかった人なんて、いくらでもいるのだ。
大成功どころか、資産一億から数億円クラスの小成功者だって、やっぱり、時代と運だろう。
ビル・ゲイツは、世界一の大金持ちになってからも、自分で日本車を運転し、飛行機はエコノミーに乗り、大衆食堂や持ち帰りピザの食事をしていたし、ビートたけしさんは、ある時、ほとんどそそのかされて、ポルシェとフェラーリとランボルギーニをまとめて買ったが、あんまり嬉しくなかったそうだ。たけしさんは、子供に変な財産を残さないために、嫌々買ってるというところもあるらしい。何と言っても、車に乗れるのも、後せいぜい十年くらいだから、一生懸命使わないといけない。それは辛いことではないかと思う。

つまり、成功する必要なんて全然ないし、成功しない方が楽しいに違いないのだ。
成功した人の煩い事を知れば、普通の神経の持ち主なら、絶対に成功なんかしたくないと思うはずだ。
邱永漢(きゅうえいかん)さんが昔、『賢者は中金持ちをめざす』なんて本で、「せいぜい、使える金が月百万円くらいなのが幸せなのだ」と書かれていたが、それは今の時代でもさして変わらないし、むしろ、今の時代は安価、あるいは、無料で何でも手に入るので、もっと少なくても全然大丈夫である。
クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長は、20年以上前に趣味でDTM(デスクトップ・ミュージック)をやっていた時は72回ローンとか組んだらしいが、同じようなものなら、今なら誰でも簡単に手に入れられる。冨田勲さんが1971年にシンセサイザーを買った時は一千万円だったが、後にヤマハのシンセサイザーの名器で、坂本龍一さんや小室哲哉さんらも使い、初音ミクさんの衣装の袖に描かれているDXシリーズは20万円台で、今は、それの数千倍優れたものが数万円、あるいは、パソコンをシンセサイザーにすれば数千円でも足りる。

むしろ、今はモノがいっぱいあり過ぎて、余計なものを手に入れると面倒なことになったり、贅沢なものを食べて病気になったりするので、使い道に困るような金なんか持たない方が良いかもしれない。
邱永漢さんではないが、今でも、使える金が月百万あれば十分過ぎ、むしろ、その程度を思慮深く使える頭の良さが必要なのだと思う。
そして、その程度なら誰でも稼げると思うし、そんなにいらないと言う賢い人もいると思うのだ。









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宇宙人は接触する相手をどうやって選んでいるか

私が初めて中国の北京に行った時、夜の街で見た、呆れるほど広い街路と、その両側にきれいに等間隔に並んだ、いかにも中国らしい装飾的な街灯を、まるで昨日のことのように鮮明に覚えている。
邱永漢さんが、息子や娘を、子供のうちに海外旅行に連れて行けと著書に書かれていたが、その理由は、「大人になってからエッフェル塔を見ても、当たり前に受け取ってしまい、心に変革を起こすような感動を起こさないからというものだったと思う。
しかし、私が北京に行ったのは、仕事の出張で、私は大人だった。
私はパリに行ったことはないが、今、エッフェル塔を見ても、当たり前になんか感じないだろう。
初めてUFOに乗る時のように感激できるはずだ。

子供にとっては、なぜ何でも面白いのかというと、特に初めて見るものを熱心に観察するからだ。
しかし、大人になると、何を見ても観察をしなくなる。
私は、北京で、街路を、街灯を、情熱を持って観察していたのだ。
人間は、本当に観察したもののことを忘れないのだ。
ジョージ・アダムスキーが、金星や土星の宇宙船の内部を事細かに著書に書くことができたのは、彼がそれらを本気で観察したからで、彼はどんな細かいことも忘れなかったのだ。
なぜ、アダムスキーはそんなことができたかというと、彼は普段から、集中して観察する習慣を持っていたからだ。
何年もの間、野外に出ると空を見上げて熱心に宇宙船を探し、天体望遠鏡で月や星を観測し、土や岩や植物を観察したのだ。
観察を通して、人間はテレパシー能力を発達させる。
それで、アダムスキーは宇宙人のテレパシーを感じることができた。
宇宙人が接触する地球人を選ぶ基準は、テレンス・ハインズが著書に書いていたような、しかるべき人・・・つまり、世間的に偉い人、重要な人などでは全くない。
観察を通し、内なる高貴な生命体と常に接触し、それと融合しつつある人を選ぶのだ。
宇宙人が生きる目的もまた同じなのである。
奉仕をすることは、何よりも真摯な観察を必要とする。
だから、彼らは、いつも奉仕をするために冒険をするのである。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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