インドの賢者ラメッシ・バルセカールによれば、人の人生は生まれる前から全て完全に決まっている。どのくらい完全に決まっているのかというと、髪の毛1本の動きですらだ。
こういった未来決定論に関しては、
・完全に決まっている
・ほぼ決まっている
・ある程度決まっている
・未決定
といった説があり、賢い人達の間でも意見が分かれる。
だが、「決まっている」「決まっていない」で言えば、賢者達は、ほぼ「決まっている」と言っていると思う。
これに関して、船井幸雄さんの本に印象深い対話があったのを憶えている。
船井さんが、国際的な心理学者で宗教家の本山博さんに「人の運命は決まっているか?」と尋ね、本山さんが「そうかもしれない」と答えたことに対し、船井さんは、それでは面白くないと書いていた。
この船井さんの考えが一般的なものであると思う。
つまり、運命が決まっているという見解に説得力があろうがなかろうが、運命が決まっていることを受け入れたくないというのが、普通の人間の想いであると思う。
ラマナ・マハルシは、こんな言い方をしたらしい。
「働く運命にあれば仕事は避けられない。だが、働く運命になければ、いくら探しても仕事は見つからない」
また、隣の奥さんが魅力的で間違いを犯しそうだと相談してきた男性に対し、そうなる運命なら間違いは避けられないのだから、「そうなっても後悔するな」と言ったようだ。

では、「いつどこで頬を撫でる風が吹くかすら生まれる前から決まっている」というラメッシ・バルセカールは、どんな場合でも絶対に運命は変えられないのかと問われた時、それは「神次第」と答えている。
こう言うと、「では、運命は変えられる可能性がある」と思うかもしれないが、あくまで変えられるのは神だけで、自我が何をしようが全く関係なく、また、神は自我の頼みなど聞かない。
ネドじゅんさんという自称「普通のおかん」が悟りを開いてしまったと言い、あなたにも出来るからやり方を教えると言っているが、ネドじゅんが悟りを開いたのが運命なら、他の人が悟りを開けるかどうかも運命次第、神次第で、自我がどう思おうがどうにもならない。
こんなことは、ネドじゅんも分かっているはずであるが、運命により、彼女はそういったこと(あなたにも出来る)を言わざるを得ないのだ。

種明かしをする。
いや、しない方が良いのかもしれないが。
もちろん、運命は変えられる。
そんなことは、ラメッシ・バルセカールの本を読んだって実は明らかだ。
だが、どうやったら運命を変えられるのかと言うと、運命が完全に決まっていることを受け入れることによってだ。
ある意味、ラメッシ・バルセカールの教えは、最も効果的な引き寄せの方法なのである。
運命が完全に決まっていることを完全に受け入れれば、良い運命になるし、外からは悪く見えても本人にはそう悪くはないのである。
だが、もう1つ、そして、最大の種明かしが残っている。
これは別に言った方が良いので、次回とする。
ただし、言わない方が良いのなら、次回の記事を書くまでに忘れるだろう。

◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)誰がかまうもんか?!(ラメッシ・バルセカール)
(2)ラマナ・マハルシの教え
(3)密教ヨーガ ~タントラヨーガの本質と秘法~(本山博)
(4)左脳さん、右脳さん。(ネドじゅん)

乙女の肖像
AIアート927
「乙女の肖像」
Kay