ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

身の程を知れ

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
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[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
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一番賢い人間の態度

「自分の頭で考える」ことを、優れたこととする誤解が完全に定着してしまい、それを愚かなことであると言ったら排除されかねない。
しかし、本当のことだから言う。
自分の頭で考える者は馬鹿だ。
なぜか?
人間の頭は馬鹿でしかないからだ。

電波工学の世界的権威であった関英男博士は、人間の脳は、想像も出来ないほど高性能なスーパーコンピューターに接続されたダム端末(表示するだけのコンピューター)に過ぎないと、極めてまっとうなことを言われていた。
また、UFO研究家の矢追純一氏も、人間の頭は大した性能ではないパソコンで、やはり、超高性能なコンピューターに接続されているようなものだと言われていたと思う。
矢追氏は「僕は頭が悪いので、考えることを放棄した」と、実に「賢い」選択をしていたようだ。

月下の花
AIアート91
「月下の花」
Kay


一見、考え深く、思慮があり、馬鹿な振る舞いをせず、賢明に事を運ぶ人間は、実は何も考えていない。
人間は、関博士が言うダム端末、矢追氏が言う性能の低いパソコンであるという分をわきまえず、自分で考えて問題を解決しようとしたら悲惨な目に遭うのである。
孔子や徳川家康が言い、そして、デルポイ島のアポロン神殿の扉にも書かれている。
「身の程を知れ」

アニメで、ヒーローが窮地に陥り、絶体絶命の状況である時に言う。
「考えるんだ。何か手があるはずだ」
そして、素晴らしいアイデアを得てピンチを切り抜ける。
この時、ヒーローは考えたのではなく、考えることを止めたから素晴らしいアイデアを得たのである。
試験ですら、考えると間違え、ミスをする。
だが、考えることを止めると、知らない問題でも解答出来る。
ところが、学生達は、徹底的に考える癖をつけさせられ、思考を消すことを完全に忘れさせられている。

私は、やはり、一番賢い人間の態度とは、矢追氏の態度と思う。
つまり、「僕は頭が悪いから考えることを放棄した」である。
だが、愚か者ほど、自分は頭が良いと思いたがり、そして、思ってしまっているのである。
たかがダム端末、低性能のパソコンが、自分はスーパーコンピューターだと主張する愚かさ、滑稽さに気付けば幸いだ。
家康が言ったように、アポロン神殿に書かれソクラテスが大いに信奉したように、「身の程を知れ」である。








天下を取る秘訣

徳川家康は、身の程を知れば天下も取れると言ったが、まあ、大昔から賢い人は皆そう言っている。
だが、憶えておかないといけないことは、「人間の心は身の程を知らないように出来ている」ということだ。
だから、心を引き締める鍵を持っていないと、人間は必ず、身の程を忘れる。

賢い支配者は、大衆に対し、「お前達は平民の自覚を持て」、つまり、「身の程を知れ」などとは言わない。
一方、馬鹿な支配者は、大衆にそんなことを言うので、支配は長く続かない。
長く支配を続けることが出来る独裁者は、大衆に「君たちは特別な存在だ」と言うのである。
その上で、恐怖を与えるとうまくいくのだ。
そんなことは、世界を見ても、また、歴史を見ても明らかだ。
人間は、身の程を忘れた時に、能力も運も失うのだから、大衆を愚かなロボット奴隷にするには、身の程を忘れさせるに限る。
フランス革命がなぜ起こったのかというと、支配者達が大衆に「自分達は特別である」という幻想を与えず、「身の程を知れ」と高圧的に言い、大衆は反発をしたかもしれないが、現実的に、身の程を知らざるを得なかったからだ。
その一方、支配者達は馬鹿になって、身の程を忘れた。
それで、大衆の中に優秀な者が沢山出て、支配者は無能になってのだから、富の差があるに関わらず、勝負は明らかだった。
「身の程を知る」ことは、これほどまでに、人間の能力、運・・・つまり、力を左右するのである。

自分を特別視する中二病を患う者に力は全くない。
「いや、自分には不可能に思えることに果敢に挑戦するから、強く大きくなれるのではないか?」
と言う者は、本当に嫌になるほど沢山いるが、それをやって悲惨な結末に至らなかった者はいない・・・つまり、それをやって成功したやつなんて本当はいないのだ。だが、我々は、そんなやつがいると思い込まされている。
織田信長は、銃弾飛び交う戦場の中を「俺に弾は当たらん」と悠然と歩いたという伝説があるが、合気道家の藤平光一氏は、本当にそれをやったと著書に書かれていた。
だが、「では俺も」と真似する者は、ロシアン・ルーレットを好んでやる馬鹿と同じである。
ところが、学校やテレビは、子供や人々に対し、なんでもかでも「チャレンジだ」とそそのかすのだ。身の程を忘れさせてね。

私は、身の程を知らない典型例を知っている。
以前勤めていた会社の職場にいた、まるでダメ男と呼んでいた男だ。
歳は32歳くらいだった。
彼女が欲しいというので、「どんなのがいい?」と聞くと、「二十歳くらいの・・・」と言う。
「起業して経営者になるか?」と冗談で言うと、「いいですねえ」とやる気満々だ。
まさに、身の程知らずを絵に描いたような男だった。
この男に身の程をわきまえさせるのは、ほとんど不可能だが、それより、自分に身の程をわきまえさせることが難しい。
だから私は、まるでダメ男は自分だと言い聞かせている。

日本人の結婚率がひどく下がっていて、その理由について偉い人やインフルエンサー達が的外れなことを言っているが、本当の理由は、日本人が身の程を忘れたからだ。
身の程をわきまえず、自分に不釣り合いな相手を求めているから結婚出来ないし、しないだけだ。
ある37歳の独身の会社員の女性が、社内の40歳の独身男性に交際を求められたが、「誰があんなオッサンと」と憤慨したそうだ。そして、「私が好きなのは新入社員のK君なのに」と言う。
これは、いまや決して極端な例ではない。

私は、自分がまるでダメ男だということを忘れがちだ。
当面、天下は取れそうにない(笑)。
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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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