ドーンコーラスという現象がある。
ドーン(dawn)は夜明け(あけぼの、暁)という意味で、コーラスは合掌だ。
夜明けの合掌・・・「何だそれ?」だろう。
どこでのことか分からないが、第一次世界大戦中、通信兵が無線機に耳を澄ませていると、毎日ではないが、夜明け頃に、鳥のさえずりのような音が聴こえることがあった。
おそらく、いろんな人が、この現象に気付いたのだろう。この現象をドーンコーラス(夜明の合掌、暁の合掌)と呼ぶようになった。
その後、物理学的研究により、このドーンコーラスは、地球の磁気嵐と太陽風(太陽から放出される極高温のプラズマ)の相互作用で生じることが分かった。
世界的音楽家の冨田勲さんが、『ドーンコーラス』というアルバムの第1曲『ドーンコーラス』の冒頭に、ドーンコーラスをシンセサイザーで取り込んだ音を入れている。
私は、このアルバムを聴いていたのだが、2016年に東京渋谷のBunkamuraオーチャードホールで行われた、冨田勲さん制作で、初音ミク、東京フィルハーモニーによるバレエとオーケストラを合わせた作品『ドクター・コッペリウス』を観劇に行った際、この中で、アルバム『ドーンコーラス』の4曲目『パルサーからの呼びかけ』が使われていることに気付いた(ブラジル風バッハ 第4番 "コラール"のオマージュ)。
昔のテレビは「サー」という雑音と砂嵐のように流れる映像が見れたものだが、今でもラジオでは雑音が聴こえることがあると思う。
まだラジオが多く使われていた頃は、ラジオの音の中に、何かの無線通信が混線し、おかしな音や声を聴くこともあったと思う。
関英男博士が若い時、今のKDDIの前身の会社に勤めていて、無線機の研究をしていたらしいが、ある日、無線機から流れて来る音をずっと聴き続けていた。
そして、夜になって帰宅する時、関博士は超越体験をする。
意識の状態が普段と違い、異世界に来たように感じたのだと思う。星が語りかけてくるようだったと言う。
このような体験は、およそ文豪であれば、誰でも体験しているという話もあるが、きっと科学者にも多いのだと思う。
なぜなら、科学者は、受容状態でずっと観察する機会が多いだろうからだ。
受容状態で、見る、あるいは聴き続け、一切の思慮分別、是非好悪の思考・感情が消えると、・・・つまり、あるがままに見、聴いていると、関博士のような状態になることは珍しくはない。
W.B.イェイツはそんな時、「視界が開け、見えなかったものが見えた」と、そして、壁の絵が語りかけてきたとも言う。
精神科医のミルトン・エリクソンは、そのような精神状態を「無意識に入る」と言い、いつでも簡単に出来たのだろう。
それが、「魔法を使って治している」とまで言われた、驚異的な治療成果につながっていたのだと思う。
何と言っても彼は、17歳の時、ポリオに感染し、目玉以外は動かせなくなり、その目玉でずっと観察することだけしていたのだから、自然に、あるがままに見るようになったのだろう。
「初めて見るように見る」「新たな目で見る」ということが、すぐに出来れば良いのだが、そうでなくても、静かにじっと見ていれば、やがて出来るようになる。
その時に、驚くべきことが起こるのである。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)DAWN CHORUS(ドーンコーラス)[CD](冨田勲)
(2)ドクター・コッペリウス[CD](冨田勲)初音ミク、東京フィルハーモニー
(3)スペース・バレエ・シンフォニー ドクター・コッペリウス [Blu-ray](冨田勲)初音ミク、東京フィルハーモニー
(4)イェイツ詩集(対訳)(W.B.イェイツ)
(5)心は宇宙の鏡(関英男、佐々木将人 )
(6)私の声はあなたとともに ~ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー~

AIアート1692
「自然風」
Kay
ドーン(dawn)は夜明け(あけぼの、暁)という意味で、コーラスは合掌だ。
夜明けの合掌・・・「何だそれ?」だろう。
どこでのことか分からないが、第一次世界大戦中、通信兵が無線機に耳を澄ませていると、毎日ではないが、夜明け頃に、鳥のさえずりのような音が聴こえることがあった。
おそらく、いろんな人が、この現象に気付いたのだろう。この現象をドーンコーラス(夜明の合掌、暁の合掌)と呼ぶようになった。
その後、物理学的研究により、このドーンコーラスは、地球の磁気嵐と太陽風(太陽から放出される極高温のプラズマ)の相互作用で生じることが分かった。
世界的音楽家の冨田勲さんが、『ドーンコーラス』というアルバムの第1曲『ドーンコーラス』の冒頭に、ドーンコーラスをシンセサイザーで取り込んだ音を入れている。
私は、このアルバムを聴いていたのだが、2016年に東京渋谷のBunkamuraオーチャードホールで行われた、冨田勲さん制作で、初音ミク、東京フィルハーモニーによるバレエとオーケストラを合わせた作品『ドクター・コッペリウス』を観劇に行った際、この中で、アルバム『ドーンコーラス』の4曲目『パルサーからの呼びかけ』が使われていることに気付いた(ブラジル風バッハ 第4番 "コラール"のオマージュ)。
昔のテレビは「サー」という雑音と砂嵐のように流れる映像が見れたものだが、今でもラジオでは雑音が聴こえることがあると思う。
まだラジオが多く使われていた頃は、ラジオの音の中に、何かの無線通信が混線し、おかしな音や声を聴くこともあったと思う。
関英男博士が若い時、今のKDDIの前身の会社に勤めていて、無線機の研究をしていたらしいが、ある日、無線機から流れて来る音をずっと聴き続けていた。
そして、夜になって帰宅する時、関博士は超越体験をする。
意識の状態が普段と違い、異世界に来たように感じたのだと思う。星が語りかけてくるようだったと言う。
このような体験は、およそ文豪であれば、誰でも体験しているという話もあるが、きっと科学者にも多いのだと思う。
なぜなら、科学者は、受容状態でずっと観察する機会が多いだろうからだ。
受容状態で、見る、あるいは聴き続け、一切の思慮分別、是非好悪の思考・感情が消えると、・・・つまり、あるがままに見、聴いていると、関博士のような状態になることは珍しくはない。
W.B.イェイツはそんな時、「視界が開け、見えなかったものが見えた」と、そして、壁の絵が語りかけてきたとも言う。
精神科医のミルトン・エリクソンは、そのような精神状態を「無意識に入る」と言い、いつでも簡単に出来たのだろう。
それが、「魔法を使って治している」とまで言われた、驚異的な治療成果につながっていたのだと思う。
何と言っても彼は、17歳の時、ポリオに感染し、目玉以外は動かせなくなり、その目玉でずっと観察することだけしていたのだから、自然に、あるがままに見るようになったのだろう。
「初めて見るように見る」「新たな目で見る」ということが、すぐに出来れば良いのだが、そうでなくても、静かにじっと見ていれば、やがて出来るようになる。
その時に、驚くべきことが起こるのである。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)DAWN CHORUS(ドーンコーラス)[CD](冨田勲)
(2)ドクター・コッペリウス[CD](冨田勲)初音ミク、東京フィルハーモニー
(3)スペース・バレエ・シンフォニー ドクター・コッペリウス [Blu-ray](冨田勲)初音ミク、東京フィルハーモニー
(4)イェイツ詩集(対訳)(W.B.イェイツ)
(5)心は宇宙の鏡(関英男、佐々木将人 )
(6)私の声はあなたとともに ~ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー~

AIアート1692
「自然風」
Kay
