世界で最も有名な宇宙飛行士は誰かというと、おそらく、1961年に人類初の宇宙飛行を行った旧ソ連のユーリィ・ガガーリンと、1969年に人類で初めて月面に降り立ったアメリカのニール・アームストロングだと思う。
この2人の名は、人類の歴史に永遠に刻まれることだろう。
そして、2人の名だけでなく、ガガーリンが宇宙空間で、アームストロングが月面で発した言葉も、永遠に残る。
それは、
ガガーリン「神はいなかった」
アームストロング「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である」
である。
こう言うと、「あれ?」と思う人もいるだろう。
ガガーリンの言葉としては、「地球は青かった」を覚えている人が多いと思うが、日本以外では、「神はいなかった」が有名らしい。
もっとも、ガガーリンの言葉として本当によく知られているのは、打ち上げの際の「さあ行こう(パイェーハリ)」であるようだ。
ところで、宇宙飛行士に必要な、ある重要な適性をご存じだろうか?
そりゃあ、飛行士として以前に、優秀であることも必要だが、アームストロングもガガーリンも、最も優秀だったから、人類史に名を残す快挙を行う役になったというわけではない。
宇宙飛行士は、「命知らず」でなければならない。
アームストロングが選ばれた理由も、何度も墜落経験がありながら飛行士を続けていた、その命知らずっぷりに白羽の矢が立ったと言われている。
ところで、宇宙飛行士が「命知らず」と聞いて思い出すことがある。
『サンダーバード』で有名な映像作品プロデューサーであるジェリー・アンダーソンが、初めて人間の俳優を使って製作した1970年のイギリスのSFテレビドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』でのものだ。
宇宙人と戦う地球防衛委組織シャドーの最高司令官ストレイカーと、フォスター大佐が重々しく会話する場面だ。
フォスターが「若い頃は死ぬことなんか何とも思っていなかった。だけど、今は死ぬのが怖い」と言うと、ストレイカーは、「君も歳を取ったんだ」と言う。
ちなみに、フォスターは30代も前半と思われる若さで、しかもナイス・ガイで、このテレビドラマでも女性視聴者に圧倒的に支持されていたようだ。
ストレイカーの言葉に、フォスターは「どういう意味ですか?」と質問すると、ストレイカーは「歳を取ると、人生の値打ちが分かるようになる」と答えた。
ストレイカーは40代前半と思われ、フォスターとは違うタイプの、いわゆる、「格好良いオジサン」で、当時の日本でも、若い女の子に、オジサンブームを起こしたと言われている。
(もっとも、いかに格好良く見えるオジサンも、その実態を知れば幻滅するものらしいが…)
フォスターは、ストレイカーの最優秀な部下であると共に、ストレイカーの数少ない友人の1人だが、元々は、航空機メーカーのテストパイロットだった。
テストパイロットとは、新しく作った飛行機の試験飛行を行うのだから、普通のパイロットの能力以外にも様々な能力を求められるが、やはり、「命知らず」でなければ務まらない。
フォスターも、若い時は命知らずだったが、少し歳を取ると、それほどの命知らずではなくなったというわけだ。
人生の値打ちが分かってくると、死ぬのが怖いというのではなく、命の大切さが分かると解釈すべきと思う。
そうなると、自分の命だけでなく、他者の、あるいは、あらゆる命の大切さが分かる・・・そうありたいものだ。
では、人生の値打ちとは何だろう?
これについては、スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが共演した傑作映画『パピヨン』のあるシーンを思い出す。
殺人の罪で終身刑を受け、孤島の刑務所に送られたパピヨンは、確かに悪事は働いたが、実は、殺人に関しては冤罪だった。
そのパピヨンが、夢の中で、砂漠の中の裁判所で裁判を受ける。
裁判官が「有罪」を告げると、パピヨンは、「俺は殺していない」と主張した。
だが、裁判官は、「その罪ではない」と言い、パピヨンは困惑して「では、何の罪だ?」と問うと、裁判官は、「人生を無駄にした罪だ」と告げる。
それを聞くと、パピヨンは、
「確かに有罪だ。認めるよ」
と言ってうな垂れ、去って行く。
若くて勇敢なのも美点であるかもしれないが、若くても、人生を無駄にしてはならない。
若い時に人生を無駄にすれば、その「ツケ」が大きいことが、後で分かる。
歳を取れば、ますます、人生を無駄に出来なくなる。
無駄とは、自主的に何かをしないことだ。
子供の時から勉強ばかり「やらされて」一流大学に入った直後に死ぬことになったら、大変な後悔をする。自主的には何もしなかったからだ。
つまり、好きなことを自主的にしないことは、人生を無駄にして後悔するだけでなく、それは罪なのである。
この2人の名は、人類の歴史に永遠に刻まれることだろう。
そして、2人の名だけでなく、ガガーリンが宇宙空間で、アームストロングが月面で発した言葉も、永遠に残る。
それは、
ガガーリン「神はいなかった」
アームストロング「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である」
である。
こう言うと、「あれ?」と思う人もいるだろう。
ガガーリンの言葉としては、「地球は青かった」を覚えている人が多いと思うが、日本以外では、「神はいなかった」が有名らしい。
もっとも、ガガーリンの言葉として本当によく知られているのは、打ち上げの際の「さあ行こう(パイェーハリ)」であるようだ。
ところで、宇宙飛行士に必要な、ある重要な適性をご存じだろうか?
そりゃあ、飛行士として以前に、優秀であることも必要だが、アームストロングもガガーリンも、最も優秀だったから、人類史に名を残す快挙を行う役になったというわけではない。
宇宙飛行士は、「命知らず」でなければならない。
アームストロングが選ばれた理由も、何度も墜落経験がありながら飛行士を続けていた、その命知らずっぷりに白羽の矢が立ったと言われている。
ところで、宇宙飛行士が「命知らず」と聞いて思い出すことがある。
『サンダーバード』で有名な映像作品プロデューサーであるジェリー・アンダーソンが、初めて人間の俳優を使って製作した1970年のイギリスのSFテレビドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』でのものだ。
宇宙人と戦う地球防衛委組織シャドーの最高司令官ストレイカーと、フォスター大佐が重々しく会話する場面だ。
フォスターが「若い頃は死ぬことなんか何とも思っていなかった。だけど、今は死ぬのが怖い」と言うと、ストレイカーは、「君も歳を取ったんだ」と言う。
ちなみに、フォスターは30代も前半と思われる若さで、しかもナイス・ガイで、このテレビドラマでも女性視聴者に圧倒的に支持されていたようだ。
ストレイカーの言葉に、フォスターは「どういう意味ですか?」と質問すると、ストレイカーは「歳を取ると、人生の値打ちが分かるようになる」と答えた。
ストレイカーは40代前半と思われ、フォスターとは違うタイプの、いわゆる、「格好良いオジサン」で、当時の日本でも、若い女の子に、オジサンブームを起こしたと言われている。
(もっとも、いかに格好良く見えるオジサンも、その実態を知れば幻滅するものらしいが…)
フォスターは、ストレイカーの最優秀な部下であると共に、ストレイカーの数少ない友人の1人だが、元々は、航空機メーカーのテストパイロットだった。
テストパイロットとは、新しく作った飛行機の試験飛行を行うのだから、普通のパイロットの能力以外にも様々な能力を求められるが、やはり、「命知らず」でなければ務まらない。
フォスターも、若い時は命知らずだったが、少し歳を取ると、それほどの命知らずではなくなったというわけだ。
人生の値打ちが分かってくると、死ぬのが怖いというのではなく、命の大切さが分かると解釈すべきと思う。
そうなると、自分の命だけでなく、他者の、あるいは、あらゆる命の大切さが分かる・・・そうありたいものだ。
では、人生の値打ちとは何だろう?
これについては、スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが共演した傑作映画『パピヨン』のあるシーンを思い出す。
殺人の罪で終身刑を受け、孤島の刑務所に送られたパピヨンは、確かに悪事は働いたが、実は、殺人に関しては冤罪だった。
そのパピヨンが、夢の中で、砂漠の中の裁判所で裁判を受ける。
裁判官が「有罪」を告げると、パピヨンは、「俺は殺していない」と主張した。
だが、裁判官は、「その罪ではない」と言い、パピヨンは困惑して「では、何の罪だ?」と問うと、裁判官は、「人生を無駄にした罪だ」と告げる。
それを聞くと、パピヨンは、
「確かに有罪だ。認めるよ」
と言ってうな垂れ、去って行く。
若くて勇敢なのも美点であるかもしれないが、若くても、人生を無駄にしてはならない。
若い時に人生を無駄にすれば、その「ツケ」が大きいことが、後で分かる。
歳を取れば、ますます、人生を無駄に出来なくなる。
無駄とは、自主的に何かをしないことだ。
子供の時から勉強ばかり「やらされて」一流大学に入った直後に死ぬことになったら、大変な後悔をする。自主的には何もしなかったからだ。
つまり、好きなことを自主的にしないことは、人生を無駄にして後悔するだけでなく、それは罪なのである。

