ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

華厳経

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
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世界は二人のためにあるのか(ある)

『荘子』の中の『斉物論』には、「最も小さなものが最も大きなものであり、最も少ないものが最も多いものである。一頭の馬も万物であり、一本の指も天下である」といったことが書かれている。
荘子の時代には、まだ仏教は中国に伝わっていないが、これは仏教の『華厳経』の教えと同じで、『華厳経』の解説ではよく「1つは全てであり、全ては1つである」などと言う。
ただ、この意味を解説したものを見ると、大抵がっかりする。
早い話、解説などしない方が良い。
だが、解説しないと、上の『斉物論』や『華厳経』は、普通の人には、「何でそうなるんだ」ということになるだろう。
「一頭の馬も万物?なるほどまさにその通り」などと言う人は、まあ、滅多にいまい。

1967年の佐良直美さんの大ヒット曲(120万枚と言われる)『世界は二人のために』では、「二人のため世界はあるの」と何度も繰り返す。
これだって、「何で世界は二人のためにあるんだ、馬鹿馬鹿しい」と言いたい人もいるだろうが、むしろそんな文句を言う方が、頭が固い嫌な人になってしまう場合が多いだろう。
つまり、理屈には合わないが、情緒的に納得することもあるわけだ。
上の『斉物論』や『華厳経』だって、理屈には合わないように思えても、なんとなく納得する人もいるはずだ。そして、そんな人はおそらく、相当頭が良い。

さて、引き寄せでは、「願った瞬間に、実際に願いは叶っている」と言うことがある。
これを聞いて、納得はしないながら、否定はしない、さらに、何か美しいものを感じる人もいるはずだ。
これを聞き、「そんなわけないだろ、ばーか」といった反応をする人はIQが低く、私ならあまり相手になりたくない。
108さんの『ザ・チケット』という伝説の電子書籍(でじたる書房で販売)には、
「あなたは既に全ての願望を叶え、幸せの絶頂にある」
と書かれていて、言い方に困るが、まあ、その通りなのである。
どうしても納得出来ないだけでなく、これがデタラメだと主張するなら、私の知ったことではないので、サヨナラである。
だが、何かを感じたら、判断せず、放っておくと良い。
ニサルガダッタ・マハラジは、師に「あなたは至高の実在(まあ、神のことだろう)である」と言われ、納得したわけではないだろうが、それを忘れなかっただけで、修行は何もしなかったが悟りを開けたという。
あなたも、「あなたは既に全ての願いを叶え、幸せの絶頂にある」を、判断せず放っておけば、実際にそうなると思う。

ピンクのチューリップ
AIアート687
「ピンクのチューリップ」
Kay


電子掲示板「2ちゃんねる(今は5ちゃんねるか)」のコピーと思うが、YouTubeで、この「既に願いが叶っている」の下手な解説をする動画が沢山あり、ちょっとがっかりする。
80巻とも言われる『華厳経』を読めとは言わないが『荘子』を読むと良い。
頭で納得しようとせず、情緒を頼る方が良い。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)春宵十話(岡潔)天才数学者が情緒の重要性を説く
(2)荘子(そうじ) 1 (中公クラシックス)※この1だけでも良いと思う
(3)新釈 荘子 (PHP文庫)
(4)荘子(徳間文庫)
(5)華厳の研究(鈴木大拙)
(6)無限の世界観<華厳>(角川ソフィア文庫)

神に飛び込むには勇気が必要

1970年頃のイギリスのSFテレビドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』で、神秘思想を感じる興味深いお話があった。
人形劇の『サンダーバード』、『キャプテン・スカーレット』で知られる、ジェリー・アンダーソンの制作であるが、彼は、この作品で、初めて人間の俳優を使っている。

こんなストーリーだ。
地球を侵略しにやって来る、人類をはるかに超えた科学力を持つ宇宙人との苦しい戦いを続けていた、地球防衛組織シャドーの最高司令官ストレイカーは、膨大な予算を勝ち取り、NASAのロケットに最新のカメラを積み、宇宙人が、どの惑星からやって来るのかを探る作戦を実行する。
作戦を始める前のストレイカーは、「失敗を恐れていては何も出来ない」と不敵に笑い、自信も示した。
しかし、作戦は見事に失敗し、何も分からないという結果に終わった。
自分が軽く見ていた細胞学者の指摘で、知識の欠如が作戦の失敗の原因であることを認めたストレイカーは、宿敵とも言える上司の、ヘンダーソン長官の部屋にいた。

ストレイカーは、窓枠をなぞった指についた埃を見ながら、
「この埃の中にも、宇宙が存在しているのです」
と言う。
仏教の経典である『華厳経』は、「極小のものの中に全体を含む」が根本的な教義であるのだと思う。
また、ヘルメスのエメラルド・タブレットにも、「下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし」という有名な言葉があるが、それも同じ思想であると思う。
世界各地に、このような思想があるのは、それが真理だからではないだろうか。

人間は、神という大海の一滴の水のようだとは、よく言われる。
だが、土埃にまみれた一滴の水なのだ。
そんな我々は、大海が見えないし、大海と自分が同じ成分であるとは想像もしない。
自分と大海の関係も分からない。
そして、愚かにも、自分は土埃だと思っているのだ。

やるべきことは、大海に飛び込むことだ。
今、まとっている土埃(身体や心や所有物)に執着せず、大海と一体化することだ。
そうしたら、自分が土埃でないことが分かるだろう。
大海に飛び込むとはどういうことかと言うと、神に全てまかせることだ。
では、神に全てをまかせるとはどういうことかと言うと、直観を大切にするということだ。
神とは、直観の源泉であるのだからだ。

物質や理屈が大切でないとは言わないが、直観はもっと大切だ。
物質や理屈より直観を優先させることは勇気がいる。
理屈では右が安全で左が危険なのに、直観は左に行けという。
そんな時、迷わず左を選んだのが岡本太郎だが、ほとんどの人が安全な右を選ぶのだ。
ところが、初音ミクさんの歌では、大抵が左(理屈と反対の方)に行けと言うのである。
このことからも、ミクさんの歌がいかに芸術的であるかが分かるのである。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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