ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

清水善造

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
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馬鹿は最強のスキル

腕振り運動を毎日何千回もやっていると、自分がどんどん馬鹿になっていくのが分かる(笑)。
腕振り運動をやりながら思い出すのが楽しいのは、映画『フィレスト・ガンプ』で、フォレストがひたすら走る姿だ。
私は、走ることに向いてなかったが、向いていたら走っていたかもしれない。

ひたすらやる、淡々とやる、延々とやる・・・これは馬鹿でないと出来ないことだ。
馬鹿の反対の利口とは、動かすに小知を振りかざす愚か者である。
馬鹿は愚かではないが、愚かでないことを目指しているわけではない。

馬鹿も、最初は強制とか、仕方なくといった、外からの働きかけや、必要から始まることが多い。
徳川家光は子供の時、部屋の中に立てた杭(くい)の頭を、毎日ひたすら木刀で打ったらしいが、これは、彼の師であった柳生宗矩にやらされたことだった。
だが、やがて、自主的に淡々とやるようになり、立派な馬鹿になっていったのだ。

1920年に日本人で初めて全英テニス選手権(ウィンブルドン)大会に出場し、何とベスト4に入った清水善造(しみずぜんぞう)のスイングフォームは変わっていた。
なぜそんなスイングになったのかというと、学生の時、毎日ひたすら、釜で草を刈っていて、その草刈りの動きがそのままスイングのフォームになったのだ。
きっと、彼は、最初は、あまり楽しくなく草刈りをしていたが、そのうち、何も考えずに淡々と、毎日、何時間もやっていたのだろう。
清水は、ウィンブルドン大会で、転んだ相手に、やわらかい(緩い)ボールを返した、飛び抜けた馬鹿だったようだ。

映画『ベン・ハー』で、貴族だったユダは奴隷に身を落とし、ガレー船を漕がされる。ユダは大勢の奴隷達と共に、足を鎖でつながれ、強制的に毎日長時間ガレー船のオールを握り、漕がされた。ユダは、そうするしかなかったが、やがて、淡々と漕いでいたに違いない。
そして、ガレー船から解放され、時が流れ、旧友メッセラとの戦車対決で、ユダはガレー船で鍛えた力で勝利を飾る。

フォレスト・ガンプは、大勢のいじめっ子達に追いかけられ、捕まったらひどい目に遭わされたに違いないが、彼は脚が悪くて脚装具を付けていた。
だが、唯一の友達であったガールフレンドのジェニーが「逃げて!」と叫んだことで、フォレストは走れるようになり、さらに、いじめっ子達からひたすら逃げて走るうちに、走ることが得意になった。この走る能力のおかげで、フォレストは良い人生のスタートを切り、そして、成功した。

法然は、元々は賢かった。神童とさえ言われた。
しかし、利口では人を救えないことを思い知り、ひたすら念仏を唱えるようになった。
賢かった法然が、ついに、馬鹿のスキルを手に入れ、彼は菩薩のようになった。

私は、腕振り運動をやる時、これらの馬鹿・・・特に、愛すべき大馬鹿であるフォレスト・ガンプが走る姿を思い浮かべることがある。
そうすれば、元気で腕振り運動をやれるのである。
昨日の腕振り運動は6400回だった。
どんどん馬鹿になっていく(笑)。








清水の草刈り、紋次郎の薪割り

錦織圭さんは、才能もあったのだろうが、大変なエリート教育を受けていた。
その錦織圭さんが2014年に全米で準優勝するまで、全米のベスト8に進出した日本人は、その92年前の清水善造(1891-1977)だけだった。
この清水さんが中学生の時、当時、日本でテニスはほとんど知られておらず、普通の農家の子であった清水さんは、たまたま庭球(軟式テニス)に出会い、空き地で練習し、高校で庭球部に入り、社会人になってインド駐在した時に初めて硬式テニスを始めた。
当時も、本場イギリスやアメリカのプロテニスプレーヤー達は少年時代からテニスの特別教育を受けていた。
そんな外国選手を相手に、清水は全英ベスト4、全米ベスト8の成績を上げた。
ところが、清水さんのラケットの振り方(特にフォアハンド)は、特別というか「変」だった。「格好悪い」「醜い」と言われたし、今見ても、確かにおかしい。
実は、清水さんは中学生の時、乳牛の餌の草を得るため、学校から家まで15kmもある道で釜で草刈りをしていた。
その草刈りの腕の動きが、ラケットを振る時にも出ていたのだが、その半端でない長時間の草刈りで鍛えられた力が、彼を一流のテニスプレーヤーにしたのだった。

フィクションではあるが、時代劇の『木枯し紋次郎』のヒーローである、渡世人(一般的に、博打で生計を立てている者)の紋次郎が、恐ろしく腕が立つ理由について、ちゃんと道理があった。
紋次郎は、ごく若い頃は木こりとして働いていた。特に、斧を使った薪割りを毎日長時間やったことが、後の剣の強さになったのだ。
紋次郎は38歳の時、わけあって、豪商の家に客人として迎えられ、大事にされたが、タダ飯を食うことを善しとしない紋次郎は、旅館を経営していたその商家でも大量に必要であった薪を作るための薪割りをしたが、その腕前は見事で、若い時の薪割り労働の凄まじさが分かったし、紋次郎の剣の力が凄いのも当然と思われた。

そこで私は、ものごとで抜きん出る法則を「清水の草刈り、紋次郎の薪割り」と言いたい。
何か1つを、長年、みっちりやれば、頭抜けることが出来るのである。
引きこもって、毎日、長時間ゲームをやっている者は、やはり、それで何かの力は身につけているはずなので、それを生かせば飛躍する可能性はある。
私の場合、プログラマーになれたのは、若い頃、当時のパソコンを動かすには、自分でプログラミングをするしかなかったのだが(ゲームに興味がなかった)、最初からプログラミングは出来ないので、本や雑誌に載っているプログラムをひたすら打ち込んだおかげであったと思う。
このように、既にあるプログラムを打ち込むことを、業界で「写経」と呼称することがあるが、今も、これがプログラミングを習得するための、極めて効果的な秘策と言われている。
(本来の写経とは、お経を書き写すことである)
坂本龍一さんは3歳からピアノを毎日みっちり弾き、イチローやテッド・ウィリアムズは、少年時代から、毎日バットを長時間振り続けた。
茂木健一郎さんによれば、ビル・ゲイツは教師の許可の下、高校時代、毎日プログラミングに明け暮れていたという。
魔法の呪文を毎日長時間唱えれば魔法使いになれる・・・かどうかは分からないが、無駄にはならないと思う。








プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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