何か1冊、真理を語った書を読み続ければ、少しずつ真理に目覚め、自覚はなくても、知恵を得、普通にはあり得ぬことを起こす力がつくと思う。
数学者の岡潔は道元の『正法眼蔵』を意味が分からないまま20年の間、座右の書とし、ある日突然『正法眼蔵』の全てが分かったというが、それまでにだって、自覚はないながら、魂の力が発揮出来る度合いが高まっていたはずなのである。
発明家の中山正和さんは、旧制中学卒業の際、国語の先生に、「『正法眼蔵』の『現成公案』だけ一生読め」と言われ、『正法眼蔵』の他のところも読んだが、やはり、まずは『現成公案』をしっかり読んだことが彼に知恵と力を与えたのだろうと思う。
私は、ごく若い時、禅文化学院の『正法眼蔵』を読み、意味はさっぱり分からなかったが、美しいことが書かれていることは感じ、読むのがもったいないと思いながら少しずつ読んだ。そんな読み方でも、何かしらの効果は明らかにあったと思う。
まあ、言ってしまえば、引き寄せの力が向上したのである。
どんな本が薦められるのかというと、私なら、この『正法眼蔵』か『荘子』である。
ただ、中山正和さんは、その『現成公案』の原文を読んだらしいが、古文は慣れていないと真逆の意味に取りかねないし、『正法眼蔵』は難解と言われながらも、文章自体が難しいわけではないので、易しく翻訳された現代文を読むべきと私は思う。つまり、それで書かれていることは十分に伝わるのである。
ただ、現代語訳と言いながら、難しい言葉を使って書いた学者さんもいるので注意が必要と思う。
『荘子』は、元はもちろん漢文であるが、書いてあること自体はおとぎ話レベルの易しいことなので、やはり分かり易い翻訳で読むのが一番だと思う。あまりくどくど、詳細・厳密な翻訳と解説を記したものは、下手したら理解するのに何十年もかかるかもしれない。
『荘子』はあくまで実用書であり、中国の人は気楽に読め、そんな読み方でこそ役に立つのだから、翻訳もそんなものが良いと思う。
(ちなみに、中国の人は孔子・孟子を読むことが多く、老子・荘子はさほど読まれていないのではと思う。まあ、これは日本でも同じと思う)
確かに、アリストテレスみたいなものでは、用語そのものが難しく、翻訳も難解になる場合があるのも仕方がないが、『荘子』に関しては、簡単な用語の説明が記されてあれば(ほとんどの本についている)、それで良いと思う。
『老子』も、もちろん良いが、これは一般人のために書いたものではなく、他にもいろいろな意味で、現実的な効果は期待せずに読むと良いようなものと思う。
ところで、ラマナ・マハルシの本も良いのだが、これは何と言っても、ほとんど会話をすることがなかったマハルシの貴重な言葉を側近が書き写したものがほとんどで、マハルシは自身が語った言葉の意味を解説することはほとんどなく、いかに優秀な側近が注意深く記述しても、間違って記述したところも多いはずだ。
そもそも、話し言葉なんて、よほどの話上手でもなければ、半分も(普通は3割以下)意図した通りには伝わらないものである。
それに、マハルシが使ったのはタミール語というインドの方言で、これを英語に翻訳する際にも、かなりの齟齬が生まれただろうし、それを日本語に訳したのが日本語の本であるから、残念ながら、マハルシが本当に言ったことの残骸としか言えないと思う。
ただ、残骸とはいえ、読むに値しないわけではもちろんない。
私は、『荘子』(徳間書店版)を初めて読んだ時、「これを繰り返し読めば超能力者になる」と思ったが、もちろん、そんな自覚がはっきり得られるかどうかは分からないが、そう外れた見解でもないと思う。
『荘子』は、とりあえず、『内編』のみを読めば良いと思う。
『正法眼蔵』は全巻では大変な量であるが、『現成公案』と、その他いくらかを読めば良いと思う。
ただ、『正法眼蔵』にしろ『荘子』にしろ、私個人としては、解説は決して読まないことをお奨めする。
分かり易い翻訳を淡々と読むのが良いと思う。
禅文化学院の『正法眼蔵』は、現代語訳主体で、下に原文があり、解説もとても良いが、現代語訳を通して読むことをお奨めする。
AIアート674
「あるがまま」
Kay
◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)現代訳 正法眼蔵(禅文化学院)
(2)正法眼蔵(ひろさちや訳)
(3)荘子(そうじ) 1 (中公クラシックス)
(4)荘子(徳間文庫)
(5)新釈 荘子 (PHP文庫)
数学者の岡潔は道元の『正法眼蔵』を意味が分からないまま20年の間、座右の書とし、ある日突然『正法眼蔵』の全てが分かったというが、それまでにだって、自覚はないながら、魂の力が発揮出来る度合いが高まっていたはずなのである。
発明家の中山正和さんは、旧制中学卒業の際、国語の先生に、「『正法眼蔵』の『現成公案』だけ一生読め」と言われ、『正法眼蔵』の他のところも読んだが、やはり、まずは『現成公案』をしっかり読んだことが彼に知恵と力を与えたのだろうと思う。
私は、ごく若い時、禅文化学院の『正法眼蔵』を読み、意味はさっぱり分からなかったが、美しいことが書かれていることは感じ、読むのがもったいないと思いながら少しずつ読んだ。そんな読み方でも、何かしらの効果は明らかにあったと思う。
まあ、言ってしまえば、引き寄せの力が向上したのである。
どんな本が薦められるのかというと、私なら、この『正法眼蔵』か『荘子』である。
ただ、中山正和さんは、その『現成公案』の原文を読んだらしいが、古文は慣れていないと真逆の意味に取りかねないし、『正法眼蔵』は難解と言われながらも、文章自体が難しいわけではないので、易しく翻訳された現代文を読むべきと私は思う。つまり、それで書かれていることは十分に伝わるのである。
ただ、現代語訳と言いながら、難しい言葉を使って書いた学者さんもいるので注意が必要と思う。
『荘子』は、元はもちろん漢文であるが、書いてあること自体はおとぎ話レベルの易しいことなので、やはり分かり易い翻訳で読むのが一番だと思う。あまりくどくど、詳細・厳密な翻訳と解説を記したものは、下手したら理解するのに何十年もかかるかもしれない。
『荘子』はあくまで実用書であり、中国の人は気楽に読め、そんな読み方でこそ役に立つのだから、翻訳もそんなものが良いと思う。
(ちなみに、中国の人は孔子・孟子を読むことが多く、老子・荘子はさほど読まれていないのではと思う。まあ、これは日本でも同じと思う)
確かに、アリストテレスみたいなものでは、用語そのものが難しく、翻訳も難解になる場合があるのも仕方がないが、『荘子』に関しては、簡単な用語の説明が記されてあれば(ほとんどの本についている)、それで良いと思う。
『老子』も、もちろん良いが、これは一般人のために書いたものではなく、他にもいろいろな意味で、現実的な効果は期待せずに読むと良いようなものと思う。
ところで、ラマナ・マハルシの本も良いのだが、これは何と言っても、ほとんど会話をすることがなかったマハルシの貴重な言葉を側近が書き写したものがほとんどで、マハルシは自身が語った言葉の意味を解説することはほとんどなく、いかに優秀な側近が注意深く記述しても、間違って記述したところも多いはずだ。
そもそも、話し言葉なんて、よほどの話上手でもなければ、半分も(普通は3割以下)意図した通りには伝わらないものである。
それに、マハルシが使ったのはタミール語というインドの方言で、これを英語に翻訳する際にも、かなりの齟齬が生まれただろうし、それを日本語に訳したのが日本語の本であるから、残念ながら、マハルシが本当に言ったことの残骸としか言えないと思う。
ただ、残骸とはいえ、読むに値しないわけではもちろんない。
私は、『荘子』(徳間書店版)を初めて読んだ時、「これを繰り返し読めば超能力者になる」と思ったが、もちろん、そんな自覚がはっきり得られるかどうかは分からないが、そう外れた見解でもないと思う。
『荘子』は、とりあえず、『内編』のみを読めば良いと思う。
『正法眼蔵』は全巻では大変な量であるが、『現成公案』と、その他いくらかを読めば良いと思う。
ただ、『正法眼蔵』にしろ『荘子』にしろ、私個人としては、解説は決して読まないことをお奨めする。
分かり易い翻訳を淡々と読むのが良いと思う。
禅文化学院の『正法眼蔵』は、現代語訳主体で、下に原文があり、解説もとても良いが、現代語訳を通して読むことをお奨めする。
AIアート674
「あるがまま」
Kay
◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)現代訳 正法眼蔵(禅文化学院)
(2)正法眼蔵(ひろさちや訳)
(3)荘子(そうじ) 1 (中公クラシックス)
(4)荘子(徳間文庫)
(5)新釈 荘子 (PHP文庫)