『地下室のメロディー』だったと思うが、当時27歳のアラン・ドロンは死ぬほどいい男で、その映画の中で、ドロンは、富豪の青年に化けるチンピラを演じる。
彼の雇い主であるギャングの老人は、そのチンピラの彼に金持ちに見えるコツを伝授する。
その第一が、「荷物を自分で運ぶな」だったと思う。
他には、
「ホテルの部屋に通されたら、不満を言え。『殺風景だ』とか。金持ちは文句が多い」
「プールを見てはしゃぐな。赤ん坊の時から乳母と入っている」
などだ。
私は、それらをなぜか、妙に覚えている。

で、その第一の「荷物を自分で運ぶな」だが、今、自分で運ぶ富豪が増えている。
運転手やホテルのボーイ等などが、新型コロナウイルスに感染していないとは限らないからだ。

それで思い出すのが、「地球上の富の半分を持つ男」と言われた、実業家、映画制作者で飛行機マニアのハワード・ヒューズだ。
70歳で死ぬまでの数十年、彼は人前に姿を見せなかったが、世界を動かし続けた。
まさに、今の新型コロナウイルス流行時のエリートで、ヒューズは極端な潔癖症だった。
他人が触ったドアに決して触らず、いつも一人で過ごしたが、それでも、毎日1時間以上手を洗った。
精神が完全に病み、同時に肉体も病み、死んだ時は、190cm以上の長身なのに、体重が40kgもなかったという。
世紀の大富豪が恐れたのは、菌やウイルスだったのだ。
そして、いまや、世界中の大富豪が同じになりつつある。

以前は、大富豪達が恐れたのは核兵器だった。
それで、世界の大富豪達は、地下に、自分の家族専用の超頑丈な核シェルターを作り、放射能が消えるまでの長い期間に必要な食料や生活用品を備えている。
しかし、新型コロナウイルスの前では、富豪も貧乏人も平等だ。
貧乏人の方が危険があるように思えるかもしれないが、人の助けがなければ何も出来ず、交際が派手で、色情魔が多い富豪は新型コロナウイルスにも実際に感染している。

新型コロナウイルスが拡大した結果、自分で自分の面倒が見れ、他人の自由と権利を尊重して、無闇に他人に近付かないまっとうな人間が多くなれば良いと思う。
そのために、金持ちでなく、よって、金持ちに見えない人間であった方が良い。
最初の『地下室のメロディー』に戻るなら、
「荷物は自分で運ぶ」
「どんな部屋でも喜ぶ、満足する」
「プールを見て大はしゃぎする」
人間でいれば良い。
残念ながら痛みや苦しみは大きいが、地球を、そのような、当たり前の人間のものにするために、神は新型コロナウイルスを出現させたのかもしれない。












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