生物の細胞の1つが、その生物全体を含むように、あるいは、一人の人間の中に宇宙全体を含むように、いかなるものも、部分が全体を含むという構造をしている。
そういった構造を、とりあえず、ホログラム構造と言っておく。
詩でも、絵画でも、本物の芸術は、ホログラム構造を、なんらかの意味で表現している。
それは、科学でいうホログラムの形式はとっていないかもしれないが、もっと壮大な形で、ホログラムを表しているのである。
我々はそれが分からないから、その詩や絵が本当に良いのかと理屈では疑問に思いながら、大きなものを求め憧れる我々の魂が、そのホログラムの表現に惹かれてしまうのである。
そんなことを考えながら、タゴールやゲーテの詩、モローやセザンヌの絵を鑑賞すると、世界が見えて来る。
人間が情熱込めて創ったものは、どんなものでも、やはりホログラム構造をしている。
だから、本当に見る目のある人は、一流品を愛用するのである。

ところで、たとえば、好きな女の子を振り向かせるのも、株で儲けるのも、やっぱりホログラム感覚がある者はうまくいく。
もちろん、分かり易いので、こんな例を取り上げただけで、何事も同じなのだ。
株で何億、何十億円と稼ぐ人がいて、そんな人を羨ましいと思っている人も多いと思う。
だが、そんな人は、自分と株式市場とホログラフィックな関係にあり、自分の中に株式市場があるように感じるが、自分自身も株式市場に取り込まれてしまっている。
1つの細胞が生物を離れて生きられないように、彼は株式市場から離れられない。
株式市場は欲望渦巻く世界だ。
それほど楽しいものではない。
彼は、株式市場が見えてしまっていて、儲けを逃すことが恐くて仕方がないかもしれない。
彼は、別のものともホログラフィックな関係を持たないと、人生自体が辛く、楽しくないのである。

普通の人は株をやれば、間違いなく損をする。
株をやるには、情報を仕入れる。
それは、株式市場の動向の予想情報だ。
最近では、それをネットとコンピューターでやれるようになっている。
それでやると儲かるはずなのに、トータルでは必ず損をするのだ。
その種明かしをすれば、予想という過程は、株式市場に含まれるホログラムなのだが、ホログラムである以上、株式市場自体、予想の中に含まれている。
それに気付いた人が、大投資家になるのだ。
予想自体が、株式市場を動かしてしまうことを知っているのだ。
丁度、量子力学で、観察すれば、観察対象に影響を与えてしまい、正しい観察ができないようなものだ。
だから、大投資家というのは、予想を信じない。
それで、普通の人が予想することと全然違う投資をして、儲け全部をかっさらってしまうのだが、そのやり方が、普通の人にはどうしても分からないのだ。

話を変えて、女の子を口説くことを考えてみよう。
普通、男は、女性を口説くために、いろいろサービスするのだと思う。
荷物を持ってあげたり、雑用を片付けてあげたり、プレゼントをしたりとかね。
だが、この試みは絶対に失敗する。
サービスで女性を口説けた男はいない。
(女性が男を誘惑する場合も同じだ)
プレゼントを渡すってことは、株の予想と同じなのだ。
上で述べた通り、株の予想は、想定外の影響を株式市場に与える。
同じく、サービスは恋愛関係に想定外の影響を与えるのだ。

プレゼントを渡す者は、相手が喜び、自分の誠意を認めてくれて、自分を好きになってくれることを期待する。
そんな単純な影響が起こるはずがないのだ。
「この馬鹿」と言いたいほどである。
株と同じように、もっともっと複雑で、予想不可能な影響があるのだ。
そして、それは、ほとんどの場合、まずい結果につながる。
なぜだろう?
相手が好きになってくれる、あるいは、株が上がるというのは、沢山の動きの中の、たった1つのパターンでしかないのだ。
しかし、好きになってくれない、株が下がるという展開には、実に多くのパターンがあるのだ。
うまくいく方がおかしい。
女の子にプレゼントをすれば、しないより百倍悪い結果になると知っておくと良い。

ではどうすれば良いか?
株の方はともかく、女の子の方は、諦めてしまえばうまくいく。
それでマイナスの影響が起こらないということもあるが、ホログラムの循環の特質により、そうなってしまうのだ。
そのあたりは、言葉で説明するのは難しいが、直観で分かると思う。
そして、それは株も同じなのだ。
そのために、芸術を鑑賞したり、世間で芸術と言われるかどうかは関係なく、あなたが純粋に惹かれるものを熱心に見、世話をし、育てれば自然に分かることだ。









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