多くの人が、お金や、健康や、人間関係や、恋愛のことで悩み、苦しい日々を送っている。
人間に先のことは分からないのだから、それは当然とも言える。

しかし、不思議なことに、不意に胸が軽くなり、気楽になってしまうことがある。
グリム童話の『杜松(ねず)の樹』というお話に、そんな場面が何度も出てくる。
ある夫婦は、子供が出来なかったので、ずっと子供が欲しいと祈ったが、叶わなかった。
ところが、その妻が、指を切って、白い雪の上に真っ赤な血が垂れたのを見て、
「雪のように白く、血のように赤い子供がいたら嬉しいのに」
と思った。
その刹那、彼女の胸は急に軽くなり、その後、願いが叶う。

願い事に関して言えば、事細かな想像は、かえって実現の妨げになる。
しかし、この妻のような、シンボル的なイメージはとても良い。
お金が欲しい時、「沢山のお金」というように、あまりに獏(ばく)としていてはいけないが、さりとて、「3億円」でも卑しいのである。
あくまで例えだが、「騎士のように優雅に、気高く生きるためのお金が出来たら嬉しい」と思うと良い。
彼女が欲しければ、「愛を知ることが出来るような可憐な子がそばにいてくれたら嬉しい」と言えば良いだろう。

これは、いつも言うように、ミルトン・エリクソンの、瞬間に未来を深い心の中に描く予言の方法・・・と私が呼んでいるものと同じだ。
また、『杜松の樹』で、その他の人達が、鳥の声を聴いて胸が軽くなったのは、鳥を見るとために顔を上げたからだ。
人間、良いことをすると、自然に顔は天を向く。
逆に、顔を上げると、無報酬で良いことをしたくなる。
その気持ちが幸運を呼ぶ。

幸運をもたらすために大切なことは、単純で欲深いテクニックなどではなく、心の正しさ、強さ、明るさ、大きさだ。
そのためには、上に述べたようにやれば良いと思う。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ