私は昔、整形外科と美容整形外科の区別がついていなかったことがあり、整形外科とは美容整形外科のことだと思っていた。
まして、形成外科となると、その存在すら知らなかったが、こちらは、春日大社の宮司をされていた神職の方であると同時に超一流の形成外科医であった葉室頼昭さんの本を読んで理解した。

そして、まさか自分が整形外科の患者になるとは思っていなかったが、一昨日の金曜の朝、自ら整形外科に行った。
重いもの(というより、事実上固定されていた)を持ち上げようと過度な力を入れたせいで、背骨か背中の筋を痛めたのだった。
背筋力の測定では重いものを引っ張り上げるようにするのだから、重いものを持ち上げるには、背中に負荷がかかるのが当然だが、多くの人は、むしろ、腰を痛めるのだと思う。
実際は、腰を新たに痛めるのではなく、元々悪い腰をさらに悪くするという感じなのだろうが、私は幸い、腰は全く問題ない。

プロレスに、カナディアンバックブリーカー(カナダ式背骨折り)という技があり、これは、相手を肩の上に仰向けで担ぎ上げて、相手の背骨を攻撃するものだが、この技を得意としていた怪力レスラーのブルーノ・サンマルチノ(ジャイアント馬場さんの親友であった)によれば、この技をかける時、腰を落としてはならないらしい。つまり、背筋の力で一気に持ち上げなければならないのだろう。

私の背中は、何かずーんとした痛みがあり、呼吸するごとに痛んで呼吸がし難く、「ヤバい」の一歩手前の「アブない」感じがしたので、十数年振りに病院に行ったのである。
9月初めの初音ミクさんのコンサートの観劇に影響しては大変だという想いもあった。
私は、病院の業務システムを作っていたことがあるので、病院や医院(ベッド数の違いで区別する)が、いかに儲かる仕組みになっているかは、よく知っているが、それはあくまで、患者が沢山来ればの話で、医者にとって患者は、完全にお客様である。
これは、本来は良いことであるはずだが、病院の場合は、必ずしもそうは言えないのだと思う。
私が行った整形外科も、医者の理想通り、駐車場は患者の車で一杯で、駐車場所でない所にまで、車が止められていた。
そんな病院(実際は医院だと思う)だけあり、受付対応は立派で気持ち良いものだった。
ここらは、「美味いラーメン屋は汚くて当然」はもう古いように、愛想が悪くても医者の腕が良ければ流行るという時代ではない。

結局、私は、「行かなきゃ良かった」と少し思った。
医者にとって、患者はお客様で、そのように扱うのだが、どうしても、儲けるには「数をさばく」ことが必要である。
一人一人、丁寧に診察している時間はない。
私も、レントゲンを取って、それを元に医者との対話になるが、医者は、
「背骨が真っ直ぐになってしまっている。湾曲が必要だ」
と言うが、いや、それはレントゲン撮影のために、わざと真っ直ぐにして見せたのである。
さらに、
「腰痛もあるでしょうが・・・」
と言うので、私は、
「いえ、全くありません」
と言ったが、それは軽くスルーされ、
「筋肉の衰えが影響してます」
と言う。
いや、毎日鍛え、超人的かどうかはともかく、並の人間とは比較にならないのだが。
医者には、時間をかけずに、速く流そうという態度が見え見えで、私もそれに合わせてさしあげた。
結局、骨に異常はなく、「肉離れのようなもの」ということになり、痛み止めの飲み薬と湿布薬をもらって帰った。

私も、ミクさんのコンサートのことを考え、過敏になっていたのかもしれない。
放っておけば治るようなものなのだろう。
でも、面白い体験が出来て良かった。有り難い。

整形外科の患者さんは、ほとんどが、腰痛やリウマチなどで苦しむご老人だと思う。
その中に、時々、若いスポーツ選手がいたりするが、私が行った時も、いかにもスポーツをやっていそうな、引き締まった顔とすらりとした体躯の女子中学生を2人ほど見た。
まだ少し痛むが、だいぶ良くなってきた。
もらった(実際は買ったのだが)湿布薬は、長く痛みのある右肩に貼った。
それが良い感じであり、有り難い。
おかげで、ミクさんのコンサートで、ペンライトを元気に振れそうだ。
本当に有り難いことである。









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