『怪傑ゾロ』というアメリカの作家ジョンストン・マッカレーが1919年に執筆した小説は何度も映画化され、世界を変えてきた。
私は、この『怪傑ゾロ』は、小学4年生の時、子供向け版の小説で読んだ記憶しかないが、面白い作品だと思う。
この作品がなぜ、これほどの異常とも言える人気が続くのかと言うと、良くも悪くも、人類が考えるヒーローの原型がここにあるからだと思う。
だから、世界中に、怪傑ゾロタイプのヒーローがいる。
『怪傑ゾロ』は、悪い支配者に虐げられる善良な人々という不条理を見た14歳のドン・ディエゴ・ベガが、自らを鍛えぬき、ゾロ(スペイン語でキツネ)という名のヒーローになって悪と戦うという痛快な話だ。
正義のヒーローが独り巨悪に立ち向かう・・・これこそがヒーローの原型である。
今で言えば、アメリカのドナルド・トランプを、そんなヒーローと見ている人が多いだろう。
だが・・・
ヒーローになりたい人は多いのである。
ヒーロー願望の人々の理屈は、この世には、裁かれない悪が沢山いるので、それを自分の手で狩り出して、自分の手で始末するというものだ。
分かり易い例で言えば、パンデミック時にマスクをしていない者に厳しい注意を与えたり、暴力的に強制するといったものだ。
あるいは、動画でもよく見るが、自動車からゴミを捨てる者がいたら、そんな者に自分で制裁を与えるというものもある。
珍しいところでは、ヨーロッパのある国で、電車内の椅子で股を広げて座っている男性の股に水をかける若い女性もいた。
空手などの格闘技を学ぶ人の中にも、自分の力で悪を懲らしめたいと思っている人はいると思う。
また、近年では、SNSで、悪徳な政治家や事業家などを言葉で糾弾してヒーローの気分を味わう人も多い。
ヒーロー願望というのは、潜在的にはほとんどの人にあり、それで言えば、案外に人間の本性は善であるのだと思われる。
しかし、個人の力は弱く、『怪傑ゾロ』のように、1人の人間が剣と拳銃の腕前で出来ることなど、当時でさえ、たかが知れているし、今の時代ではなおさらだ。
多少の徒党を組んで自警団を作ったところで、やはり大したものではない。
ところが、最近知ったが、『乱歩奇譚』というアニメで、なかなか面白いものを見た。
この作品は、江戸川乱歩の『怪人二十面相』のキャラクターの名を借りてはいるが全くの別作品だ。
江戸川乱歩作品では、怪人二十面相は天才的な盗賊だが、『乱歩奇譚』では、まさに、上で述べた、自分の力で正義を為すヒーローというか義人である。
ところが、そんな義人も、優秀で数が多くなれば世界を動かす力になる。
そして、優秀な義人「二十面相」を数多く作り出すことを、天才的な2人の少年が量子力学を応用して成し遂げようとするのである。
『乱歩奇譚』は2015年の作品であるが、この2023年を予言するような作品である。
その2人の天才少年達は、世の中の不条理に絶望し、それを自分達で正そうとして、未来を自由に決定出来る「ラプラスの悪魔」を数学とプログラミングで作り上げようとする。
これは、多くの人間の潜在的な願望である。
AIアート380
「雨の予感」
Kay
もちろん、いかに天才でも、人間の頭脳でラプラスの悪魔は作れない。
しかし、魂の知性をもってすれば、簡単なことかもしれない。
そして、人間は本来、魂なのであり、その知性を使うことは当然出来る。
だが、今の人類は、たとえ善人であっても、そのやり方を知らない。
いや、正しくは、そのやり方が分からないように、人々の魂を覆い隠す大きな力が存在する。
釈迦が説いたのもそんなことだが、理由はともかく、それは現代にほとんど伝わっていない。
だが、それを成す鍵は、やはり呼吸である。
私は、この『怪傑ゾロ』は、小学4年生の時、子供向け版の小説で読んだ記憶しかないが、面白い作品だと思う。
この作品がなぜ、これほどの異常とも言える人気が続くのかと言うと、良くも悪くも、人類が考えるヒーローの原型がここにあるからだと思う。
だから、世界中に、怪傑ゾロタイプのヒーローがいる。
『怪傑ゾロ』は、悪い支配者に虐げられる善良な人々という不条理を見た14歳のドン・ディエゴ・ベガが、自らを鍛えぬき、ゾロ(スペイン語でキツネ)という名のヒーローになって悪と戦うという痛快な話だ。
正義のヒーローが独り巨悪に立ち向かう・・・これこそがヒーローの原型である。
今で言えば、アメリカのドナルド・トランプを、そんなヒーローと見ている人が多いだろう。
だが・・・
ヒーローになりたい人は多いのである。
ヒーロー願望の人々の理屈は、この世には、裁かれない悪が沢山いるので、それを自分の手で狩り出して、自分の手で始末するというものだ。
分かり易い例で言えば、パンデミック時にマスクをしていない者に厳しい注意を与えたり、暴力的に強制するといったものだ。
あるいは、動画でもよく見るが、自動車からゴミを捨てる者がいたら、そんな者に自分で制裁を与えるというものもある。
珍しいところでは、ヨーロッパのある国で、電車内の椅子で股を広げて座っている男性の股に水をかける若い女性もいた。
空手などの格闘技を学ぶ人の中にも、自分の力で悪を懲らしめたいと思っている人はいると思う。
また、近年では、SNSで、悪徳な政治家や事業家などを言葉で糾弾してヒーローの気分を味わう人も多い。
ヒーロー願望というのは、潜在的にはほとんどの人にあり、それで言えば、案外に人間の本性は善であるのだと思われる。
しかし、個人の力は弱く、『怪傑ゾロ』のように、1人の人間が剣と拳銃の腕前で出来ることなど、当時でさえ、たかが知れているし、今の時代ではなおさらだ。
多少の徒党を組んで自警団を作ったところで、やはり大したものではない。
ところが、最近知ったが、『乱歩奇譚』というアニメで、なかなか面白いものを見た。
この作品は、江戸川乱歩の『怪人二十面相』のキャラクターの名を借りてはいるが全くの別作品だ。
江戸川乱歩作品では、怪人二十面相は天才的な盗賊だが、『乱歩奇譚』では、まさに、上で述べた、自分の力で正義を為すヒーローというか義人である。
ところが、そんな義人も、優秀で数が多くなれば世界を動かす力になる。
そして、優秀な義人「二十面相」を数多く作り出すことを、天才的な2人の少年が量子力学を応用して成し遂げようとするのである。
『乱歩奇譚』は2015年の作品であるが、この2023年を予言するような作品である。
その2人の天才少年達は、世の中の不条理に絶望し、それを自分達で正そうとして、未来を自由に決定出来る「ラプラスの悪魔」を数学とプログラミングで作り上げようとする。
これは、多くの人間の潜在的な願望である。
AIアート380
「雨の予感」
Kay
もちろん、いかに天才でも、人間の頭脳でラプラスの悪魔は作れない。
しかし、魂の知性をもってすれば、簡単なことかもしれない。
そして、人間は本来、魂なのであり、その知性を使うことは当然出来る。
だが、今の人類は、たとえ善人であっても、そのやり方を知らない。
いや、正しくは、そのやり方が分からないように、人々の魂を覆い隠す大きな力が存在する。
釈迦が説いたのもそんなことだが、理由はともかく、それは現代にほとんど伝わっていない。
だが、それを成す鍵は、やはり呼吸である。