昭和天皇・皇后は、1945年から1960年までの15年間、「御文庫附属庫(おぶんこふぞくこ)」と呼ばれる場所で生活していた。
御文庫附属庫とは、早い話が防空壕(ぼうくうごう)で、空襲から避難する地下施設であるが、御文庫附属庫は単なる防空壕ではなく、天皇の生活、執務、会議を行うための様々な施設があった。
2015年に、この御文庫附属庫が公開された際、特に海外の人々を「一国の王がこんな悲惨な場所に住んでいたのか?」と驚かせたといったYouTube動画を見たが、それは、昭和天皇の指示でメンテナンスをやめていた(保管のために余計な費用をかけることを禁じた)から朽ち果てただけで、もちろん、昭和天皇が住んでいた頃は、それなりの環境であった。
確かに、天皇の住居としては質素であったようだが、それは戦時中のことであり、また、昭和天皇が質素倹約を好んだことはよく知られている。
ただ、戦争が終わっても、昭和天皇・皇后は、この御文庫附属庫に、さらに11年もの間住み続けた。
もちろん、昭和天皇の新居の建設は行われるはずであったが、昭和天皇は、「今はまだ、住むところもない国民がいるというのに、私は住むところがあるのだから」と、新居の建設を断り続けたようだ。
しかし、日本の復興が確かになった1960年頃には、昭和天皇も新居の建設を許可したが、費用を抑え、質素なものにするよう指示したという。
昭和天皇は、衣服の新調を好まず、穴が空いたら継ぎを当てるよう指示し、ボロボロになるまで同じものを着ることがあったという話がある。
また、あらゆることで、自分を国民より特別扱いしないよう指示をしていたという話を本で見たことがある。
食事内容に関しても、自分から要望を出したことは一度もなかったという証言があるようだ。
もちろん、お世話をしている人からすれば、自ずと天皇の好みは分かってきて、心遣いをしたようではある。

まあ、どこまで本当のことか分からないが、昭和天皇は、本当に大変な人格者であったのかもしれない。
とはいえ、天皇家、特に、昭和天皇には神通力があり、それで日本を守ったというような話は、別に疑いはしないが信じもしない。
しかし、そんなことを言ったり書いたりするような者は全く信じない。
それが嘘かどうかではなく、仮に本当だとしても、勝手に明かして良いことではないからだ。

ただ、1つの王室皇室が2千年以上も続くのは世界に例がなく、日本の皇室には世界の他の王室とは何か異なるものがあるのは確かと考えて良いと思う。
老子によれば、長く続く王室では、王は自分を普通の者より低い位置において蔑むのだという。
昭和天皇の「国民が住むところがないのに自分が良いところに住めない」とか「食べられない国民がいるのに自分が贅沢出来ない」というのは、そういうことであると思う。
そういえば、イエスも「一番偉い者は皆に仕える者である」と言っていたのを思い出す。
そして、こういったところが、ユダヤ教の人が、旧約聖書は重んじるが、キリストの教えはさほどと思わない理由のように思う。

春の空気
AIアート672
「春の空気」
Kay


いや、道徳論ではなく、日本人全体に、昭和天皇のような思想が組み込まれており、西洋の覇王や金持ち、権力者のような、一般の人と隔絶した待遇や贅沢には罪悪感を感じるのではないかと思う。
そして、罪悪感を感じることでは引き寄せの力が非常に弱まることが、長い研究で分かっている。
昭和天皇のエピソードが嘘か本当かは分からないが、どんな意味でも、あの質素倹約の精神は見習う方が良いと思う。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)昭和天皇独白録 (文春文庫)
(2)昭和天皇 最後の侍従日記 (文春新書)
(3)古事記 (河出文庫)
(4)日本とユダヤ 聖徳太子の謎
(5)老子 (岩波文庫)
(6)天皇防護 小泉太志命(こいずみたいしめい) 祓い太刀 の世界
(7)小説 上杉鷹山 (集英社文庫)