おとぎ話では、正直者、善人が最後に報われるが、「正直者は馬鹿を見る」と主張する者が多い。
「それはおとぎ話だ」という言い方は、正直者、善人が報われるというのは現実的ではないという皮肉的な意味だが、その考え方が広く支持されている。
だが、おとぎ話は何を教えているのだろうか?
正直であること、優しいこと、欲がないことが大切だという単純なことだ。
しかし、それでは現実ではうまくいかないと言う者達は、嘘つきで、意地悪で、欲張りだ。
『浦島太郎』で、亀をいじめていた子供達のような人間はどこにでもいるだろう。
そんな人間は、一時的には良い想いをしても、結局は地獄への坂道を進み、最後は地獄に転げ落ちる。
一方、浦島太郎のような者は滅多にいない。
亀が可哀そうだと思う者は多いが、ほとんどの者が何もしない。
浦島太郎は、少々の金を出しただけだが、大多数の者は、その程度のこともしない。わずかでも損をしたくないのだ。
『舌切り雀』で、正直者のお爺さんは、小さな宝箱を選んだ。
だが、そのことを知っている者でも、大きな得と小さな得があったら、大きな得を選ぶのだ。
そしていつか、大きな得は化け物だと知る。
実は、小さな得は無限の得だ。
『一寸法師』では、身体は小さくても、いつもシャンとしていた一寸法師が鬼を倒し、ハッピーエンドとなった。
だが、このお話を知っていながら、自分が抱えた不利な条件を嘆き弱音を吐く者だらけだ。
おとぎ話の正直者のように、優しく、欲がなく、そして、ヒーロー一寸法師のようにシャンとすれば世界は意のままだ。
そう言われてせせら笑う者は、結局は、亀をいじめて快楽に耽る者で、そんな者達は、嘘つきで意地悪で欲張りで、そして、泣き言を言ういくじなしだ。
ただ、日本のおとぎ話では、一寸法師のように、シャンとすることの大切さを描いたものが少ない。
グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』の真意は、心理学者の河合隼雄さんによればこんな感じだ。
グレーテルは兄のヘンゼルを頼るだけの弱い女の子だったが、自分で魔女をストーブの中に押し込める戦うオンナに成長した時に勝利を掴んだのだ。
このように、西洋の童話では、シャンとすることを重要視する。
シンデレラは、自分をいじめた継母や義姉達に報復をせず、むしろ、良くしてやった。
だが、シンデレラが優しいだけのうじうじした女の子だったら幸せにはなれなかった。
舞踏会に出かけるだけの心意気があったから良かったのであり、それはなかなかの勇気が必要だ。
シンデレラは、いざという時はシャンとすることが出来たのだ。
だが、童話、おとぎ話の歪んだ受け取り方をする者がなんと多いことか。
これが、庶民を奴隷状態に留めるための闇の支配者の陰謀ではないかと思うほどである。
◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)昔話の深層 ユング心理学とグリム童話(河合隼雄)
(2)日本昔話百選
(3)新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺 柳田国男コレクション (角川ソフィア文庫)
(4)ペロー童話集
(5)グリム童話集(上)
AIアート1231
「星の人」
Kay
「それはおとぎ話だ」という言い方は、正直者、善人が報われるというのは現実的ではないという皮肉的な意味だが、その考え方が広く支持されている。
だが、おとぎ話は何を教えているのだろうか?
正直であること、優しいこと、欲がないことが大切だという単純なことだ。
しかし、それでは現実ではうまくいかないと言う者達は、嘘つきで、意地悪で、欲張りだ。
『浦島太郎』で、亀をいじめていた子供達のような人間はどこにでもいるだろう。
そんな人間は、一時的には良い想いをしても、結局は地獄への坂道を進み、最後は地獄に転げ落ちる。
一方、浦島太郎のような者は滅多にいない。
亀が可哀そうだと思う者は多いが、ほとんどの者が何もしない。
浦島太郎は、少々の金を出しただけだが、大多数の者は、その程度のこともしない。わずかでも損をしたくないのだ。
『舌切り雀』で、正直者のお爺さんは、小さな宝箱を選んだ。
だが、そのことを知っている者でも、大きな得と小さな得があったら、大きな得を選ぶのだ。
そしていつか、大きな得は化け物だと知る。
実は、小さな得は無限の得だ。
『一寸法師』では、身体は小さくても、いつもシャンとしていた一寸法師が鬼を倒し、ハッピーエンドとなった。
だが、このお話を知っていながら、自分が抱えた不利な条件を嘆き弱音を吐く者だらけだ。
おとぎ話の正直者のように、優しく、欲がなく、そして、ヒーロー一寸法師のようにシャンとすれば世界は意のままだ。
そう言われてせせら笑う者は、結局は、亀をいじめて快楽に耽る者で、そんな者達は、嘘つきで意地悪で欲張りで、そして、泣き言を言ういくじなしだ。
ただ、日本のおとぎ話では、一寸法師のように、シャンとすることの大切さを描いたものが少ない。
グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』の真意は、心理学者の河合隼雄さんによればこんな感じだ。
グレーテルは兄のヘンゼルを頼るだけの弱い女の子だったが、自分で魔女をストーブの中に押し込める戦うオンナに成長した時に勝利を掴んだのだ。
このように、西洋の童話では、シャンとすることを重要視する。
シンデレラは、自分をいじめた継母や義姉達に報復をせず、むしろ、良くしてやった。
だが、シンデレラが優しいだけのうじうじした女の子だったら幸せにはなれなかった。
舞踏会に出かけるだけの心意気があったから良かったのであり、それはなかなかの勇気が必要だ。
シンデレラは、いざという時はシャンとすることが出来たのだ。
だが、童話、おとぎ話の歪んだ受け取り方をする者がなんと多いことか。
これが、庶民を奴隷状態に留めるための闇の支配者の陰謀ではないかと思うほどである。
◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)昔話の深層 ユング心理学とグリム童話(河合隼雄)
(2)日本昔話百選
(3)新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺 柳田国男コレクション (角川ソフィア文庫)
(4)ペロー童話集
(5)グリム童話集(上)
AIアート1231
「星の人」
Kay