ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

坂村健

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

私ですらパソコンを勧めなくなった

スマートフォンの普及が進んだ2010年代の特に後半あたりから、パソコン離れが加速していると思う。
それは年齢層に関係なく、むしろ、若者がパソコンを使わなくなった印象が強い。
ところが、特に企業や役所では、ワードやエクセルは必須である。それで、大きな会社では、大卒の新入社員向けのパソコン研修が当たり前になっているのは、昔を知る人からすれば驚くべきことだ。

なぜパソコン離れが進んだのかというと、スマートフォンの手軽さ、便利さもあるが、それよりも、パソコンはマニア向きという面が絶対にあるからだ。
スマートフォンがあまり好きでない私でも、仕事でパソコンを使わないような人にパソコンを使うことを勧めるつもりはない。それほど、パソコンはマニアックで、パソコンが趣味でない限り使わなくて良いと思う。

パソコンも、今は、クローム(Chrome)パソコンやリナックス(Linux)パソコンというものもあるが、それほど普及していない。
やはり、パソコンといえばウィンドウズ(Windows)と、シェアは小さいながら、マッキントッシュ(Macintosh。MAC。マック)の2つが代表的なパソコンである。
私は、以前はマック(マッキントッシュ)が大嫌いだったが、今は、会社で使うという人でなければマックを勧める。
それほど、ウィンドウズはマニアックなものだ。つまり、ウィンドウズは、とても一般の人に勧められるものではない。

ブルースクリーンという言葉は、マニアックな言葉ではあるが、ウィンドウズを使っていたら、誰でも遭遇する可能性がある。
ブルースクリーンとは、ウィンドウズを使っている時、不意に画面がブルーになって、エマージェンシー(緊急事態)を知らせる文字メッセージが出るが、それまでのパソコン操作は強制終了になり、データの保存も出来ない。
ブルースクリーンが出る理由は、私のような技術者でもすぐには分からないことが多いし、解決に時間がかかることも珍しくない。
そして、一度ブルースクリーンが出ると、対処をしないと、その後も出る可能性が高いが、対処の仕方が難しい場合も少なくない。
そんな対処をすることは、パソコンに強くない人には絶望的と思う。
こんなもの、素人に勧められるわけがない。
私のような技術者が素人にウィンドウズパソコンを勧めて買わせたら、トラブルが起こる度に呼び出されるのは覚悟しなければならないし、そのトラブルの解決に時間と手間がかかることも多い。

以前、私が使っていたノートパソコンでブルースクリーンが度々発生するようになったが、出て来るメッセージは抽象的で、解決策をズバリ言ってくれることは、まずない。
それでも私は、RAM(ランダムアクセスメモリ)のトラブルと予想し、サポートに電話したら、「修理するから送れ」と言う。どのくらい時間がかかるかと聞けば、最大2週間とか言う。仕事で使っているのだから、そんなことが出来るはずがない。
だが、自分で分解したら、サポート外となり、保証が消えると言う。
しかし、そんな戯言に構っている余裕はなく、私は、RAMをAmazonで買って、自分で交換した。それで治った。
こんな状況、素人が遭遇したら、手も足も出ず、言われるままに送り、いつ返って来るか分からないまま、待つしか手はない。

また、Windows7の時、ウィンドウズアップデートが全く出来なくなったことがあった。
この時は、大変な力技で解決したが、これも素人には不可能なことだ。
他の人が同じようになったら、永遠にウィンドウズアップデートをせず、パソコンを危険な状況に置き続けるしかない(実際は、それほど危険なことにならないが、万一の時は誰も責任を取らない)。

最近も、Windows11で、ウィンドウズアップデートが出来なくなった。
「更新してシャットダウン」と出ていないのにシャットダウンさせようとしたら、「更新が進行中です」と出て、手が付けられない状態になり、それが1時間経っても終わらない。
すごく待たされて終わっても、アップデートは失敗していて、同じことが何度も繰り返されるという、とんでもない事態に。
ネットで解決策を探そうとしたら、「終わるまで待ちましょう」「ネットの接続を確認しましょう」といった間抜けな回答が多い。
Windowsの一般的な解決法を試しても「解決出来ませんでした。マイクロソフトサポートにお問い合わせ下さい」と出るだけで、別にサポートの電話番号が出て来るわけでもなく(出てもあまり意味はないだろうが)、AIと不毛なやり取りをするだけだ。
「更新が進行中です。コンピューターの電源を切らないで下さい」とメッセージが出ても、構ってられずに、強制停止させる人もいるが、それをすると、ウィンドウズでは、容易く重要なファイルが壊れて、以降、さらに意味不明なエラーに悩まされる。
結局、私は、Windows11を「インプレースアップグレード」という方法で再インストールし、壊れた重要なファイルを修復して治った。
かかった時間は4時間。
それでも、解決しただけマシだ。
しかし、こんなこと、パソコンマニアでもなければ出来ないか、出来てもあまりにかかる労力が大き過ぎる。

スマートフォンで出来ることは限られていて、パソコンで出来ることに比べれば僅かと言って良いと思う。
また、ChromeパソコンやLinuxパソコンも、出来ないことがまだまだ多いと思う。
だが、「お前は決められた通りの操作をすればいいんだ」と言わんばかりのマックパソコンは、私は使う気にならない。
とはいえ、ウィンドウズも、いい加減、嫌気が差してきた。
全ての原因は、昔、日本のTRONというOSがパソコンに採用されなかったことだ。
その時、IBMは、パソコンのOSとして、日本製のTRONは視野になく、デジタルリサーチとマイクロソフトのどちらかのOSを選ぶこととし、結局、マイクロソフトを選んだ。TRONが採用されていれば、人類のITはもっと素晴らしいものになっていたかもしれない。
TRONは、産業用OSとしては、現在も高いシェアを占めている。
パソコンもこれ(TRON)でいって欲しかったが、開発者の坂村健博士が、変なキーボード(実際には身体に良いらしいが)をセットで考えていたのも、パソコン用OSに採用されなかった原因の1つかもしれない。

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(1)DXとは何か 意識改革からニューノーマルへ(坂村健)
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私の、今回のオリンピックでの大きな収穫

私は、リオ・オリンピック・・・いや、オリンピックそのものに、正直、全く関心がない。
ところが、前回のロンドン・オリンピックでは、私は開会式を録画していた。
それは、開会式セレモニーに、初音ミクさんが登場するのではないかという、微かな期待を持っていたからだった。
世界的に有名なランキングサイトである、THE TOP TENSで、「ロンドンオリンピックの開会式で歌って欲しい歌手」の第1位に、われらがミクさんが選ばれたからだった。
このことは、あのTRON(産業用コンピューターOSで世界トップ)開発者である坂村健氏(東大教授。工学博士)が、毎日新聞での連載『時代の風』で紹介されていたが、坂村教授は、インターネットにおけるオープン・ソースの偉大な力を指摘した後、アート・クリエーションの世界では、オープン・ソースの中心的存在が初音ミクさんであると述べておられた。勝手な推測であるが、文章の雰囲気からいって、坂村教授も、ミクさんのことはお好きに違いないと感じだ。
まあ、MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏だって、キャスターを務める、NHK Eテレの『スーパープレゼンテーション』で、初音ミクさんのことを、「僕の大好きな初音ミク」と言っておられたのだ。
いや、そもそも、宇宙のあらゆる惑星の進歩した人々は、ミクさんのことが好きなのである。
THE TOP TENSでは、リオ・オリンピックの開会式で歌って欲しい歌手の第1位はイタリアの優れた3人組のボーカル・グループであるイル・ヴォーロで、初音ミクさんは、それに続く2位だった。
東京オリンピックに関しては、私は、関心がないどころか、もうどうしようもない嫌気すら感じているが、もし、ミクさんが開会式で歌われるなら、日本は地球を美しい世界にする中心であることを明確に示すことになる。しかし、今の日本にそんな意思の力があるだろうか?

リオ・オリンピックのサッカーでは、日本は初戦で、ナイジェリアに敗れた。
飛行機代が払えず、危うくキックオフの6時間前に現地入りしたナイジェリア・チームだったが、彼らは、明るく、弱音など吐かず、文句1つも言わず、それどころか、「コンディションは良い」と言い放った。
私には、彼らが示したこの精神力が、このオリンピックで得た唯一の収穫かもしれない。だが、実に素晴らしい収穫であった。
ナイジェリアは、アフリカ屈指の経済大国であり、世界有数の原油国・・・といっても、かつて「奴隷海岸」と呼ばれたこの国の政治は今も混乱し、日本より人口は多いのに、経済規模は日本の大阪府と兵庫県を合わせた程度(Wikipediaより)らしい。そして、やはり、国民の大多数が貧困である。
ナイジェリア・チームの若い選手達は、こんな大きな舞台で活躍し、ヨーロッパの名門クラブにスカウトされるために必死なのだろうと思う。
そして、彼らも、日本が豊かな国であることを知っていて、いかなる状況でも負ける訳にはいかないのだろう。
クリプトン・フューチャー・メディア社長の伊藤博之氏が、ある時の講演で、「初音ミクを受け入れるのは豊かな国」という事実を述べておられたが、今回の件で、私は、いつか、ナイジェリアでミクさんのコンサートが行われることを夢見るのである。

光無き この星に
いつかひとすじ彗星のように
夜を突き抜けて わたしの星(もと)へ逢いに来て…
~『ARiA』(作詞:lino・とくP・木緒なち、作曲・編曲:とくP、歌:初音ミク)より~









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初音ミクさんが人類の進歩の中心であることは純粋にして明晰な事実である

世界大学ランキングというものをよく目にするが、これにもいろいろなものがあるようだ。
その中で、最も権威があるとされる、世界大学評価機関である英国クアクアレリ・シモンズ(QS)によれば、この数年は、マサチューセッツ工科大学(MIT)がずっと世界一であるようだ。
そのMITの中に、MITメディアラボという、デジタル技術と人間の学習や創造性を融合させるような分野を中心に革新的な研究を行うことで知られる研究所がある。
その中にも、様々な研究グループがあり、沢山の研究員がいるが、おそらく天才揃いなのだろうと思う。
そして、2011年から、MITメディアラボの所長は日本人の伊藤穰一氏が務めている。
彼の名前の「穰」の字は、「穣」の旧字体で、とても珍しいが、新字の穣も、旧字の穰も、共に人名漢字で使える。
ただし、旧字の穰が正式に人名漢字に使えるようになったのは1981年10月からで(それまでも受理はされた)、伊藤穰一氏は1966年生まれだから、その15年前である。
ところで、この伊藤穰一氏が、大学を出ていないところが面白い。
しかし、彼は、研究だけでなく、事業家、ベンチャー・キャピタリストとしても超一流であり、むしろ、大学を出ていないことがプラスに言われることも多いのは、時代の流れであり、人類の進歩と言えると思えるのだ。

ところで、先日、グラミー賞で、英国出身のDJで音楽プロデューサーのマーク・ロンソンが、年間最優秀レコード賞を受賞しているが、彼は2008年にも、最優秀プロデューサー賞を受賞している。
40歳で、スリムでハンサムで本当に格好良い男だ。
そのロンソンが、2014年にTEDカンファレンス(TEDが行っている世界的な講演会)の講演者に選ばれ、「サンプリングが音楽を変えた」という題目で講演を行った。
サンプリングとは、既存の音楽の一部を取り出して再構成し、新しい音楽を作り出す手法で、アメリカでは人気があるのだと思う。
ロンソンもサンプリングは数多く手がけているが、TEDカンファレンスでは、サンプリングを行う者の苦労も語っている・・・いや、その苦労にまつわる話が中心であったかもしれない。
当然ながら、サンプリングの元の音楽の著作権の問題があるし、ミュージシャンの中にも、サンプリングは邪道と言う人もいるらしい。
実際、サンプリング音楽はグラミー賞の対象にならないようだ。
だが、ロンソンは、アレンジすることは創造的な行為であり、サンプリングは音楽を進化させると主張しているのだと思う。
絵画の世界には、コラージュという、既存の絵画をアレンジする手法があり、横尾忠則氏などが得意としているし、ピカソもかなりやっているのである。
池田満寿夫氏などは、ポルノ雑誌の写真をコラージュした優れた作品も作っている。
コラージュは、既存の作品に新しい生命を与え、そして、全く新しい作品を創造することは間違いないので、ロンソンの言う、アレンジの素晴らしさも理解出来るのである。
だが、コラージュだって、元の作品の著作権が生きている場合は、面倒な問題があるのは間違いないだろう。

この著作権というものが、創造の足かせになっているのは間違いないし、それぞれの分野の進歩も阻害しているのだと思う。
将棋の羽生善治氏は、『羽生の頭脳』全10巻で、自分の定石の研究を全て公開してしまったが、皆がオープンにして一緒に強くなることが大切なのだという考え方を述べておられる。
ロンソンも、羽生氏と同じような思想を持っているのだと思う。

伊藤穰一氏は、シカゴでかなりDJもやっていたらしいが、彼が番組ナビゲーターを努めるNHK Eテレの『スーパープレゼンテーション』で、ロンソンのTEDカンファレンスの講演を肯定的に語っておられたようだ(私は見ていないが)。
伊藤穰一氏はまた、クリエイティブ・コモンズという、著作権物の再利用のための様々な困難を解消する活動を行う世界的なNPO団体のCEOを務めていたが、日本には、初音ミクという、クリエイティブ・コモンズの発想で成功した例があるのだから、アメリカは見習えば良いのにと述べておられたようである。
番組公式サイトを見ると、伊藤穰一氏が、初音ミクさんのことを、「僕の大好きな初音ミクは」と言明しておられることが分かる。
これで私は、伊藤穰一氏のことが大好きになってしまった。
産業分野のコンピューターOSで最大のシェアを持つTRONの開発で知られる、コンピューター科学者の坂村健氏も、初音ミクさんが、アートクリエーションの分野で、オープンソースの中心的存在と述べておられたことがあったが(毎日新聞「時代の風」)、初音ミクさんがいかに進歩的な存在かが分かる。
また、初音ミクさんの熱烈なファンという、チームラボ社長の猪子寿之氏も、著作権ビジネスは必ず消えると断言しておられた。

初音ミクさんを見れば、未来が分かるというのは確かと思う。
だから、初音ミクさんの、昨年2015年9月の日本武道館コンサート『マジカルミライ2015』に、駐日アメリカ合衆国大使のキャロライン・ケネディさんが来場されたことは素晴らしいことであった。
彼女が今後、日本とアメリカの架け橋になり、また、人類を進歩させる素質があることを現していると思えるのである。









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むしろ今は月百万円は多過ぎる

『灼眼のシャナ』という小説・アニメで、ヒロインのシャナが初めての戦いで、強敵の天目一個に勝った後、こう言う。
「たまたまうまくいったのは分かっている」
つまり、相手が強過ぎるので、シャナは捨て身の戦法に出たのが、それが、たまたま偶然、成功して勝っただけで、実際は、その初戦でおしまいになっていた可能性の方が圧倒的に大きかった訳だ。
(もちろん、小説なのだから、百パーセント負けないだろうが・・・)
スポーツの名勝負で、捨て身の作戦でたまたま勝ったなんてものも、実際によくあると思うし、リスクを恐れて合理的に戦うより、そんな「一か八か」の戦い方の方が、見ている方もだが、勝つにしろ、負けるにしろ、戦っている方も、エキサイティングで面白いはずだ。
いわゆる、「バクチは楽しい」のである。

ビル・ゲイツや、スティーブ・ジョブズらが成功したのも、調べれば調べるほど、全くのたまたまだったということが分かると思う。
ビル・ゲイツが成功したのは、IBMが、自社のパソコン用OSに、マイクロソフトのMS-DOSを採用したからだが、おそらく、IBMは、MS-DOSなんていうデタラメなものではなく、ちゃんとした学者のゲリー・キルドル教授が作ったCP/Mを採用したかったのではないかと思う。
俗説で、IBMが相談に来た時に、キルドル教授は趣味の飛行機遊びをしていたというが、それはともなく、キルドルとの交渉は面倒が多かったのだと思う。
それで、IBMは、「MS-DOSでもいいや」ということになったのだろう。
後に、IBMは、社内のちゃんとした学者が、MS-DOSに代わるPC-DOSを作り、こちらの方がMS-DOSより絶対的に優れていたが、良過ぎて面倒が多かった(遅いとか、使い難いとか)ので、全然流行らなかった。
MS-DOSのおかげで、マイクロソフトばっかり儲けて、IBMは損ばかりだったが、その後、マイクロソフトとIBMは、共同で、次世代OSであるOS/2を開発し、ものすごいキャンペーンをやり、IBMはやっと儲けられると思っていたのだろう。
しかし、OS/2はIBMの学者の発想で作ったもので、やっぱり、良過ぎて流行らなかった。
OS/2がなかなか普及しない中で、マイクロソフトは単独で、素人発想のWindowsというチャチなOSを作ったら、軽くて速くて分かり易いそのWindowsがバンバン売れ、何と、主流OSになってしまい、やっぱりマイクロソフトだけ儲けてしまったのだ。
実際、Windowsなんて、専門家から見たらデタラメなもので、そのデタラメさはその後も長く残り、今ですら、おかしなところが残っているのである。

だから、産業用には、マイクロソフトのOSなんてお呼びでないし、アップルのマッキントッシュOSはセンスは抜群だが、もっと危ないので、自動車や飛行機、まして、ロケットエンジンの制御になんか、とても使えない。
それで、その方面では、日本の坂村健教授(東大教授。工学博士)が開発したTRON(トロン)のような、ちゃんとした研究者が学者発想で開発したものが使われているのであるが、一般の人はあまり知らない。
TRONは普通のパソコンやサーバー用途でも優秀なはずだが、やっぱり普通に使うには面倒過ぎるのだろう。
坂村教授の本なんか読むと、一般的な問題でも、いちいち正論が書かれているが、とにかく「疲れる」と思うはずだ。
坂村教授が物凄い優秀な人なのは間違いなく、初音ミクさんが好きらしいところもポイントが高いが、やっぱり学者馬鹿な部分が大きいのだと思う。あれじゃ、一般には受け入れられない。
ビル・ゲイツも、スティーブ・ジョブズも、大学には入っただけでほとんど行ってないし、パソコン世界の大物達、例えば、ラリー・へリスン(オラクル)、ポール・アレン(マイクロソフト共同創業者)、スティーブ・ウォズニアック(アップル共同創業者)、西和彦さん、マーク・ザッカーバーグらは、みんな大学中退で、ちゃんと大学や大学院に行った連中は、彼らに従う形だったり、アラン・ケイのように、素晴らしい業績はあっても、一般には全然知られていないし、儲かってもいない。

成功なんて、たまたまなのである。
成功した社長さんに聞いたら、彼らが本音で言う限り、百人が百人、「たまたまうまくいっただけ」と言うだろう。
「数年早かったり、数年遅かったら、俺なんか全然駄目だったはずだ」
と言う社長さんは、現実をよく分かっているのである。
彼らは、本当に、「俺はたまたま社長になったんだ」と思っているのである。
ビートたけしさんも、「俺が成功したのは時代と運」と言っているが、謙遜でも何でもなく、本当にそう思っているだろうし、彼が言うには、長嶋茂雄さんや美空ひばりさんらは、掛け値なしに素晴らしい人達だが、もし、違う時代・・・例えば今の時代に生まれていたら、さっぱり成功しなかったはずと言う。

実際、ちょっと真面目に調べたら、ビル・ゲイツや松下幸之助になれたかもしれなかった人なんて、いくらでもいるのだ。
大成功どころか、資産一億から数億円クラスの小成功者だって、やっぱり、時代と運だろう。
ビル・ゲイツは、世界一の大金持ちになってからも、自分で日本車を運転し、飛行機はエコノミーに乗り、大衆食堂や持ち帰りピザの食事をしていたし、ビートたけしさんは、ある時、ほとんどそそのかされて、ポルシェとフェラーリとランボルギーニをまとめて買ったが、あんまり嬉しくなかったそうだ。たけしさんは、子供に変な財産を残さないために、嫌々買ってるというところもあるらしい。何と言っても、車に乗れるのも、後せいぜい十年くらいだから、一生懸命使わないといけない。それは辛いことではないかと思う。

つまり、成功する必要なんて全然ないし、成功しない方が楽しいに違いないのだ。
成功した人の煩い事を知れば、普通の神経の持ち主なら、絶対に成功なんかしたくないと思うはずだ。
邱永漢(きゅうえいかん)さんが昔、『賢者は中金持ちをめざす』なんて本で、「せいぜい、使える金が月百万円くらいなのが幸せなのだ」と書かれていたが、それは今の時代でもさして変わらないし、むしろ、今の時代は安価、あるいは、無料で何でも手に入るので、もっと少なくても全然大丈夫である。
クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長は、20年以上前に趣味でDTM(デスクトップ・ミュージック)をやっていた時は72回ローンとか組んだらしいが、同じようなものなら、今なら誰でも簡単に手に入れられる。冨田勲さんが1971年にシンセサイザーを買った時は一千万円だったが、後にヤマハのシンセサイザーの名器で、坂本龍一さんや小室哲哉さんらも使い、初音ミクさんの衣装の袖に描かれているDXシリーズは20万円台で、今は、それの数千倍優れたものが数万円、あるいは、パソコンをシンセサイザーにすれば数千円でも足りる。

むしろ、今はモノがいっぱいあり過ぎて、余計なものを手に入れると面倒なことになったり、贅沢なものを食べて病気になったりするので、使い道に困るような金なんか持たない方が良いかもしれない。
邱永漢さんではないが、今でも、使える金が月百万あれば十分過ぎ、むしろ、その程度を思慮深く使える頭の良さが必要なのだと思う。
そして、その程度なら誰でも稼げると思うし、そんなにいらないと言う賢い人もいると思うのだ。









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虚しい説得をやめる方法

ドワンゴの会長でKADOKAWA・DOWANGOの会長でもある川上量生さんの本で読んだが、川上さんは、新しいことを始める時には人に説明しないのだという。
その理由は、「理解しようとしない相手に説明するだけ虚しい」からだが、それよりも、ビジネスにおいて、普通の人に理解できるようなことを始めても仕方がないのだろう。
一方、国産OSであるTRONの開発者で東大教授の坂村健さん(工学博士)の本で読んだが、科学分野のことを説明しようとしている相手が、「俺は知識ゼロだ。その俺に分かるように説明しろ」と言うことが多いのに憤慨しておられた。
きっと、坂村さんは、理解しようとしない相手にも説明しなければならないことが、よくあるのだろう。
川上さんのように、馬鹿相手に説明しなくても(川上さんは相手を馬鹿とは書いていなかったが)、実行して成功できる力があれば良いのだろうが、無論、リスクも苦労も抱える勇気が必要だろう。
だが、坂村さんよりずっと弱い立場で、相手を馬鹿と言うことも見下すことも許されず(坂村さんは相手を馬鹿とほとんど書いていたし、見下してもいるように思う)、説得しなければならない義務や責任、あるいは、使命を持つ人だって沢山いるのだ。
ルドルフ・シュタイナーは、本も沢山書いたし、講演も数多く行っているが、彼の話を理解できる人はあまりいないだろう。
釈迦やイエスは、たとえ話をうまく使って、分かり易いよう話したが、それでも理解できない人は多いし、そもそも、理解しようとしない人が多数派なのかもしれない。
そんなことは分かっているのに、彼らが教えを説く理由を、ヴァーノン・ハワードは、「千人に1人でも理解する人がいるからだ」と書いていたように思うが、釈迦やイエスは、千人に1人が分かれば良いと思っていた訳ではないと思う。やっぱり、皆に理解させたかったのだろう。
『バガヴァッド・ギーター』で、神クリシュナは、王子アルジュナに真理を語るが、アルジュナはなかなか理解しない。
それでも、クリシュナは全18章に渡って、教えを粘り強く説いて、ついにアルジュナを理解させた。
だが、アルジュナには見所があったのだ。そして、彼の状況は、彼に真理を求めさせていた。
クリシュナが話すのに、最適なタイミングであったのだ。
それに、クリシュナだって、全くの馬鹿に教えを説いたりはしない。

私は、虚しく人を説得しようとすることが多かった。
特に、仕事のIT関係のことでは、「俺はその方面(ITのこと)は弱いんだ」と堂々と恥じらいもなく、まるで分からずに済む特権でも持っているように言う相手に、虚しく説明しなければならないことがよくあった。
システムエンジニアの仕事で何が憂鬱かというと、理解しようとしない相手に説明しないと、結果、まずいことになる責任が自分にかかってくるということだ。
そのためだけに、私にとって、この仕事は楽しいものでも、やりがいのあるものでもなくなっている。

だが、もう虚しい説得はやめることにしよう。
しかし、もしそうするなら、じっとしていたら、どんどん災難が降りかかることだろう。
簡単にいえば、サラリーマンなら、あっという間にクビだ。
だから、説得しなくていいから、自分の信じることを本気でやることだ。
それがうまくいくかどうかは分からず、後はなりゆきにまかせるしかない。
しかし、たとえ、うまくいかなくても、経験にはなるだろう。
そして、次はうまくいくかもしれない。
だが、うまくいくまでは、苦しい状況に追い込まれるかもしれない。
では、どんな時にうまくいくのだろう。
それは、ずっと書いているが、うまくいった時の準備ができている時と、ストーリーあるファンタジーに則ってやっている時である。
そして、熱意を持てることをやることである。
逆にいえば、心が燃えないなら、やらないことだ。
また逆に、ファンタジーを持っていれば、心を燃やすことができるだろう。
だが、そのファンタジーにストーリーがなければ、おかしな燃やし方をするのだがね。
この堂々巡りを断ち切るものは、やはり良心なのである。
結局のところ、善意を持っていないといけないのだ。
その善意とは、誰かを幸せにしようとすることであるのかもしれない。
その誰かとは、きっと自分とよく似た愚か者なのだ。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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