日本の国民的アイドルと言えば、美空ひばりさん、山口百恵さん、松田聖子さんで、以降、個人でこれらほどの大物は出ていないと思う。
この3人の人気は、メディアによる洗脳と言っても責められることはないと思う。
彼女らが歌う姿だけを見て好きになる人が、果たしてどれほどいるだろう?
よく知られているが、山口百恵さんは、デビュー当時、そこそこ可愛い普通の女子中学生という雰囲気の時、乙女が恥ずかしくて口に出来ないようなフレーズをさらっと歌い、しかも、その刺激的な部分を、当時はよく使われていたラジオで本当に頻繁に流し、青少年だけでなくオジサンのハートも鷲掴みにした。完全なマーケティングの勝利だった。
同じ手法を真似したアイドルは数多く登場したが、元祖に全く及ばなかったのは、マーケティングの能力の差・・・言い換えれば、洗脳のうまさの差であると思う。
アニメで言えば、最も成功した推しキャラは綾波レイであると思う。
自我が薄い感じながら、なんだかんだ言って徹底的に献身してくれ、時折可愛いところを見せ、なんと言っても「禁断の果実」という雰囲気のエロチックさが、現実の女性に疎いモテないオジサンやオタク達の心を鷲掴み・・・というところは山口百恵さんの場合と似ている。
これらの総合で、綾波レイが理想の乙女・・・というか理想の女性であるように洗脳するのである。
山口百恵さんらはマーケティングで洗脳するが、綾波レイの場合はアニメの表現で洗脳するということと思う。
綾波レイと似た手法を使ったのが、長門有希で、そこそこの成功を収めたと思うが、元祖には遠く及ばない。
初音ミクに関しては、宗教人類学者の植島啓司さんが、彼女の魅力は「未成熟」と言ったことがあるが、それはあのロリータボイスによるところが大きいだろう。
だが、彼女は、キャラクターとしてのマーケティングやストーリー作りがなく、その分、金の臭いや押し付けがましい「いやらしさ」を感じさせない。
彼女は楽器なのだから、彼女の声を自由に使えるだけでなく、彼女の姿も自由に使えるようなライセンス形態にすることで、オタク的な人々が求めるものを、オタク的な人々が作るという強力な流れが出来た。
初音ミクの歌はクセが強いと言われるが、それは学校や社会にスポイルされたクリエイター達が、その鬱屈した心の叫びを表現し、その歌やイラストが、同じような傾向性の心を持つ人々に響くのであると思う。
初音ミクを受け入れるのは、ある程度豊かな国だけであると言うが、豊かな国でないと、初音ミクを楽しむ余裕がないことと共に、豊かな国では、主に若者が同じように、抑圧、スポイルされるのである。
どのような抑圧であるかというと、簡単に言えば、個性的であることを認められず、前に倣えと強制されることである。
この意味で、初音ミクは、山口百恵とは真逆と言えるほどで、山口百恵に関しては、「皆が好きだから好き」みたいなところが大きかったが、初音ミクは、好きな人は好きだが、嫌いな人は嫌いであることが明確である。これは、女子小中学生ですらそうである。
初音ミクのクリエーターもファンも、心にクセがある・・・というか、ある意味で歪みを抱えていることは確かと思う。
それと、初音ミクが成功し、初音ミクに倣ったキャラクターがそれほど成功しない要因には、初音ミクの抜群の分かり易さがあると思う。
青か緑の2本の長いものがあれば、それが初音ミクだと言われたら初音ミクに見えてしまう単純明快さだ。
一方で、他のボーカロイドキャラクターは複雑に設定されていて、たとえばIAのイラストを描いたつもりでも、よほどうまく描かないとIAに見えない。
画像生成AIでも、「青緑のツインテールの少女」といったプロンプトで作った少女のイラストは全部、初音ミクで通用するが、IAだと、誰かが苦労して作ったLoRAモデルでも使用しないと、なかなかIAにならない。
単純さの強さは、何事においても応用可能と思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)創作のミライ ~「初音ミク」が北海道から生まれたわけ~(伊藤博之)
(2)初音ミクはなぜ世界を変えたのか?(柴那典 )
(3)【Amazon.co.jp限定】BT BOOKS 初音ミク オリジナルポストカード付き

AIアート2222
「この世にないもの」
Kay
この3人の人気は、メディアによる洗脳と言っても責められることはないと思う。
彼女らが歌う姿だけを見て好きになる人が、果たしてどれほどいるだろう?
よく知られているが、山口百恵さんは、デビュー当時、そこそこ可愛い普通の女子中学生という雰囲気の時、乙女が恥ずかしくて口に出来ないようなフレーズをさらっと歌い、しかも、その刺激的な部分を、当時はよく使われていたラジオで本当に頻繁に流し、青少年だけでなくオジサンのハートも鷲掴みにした。完全なマーケティングの勝利だった。
同じ手法を真似したアイドルは数多く登場したが、元祖に全く及ばなかったのは、マーケティングの能力の差・・・言い換えれば、洗脳のうまさの差であると思う。
アニメで言えば、最も成功した推しキャラは綾波レイであると思う。
自我が薄い感じながら、なんだかんだ言って徹底的に献身してくれ、時折可愛いところを見せ、なんと言っても「禁断の果実」という雰囲気のエロチックさが、現実の女性に疎いモテないオジサンやオタク達の心を鷲掴み・・・というところは山口百恵さんの場合と似ている。
これらの総合で、綾波レイが理想の乙女・・・というか理想の女性であるように洗脳するのである。
山口百恵さんらはマーケティングで洗脳するが、綾波レイの場合はアニメの表現で洗脳するということと思う。
綾波レイと似た手法を使ったのが、長門有希で、そこそこの成功を収めたと思うが、元祖には遠く及ばない。
初音ミクに関しては、宗教人類学者の植島啓司さんが、彼女の魅力は「未成熟」と言ったことがあるが、それはあのロリータボイスによるところが大きいだろう。
だが、彼女は、キャラクターとしてのマーケティングやストーリー作りがなく、その分、金の臭いや押し付けがましい「いやらしさ」を感じさせない。
彼女は楽器なのだから、彼女の声を自由に使えるだけでなく、彼女の姿も自由に使えるようなライセンス形態にすることで、オタク的な人々が求めるものを、オタク的な人々が作るという強力な流れが出来た。
初音ミクの歌はクセが強いと言われるが、それは学校や社会にスポイルされたクリエイター達が、その鬱屈した心の叫びを表現し、その歌やイラストが、同じような傾向性の心を持つ人々に響くのであると思う。
初音ミクを受け入れるのは、ある程度豊かな国だけであると言うが、豊かな国でないと、初音ミクを楽しむ余裕がないことと共に、豊かな国では、主に若者が同じように、抑圧、スポイルされるのである。
どのような抑圧であるかというと、簡単に言えば、個性的であることを認められず、前に倣えと強制されることである。
この意味で、初音ミクは、山口百恵とは真逆と言えるほどで、山口百恵に関しては、「皆が好きだから好き」みたいなところが大きかったが、初音ミクは、好きな人は好きだが、嫌いな人は嫌いであることが明確である。これは、女子小中学生ですらそうである。
初音ミクのクリエーターもファンも、心にクセがある・・・というか、ある意味で歪みを抱えていることは確かと思う。
それと、初音ミクが成功し、初音ミクに倣ったキャラクターがそれほど成功しない要因には、初音ミクの抜群の分かり易さがあると思う。
青か緑の2本の長いものがあれば、それが初音ミクだと言われたら初音ミクに見えてしまう単純明快さだ。
一方で、他のボーカロイドキャラクターは複雑に設定されていて、たとえばIAのイラストを描いたつもりでも、よほどうまく描かないとIAに見えない。
画像生成AIでも、「青緑のツインテールの少女」といったプロンプトで作った少女のイラストは全部、初音ミクで通用するが、IAだと、誰かが苦労して作ったLoRAモデルでも使用しないと、なかなかIAにならない。
単純さの強さは、何事においても応用可能と思う。
◆当記事と関連すると思われる書籍等のご案内◆
(1)創作のミライ ~「初音ミク」が北海道から生まれたわけ~(伊藤博之)
(2)初音ミクはなぜ世界を変えたのか?(柴那典 )
(3)【Amazon.co.jp限定】BT BOOKS 初音ミク オリジナルポストカード付き

AIアート2222
「この世にないもの」
Kay




