人間は、何を持っていようがいまいが、何が出来ようが出来まいが、今に生きることが一番重要なのだと思う。
今に生きるとは、過去や未来に生きないということで、簡単に言えば、過去や未来のことを考えないことだ。
だが、現代文明は、今よりも過去や未来のことばかり考えさせる仕組みだ。
つまり、過去や未来のことをしっかり考えて、計画、行動、推測、反省をすることが合理的で論理的で必要なことだと思われている。
だが、この合理的で論理的で必要という意味は、損をせず、得をするためという意味で、結局のところ、現代文明というのは、得(利益)を最大化し、損(損失)を最小化するという方針の上に成り立っている。
だが、実際は、得を追及すれば、かえって大きな損があり、損をしたつもりが、それが得を生み出したりする。
だから、「損して得取れ」だの「慌てる乞食はもらいが少ない」だのと言ったり、ダスキンの経営理念のように「損な道と得な道があれば、自分に関しては損な道を行く」といった、世間の感覚からすれば不可思議なことを言うことがある。
損を嫌い得を求めることを効率的に行うことを「コスパが良い」などと言って、そのようなことが出来る人をもてはやすことが多い。
しかし、「コスパが良い生き方」は、短期的には良く見えるが、長い目で見れば大きな不利益であることが分かる場合がよくある。
言ってみれば「コスパが良い」などというのは、猿知恵でしかない場合が多いということだ。
だが、このようなことをごちゃごちゃと考えても思考の迷宮にはまり込むだけだ。
早い話が、人間の頭など、所詮大したものではなく、馬鹿なのである。
時々、「政治は天才にやらせないといけない」などと言う者がいるが、世間で言うような天才など、たかが知れている。
真の天才というものがいるなら、それは意識はあっても思考していない者だ。
意識はあっても思考していない者は、知恵があるだけではなく、現象の正しい連鎖を生み出す。
その人の周りでは、点と点が自動的に正しく結びつき、美しい模様を織りなす。
これを、引き寄せと言うのである。
だが、人間は考えることにより、結びつくべき点と点が結びつかず、間違った点と点が結びつき、グロテスクな模様を作ってしまうのである。
まあ、これも引き寄せと言えば引き寄せであるが、これはマイナスの引き寄せとでも言うものである。
言ってみれば、現代の人間は、織物の名人に織物をしてもらわずに、自分でやって下手な織物を作っているようなものである。
無限に無料で織ってくれる超名人がいるに関わらずである。
この超名人は世界を織る織物師で、我々がよく知る概念で言えば神である。
だが、我々は、この超名人に対し、常につまらない指示をして超名人の仕事を台無しにしているのだろう。
思考を消すためには、思考の元である過去や未来という幻想を持たないようにしなければならない。
そのために今に意識を集中させるのだが、馬鹿な我々は、このことを「今今メソッド」とでも名付けて、意識的にやる必要がある有様だ。
そして、「今今メソッド」がなかなか出来ない人も多いが、やろうとしないよりはマシである。
まずは「今、今、今・・・」と唱えるだけでも、それなりの効果はある。
9歳くらいまでの子供は、時間の流れを意識しないものらしく、あるがままに今を生きている。
だが、現代は、幼児教育とかお受験とかで、幼い頃から時間の概念を叩き込み、子供を馬鹿な大人の小型版にしているのである。
そんな子供が大人になれば、本格的に醜い世界を作るようになるかもしれない。
おそらくだが、幼い子供は、世界は常に今生まれているように感じているのだと思う。
大人のように、固定化した世界が続いているのではない。
固定化した世界が続いていると感じているから、過去や未来がある。
しかし、世界が瞬間瞬間に生まれているとすれば、過去や未来はない。
そして、実際に、世界は、瞬間瞬間に生まれているのかもしれない。
「世界五分前仮説」という仮説がある。
これは、世界は5分前に出来たという考え方で、5分以上前の記憶は、実は偽物であるということになる。
単なる思考実験に過ぎないと思われているが、実際は、世界は5分前ではなく、今この瞬間に出来たのかもしれない。
人間はあまりに馬鹿なので「5分前」くらいにしておかないと想像することが出来ないのである。
世界が5分前に出来たと言うなら、この世界は5分後には消えることになる。
つまり、世界は5分という今にしかない。
とりあえず、そう思うと良い。
少しはマシだからだ。
だが、子供は世界は一瞬も継続せず、生まれ続けていることを知っている。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』という傑作小説がある。
記憶が20分しか持たない元天才数学者のお話だ。
彼は、事故で脳に損傷を受け、20分以上前のことを憶えていられない。
だから、同じ家政婦が来る度に、初めましての挨拶から始める。
彼のことを不幸に思うだろうし、本人も不幸だと感じている。
しかし、彼にはどこか圧倒的な正しさがあるように感じる。
彼が不幸なのは、社会や彼の家族が、彼に合っていないからだけかもしれない。
AIアート853
「羽をしまい忘れた天使」
Kay
◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)博士の愛した数式(小川洋子)
(2)心の分析(バートラント・ラッセル)
(3)さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる(エックハルト・トール)
(4)左脳さん、右脳さん。(ネドじゅん)
今に生きるとは、過去や未来に生きないということで、簡単に言えば、過去や未来のことを考えないことだ。
だが、現代文明は、今よりも過去や未来のことばかり考えさせる仕組みだ。
つまり、過去や未来のことをしっかり考えて、計画、行動、推測、反省をすることが合理的で論理的で必要なことだと思われている。
だが、この合理的で論理的で必要という意味は、損をせず、得をするためという意味で、結局のところ、現代文明というのは、得(利益)を最大化し、損(損失)を最小化するという方針の上に成り立っている。
だが、実際は、得を追及すれば、かえって大きな損があり、損をしたつもりが、それが得を生み出したりする。
だから、「損して得取れ」だの「慌てる乞食はもらいが少ない」だのと言ったり、ダスキンの経営理念のように「損な道と得な道があれば、自分に関しては損な道を行く」といった、世間の感覚からすれば不可思議なことを言うことがある。
損を嫌い得を求めることを効率的に行うことを「コスパが良い」などと言って、そのようなことが出来る人をもてはやすことが多い。
しかし、「コスパが良い生き方」は、短期的には良く見えるが、長い目で見れば大きな不利益であることが分かる場合がよくある。
言ってみれば「コスパが良い」などというのは、猿知恵でしかない場合が多いということだ。
だが、このようなことをごちゃごちゃと考えても思考の迷宮にはまり込むだけだ。
早い話が、人間の頭など、所詮大したものではなく、馬鹿なのである。
時々、「政治は天才にやらせないといけない」などと言う者がいるが、世間で言うような天才など、たかが知れている。
真の天才というものがいるなら、それは意識はあっても思考していない者だ。
意識はあっても思考していない者は、知恵があるだけではなく、現象の正しい連鎖を生み出す。
その人の周りでは、点と点が自動的に正しく結びつき、美しい模様を織りなす。
これを、引き寄せと言うのである。
だが、人間は考えることにより、結びつくべき点と点が結びつかず、間違った点と点が結びつき、グロテスクな模様を作ってしまうのである。
まあ、これも引き寄せと言えば引き寄せであるが、これはマイナスの引き寄せとでも言うものである。
言ってみれば、現代の人間は、織物の名人に織物をしてもらわずに、自分でやって下手な織物を作っているようなものである。
無限に無料で織ってくれる超名人がいるに関わらずである。
この超名人は世界を織る織物師で、我々がよく知る概念で言えば神である。
だが、我々は、この超名人に対し、常につまらない指示をして超名人の仕事を台無しにしているのだろう。
思考を消すためには、思考の元である過去や未来という幻想を持たないようにしなければならない。
そのために今に意識を集中させるのだが、馬鹿な我々は、このことを「今今メソッド」とでも名付けて、意識的にやる必要がある有様だ。
そして、「今今メソッド」がなかなか出来ない人も多いが、やろうとしないよりはマシである。
まずは「今、今、今・・・」と唱えるだけでも、それなりの効果はある。
9歳くらいまでの子供は、時間の流れを意識しないものらしく、あるがままに今を生きている。
だが、現代は、幼児教育とかお受験とかで、幼い頃から時間の概念を叩き込み、子供を馬鹿な大人の小型版にしているのである。
そんな子供が大人になれば、本格的に醜い世界を作るようになるかもしれない。
おそらくだが、幼い子供は、世界は常に今生まれているように感じているのだと思う。
大人のように、固定化した世界が続いているのではない。
固定化した世界が続いていると感じているから、過去や未来がある。
しかし、世界が瞬間瞬間に生まれているとすれば、過去や未来はない。
そして、実際に、世界は、瞬間瞬間に生まれているのかもしれない。
「世界五分前仮説」という仮説がある。
これは、世界は5分前に出来たという考え方で、5分以上前の記憶は、実は偽物であるということになる。
単なる思考実験に過ぎないと思われているが、実際は、世界は5分前ではなく、今この瞬間に出来たのかもしれない。
人間はあまりに馬鹿なので「5分前」くらいにしておかないと想像することが出来ないのである。
世界が5分前に出来たと言うなら、この世界は5分後には消えることになる。
つまり、世界は5分という今にしかない。
とりあえず、そう思うと良い。
少しはマシだからだ。
だが、子供は世界は一瞬も継続せず、生まれ続けていることを知っている。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』という傑作小説がある。
記憶が20分しか持たない元天才数学者のお話だ。
彼は、事故で脳に損傷を受け、20分以上前のことを憶えていられない。
だから、同じ家政婦が来る度に、初めましての挨拶から始める。
彼のことを不幸に思うだろうし、本人も不幸だと感じている。
しかし、彼にはどこか圧倒的な正しさがあるように感じる。
彼が不幸なのは、社会や彼の家族が、彼に合っていないからだけかもしれない。
AIアート853
「羽をしまい忘れた天使」
Kay
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(1)博士の愛した数式(小川洋子)
(2)心の分析(バートラント・ラッセル)
(3)さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる(エックハルト・トール)
(4)左脳さん、右脳さん。(ネドじゅん)