世の中には、どうにも駄目な人間がいる。
多くの場合、彼ら(駄目な人間達)は、根本的な能力が決して低いわけではないのに、本当にどうしようもなく駄目で、その中には、どんな指導も役に立たない、救いようのない者も少なくない。
私は、そんな者達を諦めの気持ちをもって、「までダメ男」「まるでダメ子」と言うことがあった。
そんな者達が、人生で逆転出来るような方法があるのだろうか?
多少・・・あるいは、かなり時間がかかるのは仕方がないが、そんなこと(まるでダメ男の逆転)が本当に可能なのだろうか?
そんなことに興味がある理由の中には、決して他人ごとではなく、私も誰も、何らかの意味で「まるでダメ男」「まるでダメ子」なのだということもある。

そして、逆転・・・それも、一発逆転が可能であることが分かった。
2つの話がきっかけであるが、根本的に解決したのは、今回も『エイリアンインタビュー』である。

2つのきっかけの話を順に簡単に述べる。
1つは、コリン・ウィルソンが『超越意識の探求』のあとがきで書いていたものだ。
ある、どうしようもない「まるでダメ男」の青年が、すっかり人生に絶望し、
「僕は本当に駄目だ」
とつぶやいた時、近くにいた知人が、
「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけさ」
と言ったが、その言葉がなぜか、まるでダメ男の青年に深い感銘を与えた。
「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけ」
その青年は、この言葉について何日も考えていたら、不意に天啓がひらめき、瞬間で優れた人間になり、実際に、多くの人々が彼に一目置くようになり、あっという間に彼は有力者になった。

もう1つの話が、さらに核心を突く。
正真正銘のまるでダメ男・・・まあ、40代とか50代、あるいは、それ以上でも良い。
その「ダメ男」が、多くの中年以降のダメ男がそうであるように、いつものように、酒に酔っぱらい・・・ついには路上で寝ていた。
だが、そのダメ男が眠っている間に、彼は公爵の家に運ばれ、身体を洗われ、立派な就寝着を着せられ、立派なベッドに入れられた。
ダメ男が目を覚ますと、多くの使用人がうやうやしい態度で接してくる。
そして、使用人の頭が言う。
「あなたは本当は公爵様です」
この話は、一種のイタズラであるドッキリ話として知られているのかもしれないが、アメリカ最大の賢者ラルフ・ウォルドー・エマーソンは、これが我々の真実を示す話だと言う。
ここでは、喩えで公爵としたが、我々の実体は公爵どころではない。

2つの「まるでダメ男」の話に共通するのは、まるでダメ男は、自分が本当は高い存在であることを、単に、忘れているだけだ。
そして、普通の人々は誰もが、まるでダメ男・まるでダメ子で、差があると言ったところで、ドングリの背比べだ。
つまり、我々は皆、記憶喪失なのである。
だが、上の「まるでダメ男」達のように、思い出しさえすれば、即座に全てうまくいく。
それが、『エイリアンインタビュー』で示唆することでもある。
そして、なぜ我々が記憶喪失状態にあるのかというと、信じなくても良いが、ある宇宙人グループが、ある必要性があって(ネガティブな必要だが)、我々の記憶を消し、偽の記憶・・・自分がまるでダメ男であるという記憶を植え付けたのである。
だが、思い出しさえすれば良い。
その最良の方法の1つが、最近述べている「私は誰か?」と自分に問うことである。
やり方は、これまでも散々述べたし、また、さらにうまく述べることが可能と思う。