先日の記事で、ユダヤ人がなぜ優秀かということについて、やはり教育に秘密があると述べた。
そして、その教育とは、まずは膨大な知識を暗記させることであったと述べ、その根拠を多方面から説明した。
「知識より知恵が大切」と言ったところで、知識がなければ知恵を生みようがない。
そして、ユダヤ人の子供達が暗記したのは、主に旧約聖書やタルムードであった。
ただ、暗記するものは、実のところ、我々にとっては何でも良いと思う。
(ユダヤ人の場合は民族のアイデンティティの確立のために、共通する、歴史的で権威あるものが必要である)
納得し難いかもしれないが、よほどの偏見を与える危険があるものでない限り、本当に何でも良い。少なくとも暗記しないよりはるかにマシである。
とはいえ、今は暗記すべき知識がいくらでも手に入るので、良い文献を選ぶと良いだろう。

ところで、現代の最高の賢者の1人と思える精神科医のミルトン・エリクソンの場合、何と辞書をほとんど暗記していたようなのだ。
そして、エリクソン自身、それが良かったことであると明確に述べている。
エリクソンが辞書を暗記したきっかけは偶然でもあり、必然でもあった。
彼が子供の時、家にあった本が辞書と聖書だけで、エリクソンは辞書の方を選んだのだ。
そして、エリクソンはその辞書をひたすら繰り返し読んだのである。
誰だったか忘れたが、家に聖書しかなく、それを暗記するほど読んで偉大になった人物の話も聞いたことがある。
また、アンデルセンも、家に1冊だけあった本である神話か何かの本を、初めは母親に読んでもらい、後に自分でも繰り返し読み、おそらく暗記してしまっていたと思う。
私は小学生の時、『ピノッキオ』『ミツバチマーヤの冒険』『海底2万里』『怪傑ゾロ』を繰り返し読んだが、暗記するには程遠かった。本が豊富にあることの弊害かもしれない。これらの本は、どれも知恵に満ち、暗記する価値があったと思う。
中学生になってからは、H.G.ウェルズの『堀についたドア』『奇跡を起こせる男』『ダイヤモンド製造家』あたりを繰り返し読んだが、やはり暗記にはいたらなかった。
そして、同じく中学生の時、せっかく、ダンテの『神曲』も読み始めたが、これは難しかった。このあたりを暗記すれば良かったかもしれない。
タイムリープした暁には、何を暗記しようかと考えるとワクワクするのである。
いや、今も暗記する気は十分であるし、タイムリープ前に暗記するのも悪くないだろう。
そして、これがタイムリープの方法かもしれない。つまり、準備を整えてこそ、神が助けるのである。

たおやかな娘
AIアート860
「たおやかな娘」
Kay


◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)私の声はあなたとともに ~ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー~
(2)神曲 地獄篇 (河出文庫)
(3)アンデルセン自伝(岩波文庫)
(4)タイム・マシン ウェルズSF傑作集(H.G.ウェルズ)
(5)海底二万里(上下)合本版(新潮文庫)※イラスト112点完全収録