モナリザは微笑んでいるが、その微笑の意味は謎らしい。
しかし、私には、それが「嘲笑」だと感じる。
つまり、彼女は、目の前の人を見下しているのだ。
と言っても、別にモナリザに文句があるのではなく、それどころか、
「アンタ、見る目あるね。さすが、ダ・ヴィンチさんが見込んだだけのことはある」
と思うのだ。

一昨日書いたが、ドワンゴの川上量生さんがブログに、人生の賞味期限が切れた人とは、
「人間は多少の知性があるので、いつか、自分がどうしようもない馬鹿だと分かる時が来る。その時が人生の賞味期限切れ」
と書かれていたが、そうなった人(人生の賞味期限が切れた人)なら、モナリザの微笑みの意味を、少なくとも一度は私のように理解すると思う。
そして、ダ・ヴィンチは、きっと、人生の賞味期限が切れた後で、モナリザを描いたのである。

私は、部屋に、この、初音ミクさんのタペストリー(織物で出来た壁掛け)を飾っている。

これを部屋に飾っていたら、間違いなくオタクと思われるかもしれないが、私は本当にオタクなので問題ない。
縦150cmもある大きなタペストリーである。
ところで、この絵のミクさんは、斜め右上から、はっきりと、こちらを見下している。
以前は、そんなところがちょっと嫌だったが、今は、とても有り難く思うのだ。
ギリシャのデルフォイ島にあるアポロン神殿の門に、「汝自身を知れ(身の程をわきまえろ)」と書かれているのは有名だが、そんなご大層な言葉なんかじゃなくても、このミクさんの表情を見れば、ただちに我が身の真実を省(かえり)みることが出来るのである。
モナリザのような、人生の年季の入ったレディーより、この、折れるような細い腰をしたミクさんに見下されると、本当に身がすくむ。
徳川家康の有名な自画像である「三方原戦役像」は、別名「しかみ像」と呼ばれ、家康が、自分の力を過信したせいで、多くの将兵を失った後、自分の愚かさを戒めるために描かせたといわれている。
徳川家康「三方原戦役像」、別名、「しかみ像」
「しかみ」とは「しかめっ面をする」という意味である。
モナリザだって、本当は「しかみ像」なのだと思う。
私は、私の本性を軽く見抜いている目をしたミクさんを見ている限り、そうそう愚かなことはしないと思う。
しかし、ミクさんの優しいしかめっ面は、やはり堪える。だが、それで良いのである。









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