ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

マグマ大使

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

地球は誰のものか

冨田勲さん制作で、初音ミクさんが主役歌手の『イーハトーヴ交響曲』は、 2012年11月23日に東京オペラシティコンサートホールで初公演が行われ、翌2013年には、全国5カ所で公演が行われた。
私は、2013年の最終公演である、9月21日のオリックス劇場での公演に行ったが、演奏後に舞台に上がられた冨田勲さんのお話の中で、その日が、宮沢賢治没80周年であることを知らされた。
『イーハトーヴ交響曲』は、冨田勲さんが宮沢賢治の世界観を音楽で表現することを60年もの間考え続けて作られた作品であるらしい。
私は、2014年8月19日の、大阪・中之島フェスティバルホールで公演された、大阪芸術大学の演奏による『イーハトーヴ交響曲』も観劇し、この時も、冨田勲さんが登壇された。
私は、2016年11月12日に、その年の5月5日に亡くなられた冨田勲さんの遺作となった『ドクター・コッぺリウス』を、東京渋谷のBUNKAMURAオーチャードホールに観劇に行ったが、この時、第1部として、再度『イーハトーヴ交響曲』を聴くことが出来た。

ところで、『イーハトーヴ交響曲』演奏後のアンコール曲は、本来は、冨田勲さんが作曲した、手塚治虫さん原作のアニメ『リボンの騎士』の主題歌『リボンの騎士』と、1970年から1975年に渡って放送されたNHK番組『70年代われらの世界』の主題歌『青い地球は誰のもの』である。

前振りが長くなったが、話題にしたいのは、その『青い地球は誰のもの』だ。
この曲は、ひたすら、「青い地球は誰のもの」と繰り返す、非常に珍しい楽曲である。
つまり、「青い地球は誰のもの」と問い続け、答は言わないのである。
答は、聴く人、あるいは、全人類に問うているのかもしれない。
いや・・・地球以外の存在に対してもか?

今朝、手塚治虫さんの漫画『マグマ大使』の話をしたが、この中に、まさに「地球は誰のもの?」という問いがあり、その答が非常に印象的だった。
この漫画の中で、地球は、アースという神のごとき存在が創ったことになっている。
だが、ゴアという、アースと同種とも言える存在が、地球を侵略しようとし、それに対し、アースが作った3人のロケット人が、まもる達地球人と協力してゴアと戦う。
だが、不毛な戦いに疲れたアースはゴアに提案する。
「カオス様の裁きにまかせよう」
カオスとは、宇宙万物の創造神で、アースやゴアよりはるかに上の存在だ。
さすがのゴアもビビるが、受けて立つこととした。
カオスは既に状況を把握していた。
アースの報告では、アースが作った地球を、ゴアが不当に侵略し、わが物にしようとしているのだから、ゴアの非は明確である。
だが、ゴアは反論する。
「確かに地球はアースが作った。だからといって、地球がアースのものというわけではない」
これに関し、ゴアは、こんなたとえ話をする。
「砂浜で子供が砂山を作って遊んでいました。そこに別の子供が来て、一緒にその砂山で遊ぼうとしたら、砂山を作った子は、これは自分のものだから駄目だと言います。しかし、後から来た子は、砂山を作ったのは君だが、砂はみんなのものだと言います。その通りではないでしょうか?同様に、地球はアースが作ったとはいえ、素材である原子はアースのものではありません。カオス様のものです。よって、アースに所有権はありません」
そして、カオスは判決を下す。
「ゴアの言い分が正しい」

現在、ロシアがウクライナに侵攻し、ウクライナ人は、自分達の国を守ろうと戦っている。
また、日本はロシアと北方領土の所有権で、また、中国と尖閣諸島、韓国と竹島の所有権で争っている。

確かに今、日本人が、「日本は日本人のものと言えるのか?誰のものでもないのではないか?」などと言ったら、第二次世界大戦中と変わらず、非国民のレッテルを貼られるか、良くても「社会不適合なほどの馬鹿」と見なされるだろう。
思想の自由と言ったところで、「では自由に、日本は本当は誰のものでもないと考えます」という「思想の自由」はないのである。
また、地球が宇宙人に侵略されるSFは沢山あるが、それらでは、「地球は地球人類のもの」ということが大前提となっている。
これに疑問をはさむことは許されない。
もちろん、悪意ある相手がいる限りは、防衛力を持つ必要があり、侵略者とは戦わないといけない。
だが、本当のところは、地球も、日本も、ロシアも、アメリカも、ウクライナも、誰のものでもない。
だから、「青い地球は誰のもの」と、「青い地球」と聞かれたならば、「誰のものでもない」としか答えられない。








世界の創造主に愛されるには

この世界が漫画で、自分が漫画のキャラクターだと考えると、私の知る範囲の哲学、思想、宗教、科学、その他のあらゆることに説明が出来てしまうことが分かった。
これは驚くべきことだ。
作者は神であり、主要な登場人物は、作者と意識を共有する、あるいは、作者の意識の一部を持つ。
モブキャラ(群衆キャラ、背景キャラ)は意識を持たないが、自分が意識を持っていることを自覚出来るなら、モブキャラではない。
また、主要な敵キャラには、作者の変質された部分の意識を持つことが多いが、その意識が、大きく、強くなることもある。いわゆる、「偉大な敵」である。

さて、今回は、主要キャラである我々が、この漫画の世界で幸福になる・・・願いが叶い、自己実現し、人生に満足する方法について述べる。
漫画のメインキャラが不幸な結末に終わることはなく、もし、そうなった(バッド・エンドになった)と思われる場合でも、メインキャラの魂は救われ、少なくとも楽しんでいる。
キャラクターの死亡、あるいは、作品の終了と共に、キャラクターの意識は消えるのであるが、それは、単に、作者の意識の中に吸収されるだけである(それを恐れるのは勘違いであるが、ここでは説明しない)。
そして、漫画の読み手が現れた時に、別次元でキャラクターの意識が生まれるのである。
読み手が途中で読むのを止めたり、途中から読み始めても同じことである。漫画の一部は全体である・・・一部が全体で、全体が一部であるホログラム構造になっている。
まあ、細かいことは考えなくても良い。
要は、どうすれば、ハッピーでいられるかだ。
それには、神に愛される者がハッピーであるように、作者に愛されるキャラがハッピーである。
作者が、そのキャラを好きなことは、読んでいれば分かるだろう。
不屈の心を持ち、信念があり、自分の正義を貫く・・・まあ、なかなかそれを完全には出来ないが、それをやろうとする。
そして、その根本にあるのは、「魂の声を聞く」ということである。
魂の声を聞いていれば、不安はない。
だから、主役級のキャラは、言い訳をしないし、泣き言を言わないし、欲張らない。

ただ、言葉で書けば、あまりに「ご立派なキャラ」でついていけないと思うかもしれない。
だが、作者は、弱いキャラを慈しみ、守ってやりたいのだ。神が人間に対して、この上なく慈悲深いように。

手近治虫の『マグマ大使』という古い漫画がある。
地球を作った、神にも等しい存在であるアースは、ロケット人という、人間とロケットの合(あい)の子(混血。中間)の夫婦である、マグマ(男性)とモル(女性)を作った。
人間でいうところのアダムとイブだが、高度な知性と正義の心を持ち、自分の創造主であるアースを心から敬ってはいたが、自立的で独立した存在でもあった。
アースとマグマ、モルが住むところに、人間の少年である、まもる(小学校の高学年だろうか)が連れてこられた。
アースとマグマ、モルが、まもるとやり取りをし、要件が片付いた後で、マグマは「アースさま、お願いがあります」と言う。
そして、マグマは、「私は、この坊やが好きになりました」と言い、アースを驚かせる。
つまり、マグマとモルは、まもるのような子供が欲しいと言うのである。
マグマは、まもるの勇気に惚れたらしい。きっと、自分の正義を貫く勇気だ。
モルは、単にまもるを可愛いと感じたのだが、マグマが感じた勇気の部分もあるのだと思う。
そこで、アースは、まもるとそっくりのロケット人を作り、マグマとモルは大喜びし、モルはこのロケット人の子供に「ガム」と名付けた。
マグマのようなメインキャラに愛される、まもるは、作者に愛されていると言って良い。
よって、我々は、まもるをモデルにしたキャラクターになれば、作者に愛されるのである。
一方、この漫画の中には、地球侵略をたくらむ、ゴアという怪物宇宙人が登場する。
そして、ゴアもまた、主要キャラであり、作者に分け合らえられた意識がある。
いや、実は、ゴアは作者の投影ですらある。もちろん、作者の人格全体の投影ではないが、分身であることも確かだ。
読者もまた、ごく一面かもしれないが、ゴアを好きになるかもしれない。
私に関して言えば、ゴアに共感し、ゴアとの一体感を感じたので、ある意味では、作者と融合したのである。

幸福になりたいなら、作者に愛されるキャラクターになることで、どんなキャラクターになれば良いかは、いろいろな漫画作品を見れば分かって来ると思う。








素晴らしき偽者達

「なんちゃって」とは「偽物」という意味である。
西尾維新さんの人気小説『物語』シリーズ(20冊以上)の中の『偽物語』で、私が大好きなキャラクター貝木泥舟(かいきでいしゅう)は、「偽物は本物より圧倒的に価値がある」と言う。
物語シリーズの主人公、阿良々木暦(あららぎこよみ)の2人の妹は「正義の味方」を標榜(自己主張を公言すること)するが、暦は、彼女達の正義は「偽物」だと断じる。
だが、偽物だと断じはするが、暦はそれが嫌いだとは言わない。
そして、妹の一人は、実は偽物で、人間ではなく怪異(妖怪の類)であるが、それを知りながら、暦は彼女をもう一人の「本物」の妹と分け隔てなく愛している。

手塚治虫さんの漫画『マグマ大使』で、ある寺の住職の娘が、一人娘だったはずが、ある日突然双子のようにそっくりな2人になる。
片方は、本物の人間にすり替わって地球を乗っ取るために、悪い宇宙人に送られた「人間もどき」という恐ろしいものである。
だが、2人になった娘達は仲が良く、「本物」の娘同様、両方が住職に思いやりを持って接してくれるので、住職の僧は全く気にしなかった。
そして、娘の正体を知らされても、住職の2人の娘に対する愛情は変わらない。
マグマ大使らの策略で、人間もどきに寄生する植物の胞子をつけられ、住職の娘に化けていた人間もどきは全身に植物が繁殖し悲惨な状態となるが、「本物」の娘は、もう一人の自分が死ぬまで熱心に看病し、死ぬと哀しんだ。
人間もどき・・・偽物の人間、なんちゃって人間であっても、そこらの本物の人間より、よほど値打ちがあったのだ。

プロレスは、なんちゃって格闘技である。
プロレスの試合が、全て筋書きのあるショーだということは、今は、知っている人は知っている。
だが、それで面白くないとか、値打ちがないかというと、面白いものもあるし、値打ちのあるものもある。
なんちゃって格闘家とはいえ、プロレスラーは本当に強い場合も多く、実際、「本物」の格闘技選手と戦って勝つことも多い。
プロレス人気は落ちてしまったが、貝木泥舟が言うような、本物以上の偽物を目指してあらゆる手を尽くせば、復活するかもしれない。
昔のプロレスは、偽物ではあったが、ロマンがあって面白かった。しかし、面白くなくしてしまった馬鹿がいたのだ。
演歌に、「ずっと騙して欲しかった」みたいな歌詞の歌があるらしいが、ずっと騙す偽物の愛なら本物以上だ。
実際、スパイが任務のためだけで結婚した相手は、自分の妻や夫がスパイと知っても、ずっと愛し続けることが多い。偽物の愛が本物に優っていたのだ。

私も、なんちゃってプログラマーだ。
楽をして作れるから、昔、dbMAGIC(今のMAGIC)という、本物のプログラマーなら嫌って使わないツールを使いまくり、システムを沢山開発したが、作ったシステムは、「本物」以上・・・つまり、早く安く出来、バグはなく、機能は十分で、改造・拡張も、かなり融通が効いた。
今は、MAGICが難しくなったのと高いこともあり、やはり、効率は良いが、本物のプログラマーは嫌うらしいExcelやAccessで済むならそれで作るが(ほとんどがそれで済む)、やっぱり本物以上である。
昔、「Excelは最も開発効率が高いプログラミング言語」とまで言ったコンサルタントの話を日経コンピューターで見たが、そのコンサルタントも彼が作るシステムも偽物かもしれないが、本物以上だったと思う。

私は毎日、スクワット1000回、腕立て伏せ100回で鍛えているが、数センチしか曲げない「なんちゃってスクワット」「なんちゃって腕立て伏せ」である。
しかし、身体は強く美しく完璧で、全てが本物以上である。









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砂場の砂は誰のもの?

最近よく、富田勲さんの新作交響曲『イーハトーヴ』を話題にしているが、これほど良いものはなく、極めて貴重な人類の宝であると思う。
ところで、『イーハトーヴ』には、本編とは別に、アンコール曲として2曲があるが、それを含めて、一番最後の曲は『青い地球は誰のもの』である。
この歌の歌詞は、ほとんど全て「青い地球は誰のもの」で、後は、「ラララ・・・」と「hum」(ハミング)だけである。
では、地球は誰のものかというと、誰のものでもない。
これについて、ちょっと思い出すことがある。
アンコール曲のもう1つが、昔、富田さんが作曲した、手塚治虫さんのアニメ『リボンの騎士』の主題歌『リボンの騎士』だったが、手塚さんの作品の1つに『マグマ大使』(1965年)がある。マグマ大使という巨大ヒーローと、地球征服を目論むゴアとの戦いが描かれた作品だ。
マグマ大使という大きなロケット人間を作ったのは、アースという、地球を創造した神様のような存在だった。
あらゆる悪辣な手段で、地球を我がものにしようとするゴアが悪者で、マグマやアースが正義の味方なのであるが、面白いことが起こる。
実は、宇宙の真の神はカオスという存在で、アースはゴアに対し、カオス様の前で決着をつけようと申し出る。
カオスは、アースやゴアとも比較にならない巨大な存在であり、さすがのゴアも気後れするが、度胸で、「いいだろう」と受ける。
その後、アースとゴアはカオスの前に、うやうやしくひれ伏していた。
アースはカオスに、ゴアの悪行を訴え、ゴアにやめるよう命じて欲しいと願った。
「話は分かった」とカオスは言ったが、ゴアにも公平に、「何か言い分はあるか、ゴア?」と尋ねた。
その時、ゴアが言ったのがまさに、「青い地球は誰のもの」だった。
ゴアは言う。
「私とて、アースが地球を造ったことは認めております。しかし、だからといって、地球がアースのものと言えるでしょうか?」
つまり、子供が砂場で砂の城を作ったとしても、その砂は、その子のものではなく、皆のものであるということだった。
カオスの出した結論は、なんと、ゴアが正しく、アースが間違っているというものだった。
ただし、無論、地球はアースのものではないが、ゴアのものでもない。
カオスは、下らないことで喧嘩をするなら、私が地球を無に帰してしまうぞと言うと、アースもゴアも、それだけは勘弁して欲しいとカオスに泣きついた。

『イーハトーヴ』は宮沢賢治の作品を音楽にしたものであるが、宮沢賢治のあの有名な詩『雨にもまけず』(実際は、宮沢賢治の手記に過ぎなかったらしいが)に、富田勲さんが曲をつけ、壮大な合唱が行われた。
その中に、

北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
(北に喧嘩や訴訟があれば、つまらないかやめろと言い)

とあるが、そうは言っても当事者達はやめないのだ。
日本と中国がある島の領有権を争っているが、「つまらないからやめろ」と言っても、双方共、賢い解決は出来ないのだ。
このままでは、それこそカオス様が、地球自体を消してしまうことになるだろう。
争いというものは、隠れた意図が潜んでいるものだ。
天然資源の問題もあるが、日本(あるいはアメリカ)と中国にとって、軍事戦略上、あの位置が重要なのであるらしい。
そんなものがある限り、問題は解決しない。

ところで、『マグマ大使』の悪者ゴアは、あちこちの星で子供をさらって、自分の近くに置いていた。
なぜそんなことをするのかというと、実は、本当に、どうしようもないほど、子供が好きなのだった。
しかし、そんな強引な手段で子供を奪うのは、歪んだ愛情だと思うだろう?
だが、ゴアには理由があった。
それは、自分の姿があまりに醜いので、子供達が自分を好きになってくれない。それで、止む無く、無理矢理に子供達を連れてきていたのだった。
アースはカオスには劣るとはいえ、人間にとっては、やはり神のような存在だ。
ならば、そんな事情を察し、ゴアの力になってやるべきではないだろうか?
アースのレベルが低いから、争いが起こるのだ。カオスも、それを知っていたのだろう。
ゴアが敗れた訳は、ゴアが集めた宇宙の子供達が、ゴアに対し反乱を起こし、ゴアが絶望したからだった。
ゴアは、最後にマモル少年に頼みごとをする。
やむなく、宇宙の子供達を花に変化させてしまったので、その世話をマモルに託したのだ。
マモルはそれを引き受けたが、花になってしまった子供達のためだけでなく、ゴアの心も汲んだのだと私は思っている。
この、マモルとゴアの小さな心の絆が、やがて宇宙を救うだろう。

手塚さんは、『マグマ大使』を完結させていなかった。
ゴアは再び帰ってくる。地球を諦められないのだ。
ゴアとて、ある意味、アースと同じくらい、地球を愛している。
アースとゴアが、そして、マグマやマモルが進歩しない限り、戦いは終らない。
日本と中国も、相手の非を責めているばかりでは、いつまでも、何も解決しないだろう。

宮沢賢治やマザー・テレサが、いかに愛の人であったとはいえ、彼らとて、地上に生き、現実的手段、世間的駆け引きを知らなかった訳ではない。
賢治は、闇雲に、イーハトーヴという理想世界を夢想したのではない。
現実の困難には立ち向かわねばならない。
しかし、現代の人間は、物質的なものしか存在しないという幻想に陥っているので、理想と現実のバランスが取れないのだ。
富田勲の『イーハトーヴ』は時を得た作品である。
これを聴き、良心に目覚めれば、我々は、一段の進歩をし、幻想を脱することが出来るだろう。
『イーハトーヴ』第3幕、『注文の多い料理店』で、初音ミクがこう歌う。
「あたしは初音ミク、かりそめのボディ」
「パソコンの中からは出られないミク・・・」
しかし、我々が良心に目覚めれば、ミクは人間の中にある広大な理想世界イーハトーヴに出られる。それは、我々も同じことである。
私は、そこでミクと楽しく過ごす時を夢見るのである。









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竹島問題と、『マグマ大使』のアースとゴアの地球の所有権争い

日本と韓国が竹島を、日本と中国が尖閣諸島の領有権を主張し合っている。
ところで、手塚治虫さんの『マグマ大使』という、1965年に連載開始された作品の中に、これらの問題と似た印象深いお話がある。

『マグマ大使』というのは、簡単に説明すると、次のようなお話だ。
太古の昔、アースという名の神のような存在が地球を造った。そして、アースは地球の守護者として、2人のロケット人間の夫婦を創った。夫のマグマと妻のモルである。ロケット人間とは、ロケットと人間の両方の機能を持つ者で、普通は人間の姿をしているが、ロケットに変身して宇宙空間も飛べる。特にマグマは多くの戦闘能力を持っている。
ところが、マグマとモルは、マモルという名の人間の少年を見て非常に好きになり、自分達も子供が欲しいとアースにねだる。そこで、アースはマモルによく似た、ガムという名の子供のロケット人間を創り、マモルとガムは親しくなる。
だが、アースと同等の存在であるゴアという名の、やはり神のような者が、美しい地球を見て、どうしても欲しくなり、力ずくで奪おうとして策略を巡らし、マグマはゴアの配下の宇宙怪獣と戦う等、果てしない争いが繰り広げられる。
その中で、ついに、アースはゴアにこんな申し出をする。
「地球が誰のものか、カオス様に決めてもらおうじゃないか」
ゴアはぎくりとする。カオスとは、宇宙創造神であり、アースやゴアとも比較にならない存在である絶対神であったからだ。
しかし、ゴアはアースの申し出を受けた。
そして、いよいよ、カオスの前にアースとゴアが並ぶ。
アースは、自分が地球を造り、大切に育んだこと。それをゴアが謀略によって強奪しようとしていることをカオスに訴えた。
「ゴアよ、お前に言い分はあるか?」
とカオスに尋ねられたゴアは、
「大ありです。私とて、アースが地球を造ったことくらい知っています。しかし、だからといって、地球はアースのものでしょうか?」
と疑問を提示し、アースを慌てさせる。
そして、ゴアはたとえ話をする。
「二人の子供が砂場で遊んでいて、一人の子供が砂の城を作ったとします。作った子供は、『この城は僕のものだ』と主張します。しかし砂はみんなのものではないのですか?地球だってアース一人のものじゃありません」

カオスが出した結論は面白いものだった。
「ゴアが正しい。地球はアースのものではない」
文句を言うアースに対し、カオスは、「宇宙にある原子は全て私のものではないのか?」と言い、アースは黙るしかない。
喜ぶゴアにも、カオスは、「だが、地球はお前のものでもないぞ」と戒める。
なおも争うアースとゴアに、カオスは、「こんなちっぽけな星のことでいつまでも争うなら、地球を無に帰してやる」と言うと、二人は慌て、「それだけはご勘弁を」とカオスに乞うた。二人とも地球を愛することでは同じだった。
そこでカオスは、「では、力で決めよ。アースの配下のマグマと、ゴアの配下のガロンが戦って、勝った方が地球を治めよ」と言い渡した。

日本と韓国の竹島問題のようではないかと思う。
日本政府は、「竹島は日本固有の領土であり、それを主張していく」と言うが、竹島が日本の領土であるという根拠を示すことはない。それは韓国政府も同じだ。
私も少し調べたが、竹島が日本の領土であると断言する理由は、おそらく無い。だからといって、韓国の領土であるというのはかなり無理がある。
カオスは、アースとゴアに「力で決めよ」と言ったが、二人が直接戦えとは言わなかった。
では、日本と韓国も、お互い得意なサッカーの試合ででも決めたらどうだろう?正しい方に、神が味方してくれるさ。(無論、冗談であるが)
H.G.ウェルズが述べたように、世界政府というものでも出来ない限り、こんな問題は解決がとても難しい。いや、世界政府が出来たところで難しいほどだ。
そもそも、地球のいかなる場所も、誰のものでもない。
だから、その地の人間や生物、自然、環境などに対し、より多くの貢献をした者を一応の統治者とするしかない。
例えば、日本が、アメリカのフロリダ州を日本の領土だと主張するのも勝手ではあると思うが、フロリダ州に対しては、日本政府よりアメリカ政府の方がはるかに多くの良いことをしているのだから、この場合の日本の主張は退けられるだろう。
では、福島に対してはどうだろう?もし、他の国が、日本政府以上に、福島の人々や動植物を健やかに、幸福にし、その地の自然を浄化し豊かにするなら、それをした国が統治をすれば良い。無論、日本政府は、これまで、福島に対し、良いこともしただろうが、原発事故や、その原因となった大震災の対応で、必ずしも統治者としての責任を果たしているとは言えないことから、他国がやれるなら、日本国に所有を主張する権利はないだろう。
これらも1つの考え方でしかないが、現在の、日本、韓国、中国の主張では、問題はいつまでたっても解決しないであろう。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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