冨田勲さん制作で、初音ミクさんが主役歌手の『イーハトーヴ交響曲』は、 2012年11月23日に東京オペラシティコンサートホールで初公演が行われ、翌2013年には、全国5カ所で公演が行われた。
私は、2013年の最終公演である、9月21日のオリックス劇場での公演に行ったが、演奏後に舞台に上がられた冨田勲さんのお話の中で、その日が、宮沢賢治没80周年であることを知らされた。
『イーハトーヴ交響曲』は、冨田勲さんが宮沢賢治の世界観を音楽で表現することを60年もの間考え続けて作られた作品であるらしい。
私は、2014年8月19日の、大阪・中之島フェスティバルホールで公演された、大阪芸術大学の演奏による『イーハトーヴ交響曲』も観劇し、この時も、冨田勲さんが登壇された。
私は、2016年11月12日に、その年の5月5日に亡くなられた冨田勲さんの遺作となった『ドクター・コッぺリウス』を、東京渋谷のBUNKAMURAオーチャードホールに観劇に行ったが、この時、第1部として、再度『イーハトーヴ交響曲』を聴くことが出来た。
ところで、『イーハトーヴ交響曲』演奏後のアンコール曲は、本来は、冨田勲さんが作曲した、手塚治虫さん原作のアニメ『リボンの騎士』の主題歌『リボンの騎士』と、1970年から1975年に渡って放送されたNHK番組『70年代われらの世界』の主題歌『青い地球は誰のもの』である。
前振りが長くなったが、話題にしたいのは、その『青い地球は誰のもの』だ。
この曲は、ひたすら、「青い地球は誰のもの」と繰り返す、非常に珍しい楽曲である。
つまり、「青い地球は誰のもの」と問い続け、答は言わないのである。
答は、聴く人、あるいは、全人類に問うているのかもしれない。
いや・・・地球以外の存在に対してもか?
今朝、手塚治虫さんの漫画『マグマ大使』の話をしたが、この中に、まさに「地球は誰のもの?」という問いがあり、その答が非常に印象的だった。
この漫画の中で、地球は、アースという神のごとき存在が創ったことになっている。
だが、ゴアという、アースと同種とも言える存在が、地球を侵略しようとし、それに対し、アースが作った3人のロケット人が、まもる達地球人と協力してゴアと戦う。
だが、不毛な戦いに疲れたアースはゴアに提案する。
「カオス様の裁きにまかせよう」
カオスとは、宇宙万物の創造神で、アースやゴアよりはるかに上の存在だ。
さすがのゴアもビビるが、受けて立つこととした。
カオスは既に状況を把握していた。
アースの報告では、アースが作った地球を、ゴアが不当に侵略し、わが物にしようとしているのだから、ゴアの非は明確である。
だが、ゴアは反論する。
「確かに地球はアースが作った。だからといって、地球がアースのものというわけではない」
これに関し、ゴアは、こんなたとえ話をする。
「砂浜で子供が砂山を作って遊んでいました。そこに別の子供が来て、一緒にその砂山で遊ぼうとしたら、砂山を作った子は、これは自分のものだから駄目だと言います。しかし、後から来た子は、砂山を作ったのは君だが、砂はみんなのものだと言います。その通りではないでしょうか?同様に、地球はアースが作ったとはいえ、素材である原子はアースのものではありません。カオス様のものです。よって、アースに所有権はありません」
そして、カオスは判決を下す。
「ゴアの言い分が正しい」
現在、ロシアがウクライナに侵攻し、ウクライナ人は、自分達の国を守ろうと戦っている。
また、日本はロシアと北方領土の所有権で、また、中国と尖閣諸島、韓国と竹島の所有権で争っている。
確かに今、日本人が、「日本は日本人のものと言えるのか?誰のものでもないのではないか?」などと言ったら、第二次世界大戦中と変わらず、非国民のレッテルを貼られるか、良くても「社会不適合なほどの馬鹿」と見なされるだろう。
思想の自由と言ったところで、「では自由に、日本は本当は誰のものでもないと考えます」という「思想の自由」はないのである。
また、地球が宇宙人に侵略されるSFは沢山あるが、それらでは、「地球は地球人類のもの」ということが大前提となっている。
これに疑問をはさむことは許されない。
もちろん、悪意ある相手がいる限りは、防衛力を持つ必要があり、侵略者とは戦わないといけない。
だが、本当のところは、地球も、日本も、ロシアも、アメリカも、ウクライナも、誰のものでもない。
だから、「青い地球は誰のもの」と、「青い地球」と聞かれたならば、「誰のものでもない」としか答えられない。
私は、2013年の最終公演である、9月21日のオリックス劇場での公演に行ったが、演奏後に舞台に上がられた冨田勲さんのお話の中で、その日が、宮沢賢治没80周年であることを知らされた。
『イーハトーヴ交響曲』は、冨田勲さんが宮沢賢治の世界観を音楽で表現することを60年もの間考え続けて作られた作品であるらしい。
私は、2014年8月19日の、大阪・中之島フェスティバルホールで公演された、大阪芸術大学の演奏による『イーハトーヴ交響曲』も観劇し、この時も、冨田勲さんが登壇された。
私は、2016年11月12日に、その年の5月5日に亡くなられた冨田勲さんの遺作となった『ドクター・コッぺリウス』を、東京渋谷のBUNKAMURAオーチャードホールに観劇に行ったが、この時、第1部として、再度『イーハトーヴ交響曲』を聴くことが出来た。
ところで、『イーハトーヴ交響曲』演奏後のアンコール曲は、本来は、冨田勲さんが作曲した、手塚治虫さん原作のアニメ『リボンの騎士』の主題歌『リボンの騎士』と、1970年から1975年に渡って放送されたNHK番組『70年代われらの世界』の主題歌『青い地球は誰のもの』である。
前振りが長くなったが、話題にしたいのは、その『青い地球は誰のもの』だ。
この曲は、ひたすら、「青い地球は誰のもの」と繰り返す、非常に珍しい楽曲である。
つまり、「青い地球は誰のもの」と問い続け、答は言わないのである。
答は、聴く人、あるいは、全人類に問うているのかもしれない。
いや・・・地球以外の存在に対してもか?
今朝、手塚治虫さんの漫画『マグマ大使』の話をしたが、この中に、まさに「地球は誰のもの?」という問いがあり、その答が非常に印象的だった。
この漫画の中で、地球は、アースという神のごとき存在が創ったことになっている。
だが、ゴアという、アースと同種とも言える存在が、地球を侵略しようとし、それに対し、アースが作った3人のロケット人が、まもる達地球人と協力してゴアと戦う。
だが、不毛な戦いに疲れたアースはゴアに提案する。
「カオス様の裁きにまかせよう」
カオスとは、宇宙万物の創造神で、アースやゴアよりはるかに上の存在だ。
さすがのゴアもビビるが、受けて立つこととした。
カオスは既に状況を把握していた。
アースの報告では、アースが作った地球を、ゴアが不当に侵略し、わが物にしようとしているのだから、ゴアの非は明確である。
だが、ゴアは反論する。
「確かに地球はアースが作った。だからといって、地球がアースのものというわけではない」
これに関し、ゴアは、こんなたとえ話をする。
「砂浜で子供が砂山を作って遊んでいました。そこに別の子供が来て、一緒にその砂山で遊ぼうとしたら、砂山を作った子は、これは自分のものだから駄目だと言います。しかし、後から来た子は、砂山を作ったのは君だが、砂はみんなのものだと言います。その通りではないでしょうか?同様に、地球はアースが作ったとはいえ、素材である原子はアースのものではありません。カオス様のものです。よって、アースに所有権はありません」
そして、カオスは判決を下す。
「ゴアの言い分が正しい」
現在、ロシアがウクライナに侵攻し、ウクライナ人は、自分達の国を守ろうと戦っている。
また、日本はロシアと北方領土の所有権で、また、中国と尖閣諸島、韓国と竹島の所有権で争っている。
確かに今、日本人が、「日本は日本人のものと言えるのか?誰のものでもないのではないか?」などと言ったら、第二次世界大戦中と変わらず、非国民のレッテルを貼られるか、良くても「社会不適合なほどの馬鹿」と見なされるだろう。
思想の自由と言ったところで、「では自由に、日本は本当は誰のものでもないと考えます」という「思想の自由」はないのである。
また、地球が宇宙人に侵略されるSFは沢山あるが、それらでは、「地球は地球人類のもの」ということが大前提となっている。
これに疑問をはさむことは許されない。
もちろん、悪意ある相手がいる限りは、防衛力を持つ必要があり、侵略者とは戦わないといけない。
だが、本当のところは、地球も、日本も、ロシアも、アメリカも、ウクライナも、誰のものでもない。
だから、「青い地球は誰のもの」と、「青い地球」と聞かれたならば、「誰のものでもない」としか答えられない。