ビギナーズラックという言葉がある。
賭け事に使う場合が多いらしいが、初心者が意外な好成績を上げることがよくあるという意味だ。
しかし、ビギナーズラックが統計的に言って本当かは疑わしい。
初心者が良い成果を上げると、印象深いので記憶されてしまい、ビギナーズラックがよくあることだと勘違いされていることが多いのだと思う。
たとえば、「ピンチの後にチャンスが来るものだ」とか「養子をもらった後に子供が出来るものだ」というのは、やはり印象深いので記憶されてしまい、よくあることと思われているかもしれないが、統計的には否定されている。

ただ、ビギナーズラックという言い方は適切ではないと思うが、最初ほどうまくいくというパターンはあると思う。
たとえば、野球などのスポーツ選手が1年目とか、ごく初期に選手生活の中で最高の成績を上げるようなことがあるのは偶然ではない。
これは、天才的な選手が最初に良い成績を上げてチヤホヤされて天狗になってしまい、努力をしなくなるというパターンも確かにあるのだが、それはさして多くないと思う。
それよりも、経験がないことで、一般的な固定観念もないことが良い方に作用する場合があるのだろう。
別のいい方をすれば、無知なせいで余計なことを考えずにやるから良いのである。
いや、ベテランだって、「考えないことこそ秘訣」と悟り、キャリアを積むごとに無心で挑むことで、全盛期の成績を超えるという例もあると思う。

引き寄せこそ、ビギナーズラックと思えるほど、最初がうまくいくことが多いと思う。
やはり、先入観がなく、何も考えずにやるからだ。
私がまさにそうで、19歳の時、ジョセフ・マーフィーの『あなたも幸せになれる』(文庫版は『努力嫌いの成功法』)を少し読み、実践したら、振り返ると、全く漫画のように状況を自在にコントロールしていた。
その後、次々に引き寄せの本を読むことで、なかなかうまくいかなくなったと思う。
引き寄せの本は世界的なベストセラーであれば、どれも同じなので、1冊を暗記するまで読んだ方が良い。
超大手の教育企業のマネージャーに聞いたが、ある優秀な東大生に東大に合格する秘訣を尋ねたら、
「簡単です。どれも同じなので、参考書を1冊丸暗記すれば受かります」
と言われたと言う。無論、良書の定評のある参考書という意味だろうが、その通りと思う。

床に座る少女
AIアート218
「床に座る少女」
Kay


引き寄せ書を読むことも、私がいつも言う「素振り」に該当し、暗記するほど読んで引き寄せが出来ないはずがない。
ただ、肝心なことは、必死で苦しんで読んでいては長続きしないので、楽に読めるよう工夫することだ。
読み難かったら読まなくていいから、常に持ち歩くことである。それだけで立派に引き寄せが出来る。

フランスの世界的なパントマイム・アーチストだったマルセル・マルソーは、「常にビギナーであることを大切にしている」と言っていたが、楽に素振りをすることがビギナーズ・マインドに近いと思う。
ビギナーの頃は無心で素振りをするので辛さを感じないのだ。
ビギナーであること、楽であること、思考を消すこと。
これらは同じであり、やはり、ここでいつも言う通り、思考を消すことが究極の秘訣なのである。