特技というのは、特徴のようなもので、あるとないでは大変な違いだ。
特徴のない人間は、目立たないので選ばれない。
また、特技というのは、武器でもある。
武器を持たない人間は、戦っても勝てない。

どんな特技が良いかというと、
・ユニーク(希少)
・ニーズがある(高需要)
・熟練している
である。
得意であっても、誰でも出来たり、大勢の人が出来ることは特技ではない。
例えば、パソコン、スマホ、ワード、エクセル、ツイッター、フェイスブックなどは、昔なら特技だったが、今は、出来て当たり前だし、どれも、やりさえすればすぐに出来るくらい簡単になっている。
また、特技であっても、需要がなければお金にならない。
アーチェリーで全国3位といったら大したものだが、それが生かせる仕事はない。
そして、熟練というものが大切だ。
熟練も需要と大いに関りがある。
簡単な例では、素人の間では、びっくりする位、ピアノやギターが上手くても、よほどの腕前と、それを生かす管理能力がない限り、それで稼ぐことは出来ない。
非常に多いのだが、そこそこ英語が出来る、そこそこイラストが描ける、そこそこウェブページを作れる程度では、特技と認められない。

なんでもこなす人、つまり、ゼネラリストは、よほど優秀でない限り「うだつが上がらない」。替えがいくらでもいるからだ。
本人は、「俺がいないとこの部署(あるいは会社)は回らない」とか「俺は一目置かれている」と思っていても、実際は、いなくなって困ることは全くない。
それが分かっているから、サラリーマンは、情報を隠して、自分しか知らないことを作っておくことで自分の重要性を高めようとする者が多いが、それは、結局は、自分をそこから追い出すことになる。

つまり、どう言っても、立派な特技を持っていないとロクなことはない。

ところで、さっき、そこそこ英語が出来るとか、そこそこイラストが描けるといった、レベルが低いと特技ではないと言ったが、大したことがない腕前でも、下手なプロより有益なことがある。
それが、「特化の魔術」で、何かの分野に非常に興味があって、その分野に関する英語なら完璧に分かるとか、何かの分野のイラストを描くことに物凄く熱意があって、その分野に関しては、プロでも描けないといった場合には、それで身を立てられる場合がある。

企業でも、どこの企業も扱わない分野に特化して成功することがあるが、そのような分野を「スキマ産業」「ニッチ産業」とか言い、市場が小さいので大手が取り組まない分野に小さな会社が取り組んだところ、儲かったり、市場を独占するということがある。
初音ミクさんの会社のクリプトン・フューチャー・メディアは、効果音などの音源コンテンツを扱う珍しい仕事をしていたので、市場を独占して利益を上げ、ボーカロイドアプリ(「初音ミク」もその1つ)を作る際も、それほど儲けようと思わなかった・・・ダメ元とまでは言わなくても、企業生命を賭けていた訳ではなかったと思う。だからうまくいったという面があると思う。

Excel VBAでデータ処理をするというのも、プログラミングのプロがあまり取り組まなかったことでありながら、極めて有益なので、これを熱心にやったアマチュアが、結構いい思いをし、立派な特技になったのだ。
そもそもが、パソコンというものは昔、大手コンピューター会社が見向きもしなかったので、パソコンの製造販売を手掛けたスティーブ・ジョブズが大成功したし、ソフトウェアの会社や技術者も、昔はパソコンなどは馬鹿にして無視したので、これに真面目に取り組んだビル・ゲイツが大成功したのだ。
そして、ジョブズにしろゲイツにしろ、別にスキマ産業を意図的に狙ったのではなく、単に、面白いと思ったから寝食を忘れて熱心に取り組んだだけである。

好きなことにのめり込んで、時間を注ぎ込む者のことを「オタク」と言う。
ただ、ゲームや、アダルトのように「やらされること」に時間を注いでも駄目なんだ。
そんな「やらされてる」同じやつがいっぱいいるから、日本一にでもならない限り全く役に立たない。
だから、ゲームオタク、アイドルオタク、エロオタクが勝ち組になることは、まあ、ない。

「俺はExcel VBAで稼ぐぞ」と思っても、本当に興味があって、オタクにならないと実力がつかない。
学校やマスコミの教えや情報は無視し、大勢に流されないようにしなければならない。
そして、自分だけの特殊な武器を持ちたいと真剣に思えば、それに導かれるものだ。
そうすれば、自分は熱心に楽しみながら、自分だけの光線銃を持てる。
これや!(笑)