自分を見限る(自分に見切りをつける)って言葉がある。
それで私が思い出すのは、ネットで見た、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長のインタビューだ。
伊藤さんは北海道の人だが、北海道の若者が沢山、ミュージシャンを目指して東京に行ったが、(多分ほぼ全員が)モノにならずに30歳くらいで戻ってくるが、その歳ではつぶしも効かない。
だから何って話だったか忘れたが(笑)、ひょっとしたら、夢に人生を賭けちゃいけないって話だったかもしれない(違ってたら申し訳ない)。
ところが、ある有名なボカロPは、学生時代に音楽を熱心にやっていたが、卒業する頃には「自分にプロは無理」と見切りをつけ、普通のサラリーマンになったが、初音ミクさんが発売されたことをきっかけに再び音楽をやり、今度は成功してしまった。
他にも、プロサッカー選手や野球選手を目指して、若いうちは夢を持って頑張っていたが、歳を取るごとに、だんだん現実が見えてきて、ほとんどの者が自分に見切りをつけてしまう。
もっとありふれた例では、物理学者を目指して、そこそこの大学に入り、大学院も出たが、そこまで行けば、自分の能力が見えてしまい、そこで未練がましく博士を目指せば、将来真っ暗だから止めたって人を知っている。

ところが、こんな話がある。
ある女子大学院生が、ハーバード大学の世界的心理学者である教授の元で研究をしていたが、その教授が、その大学院生に見込みはないと判断し、彼女を研究生から外し、彼女は大学を辞める。
だが、彼女は単独で研究を続け、30年後、優れた研究を発表し、自分を捨てた教授の名を冠した賞を受賞した。
それで彼女が幸せを感じたかどうかは知らないが。
彼女は自分に見切りをつけなかったのかもしれないが、そうしたからといって、彼女のようにうまくいくとは限らないし、むしろ、うまくいかない場合が多いだろう。彼女が成功したのもたまたまと思う。

やりたかったことに見切りをつけ、別のことをやって成功した人は少なくない。
それも、最初に何かを強い熱意を持ってやっていたが、それが駄目になって、さほどの意欲もなく何の気なしにやり始めたことで成功したなんて話もよく聞く。
おそらく、成功した人には、たまたまやったことでうまくいったという人が案外に多いのだと思う。
だから、いろんなことを気楽にやれって話もある。
最初の、ミュージシャン志望の若者のように、1つの道に絞ってしまわない方が良い。よほど自信がある場合は別かもしれないが、人間って、自己採点は甘いものだ。だから、「自分なら出来る」って思ってしまうし、「叶わない夢なんてない」って、無責任なことを言う者も多いしね(笑)。

では、いよいよ自分に見切りをつけざるを得なくなったら、どうすれば良いだろう?
全ての望みが消えてしまった場合だ。
たまたま上手くいった人が成功するのだとして、不幸なことに、その「たまたま」が訪れてくれない・・・あまり幸運の女神に好かれていないと分かった場合だ。
もう、悟りでも開くしかない(笑)。
悟りを開ければ、いかなる成功よりも至福に包まれるだろうし、失敗して死んでも元々だ。もし、そう思えないなら、現実でもう一度やってみると良い。

アメリカの精神科医デヴィッド・R・ホーキンズは1939年という印象的な年に(いや、単にミク年という意味だが)、多分彼は少年だったと思うが、真冬のウィスコンシン州で新聞配達をしていた時、氷点下20度の中で猛吹雪で動けなくなり死にかけた。その時、意識が覚醒した・・・まあ、悟りの状態に近い体験をしたのだろう。
何とか命拾いをした彼は、その後、精神科医として成功したが、ストレスのため病気になり、死期が迫った。
その時、今度は本格的に悟りを開いてしまう。
それで、病気がたちまち治っただけでなく、老眼まで一瞬で治ってしまった。さらに、精神科医として、以前と桁外れに成功し、大病院をいくつも建てることになってしまう。
彼自身は成功したいとは全く思っていないのに、そうなってしまったようだ。
彼の著書『パワーか、フォースか』、『<わたし>』は、やや怪しい感じも受けたが、彼が、1973年にライナス・ポーリングと共著で『正常生体分子の精神医学』を書いたというので、一応信用した。

もう本当に駄目だと思ったら、悟りでも開くと良い。
その方法だが、私が昔崇拝していた世界的セールスマンだった夏目志郎さんの話が参考になるかもしれない。
彼は、中国から日本に来て(彼は中国人で、後に日本に帰化)、いろんなビジネスをやって大失敗し、膨大な借金を抱え込んだ。
それで自分に見切りをつけた・・・かどうかは分からないが、35歳の時、クリスチャンになっていた彼は、神様に、「今後の私の人生は、あなたが責任取って」と祈った。
つまり、これまでのどうしようもない人生の責任は自分にあるが、今後の責任は、神よ、あなたにあると言った訳だ。
すると、翌日に奇跡が起こった。そして、彼は成功への階段を昇っていく。
よく似た話に、『僕は、死なない。』という、末期癌が20日で消えた人の話がある。
彼は、医療では癌を治せないと分かったので、神様に降参してしまった。「もう全部まかせる」と。そしたら、治ってしまった。
全面降伏、人生の明け渡しが、一番簡単な悟りの方法だと私は思う。













当ブログオーナー、KayのAI書。
紙の本とKIndle版で販売中。
学術的、理論的な説明は必要最低限に、そして、厳密さより、解り易さを優先しました。
数学もプログラミングも出来なくても、実際にAIを作れるようになることを目的としたからです。
Excelくらいは出来ないと、AIに学習させるデータを作れませんが、逆に言えば、それが出来ればAIは作れます。
ほとんどの実習のためのデータを作ることが出来るExcelマクロを、出版社サイトから無料ダウンロード出来ます。