デジャヴという言葉をご存知かもしれない。
英語なのだが、フランス語っぽい語感があると思ったら、やはり、元々はフランス語の deja-vu(デジャヴュ)であるらしい。
日本語では「既視感」と訳され、意味は、「一度も見たことがないのに、すでにどこかで見たことがあるように感じられること」である。

なぜ、デジャヴのようなことが起こるかは、いろんなところで、いろんな説明を見たが、どれもピンとこず覚えていない。
「前世で見たものを今生で見た時に感じる」という理由は、なかなか面白かったが、ここでは追求しない。

ところが、私は、AI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)を少しやっていて、おそらく、デジャヴが起こる理由は、人間の脳も深層学習をしているからと予想するのである。
そもそも、AIのディープラーニングは、人間の脳の研究から始まっていると言える。
このことを、難しい理論いっさい抜きで、アニメで語ってみよう。

アニメ『ゼロの使い魔』(2006)は、ツンデレヒロインの美少女ルイーズに萌えると共に(私はシエスタが好きだが<聞いちゃい!)、なかなか内容のある作品であったが、魔法使いがいる異世界に、男子高校生、平賀才人(ひらがさいと)が召還されてしまうところから始まる。
ところが、この才人は、魔法の世界に来た時に、不思議な魔法が備わっていた。
その魔法とは、あらゆる武器を、訓練することなく、使いこなす能力で、昔、この魔法の国に迷い込み、長い間保管されていた、第二次世界大戦時の日本の戦闘機ゼロ戦に才人が乗ると、彼は即座に操縦の仕方が解る。
便利な魔法であるが、お伽噺っぽいと思うであろう。
しかし、これはAIのディープラーニングの性質と同じと思えるのだ。

手塚治虫と並ぶ日本の偉大な漫画家、石ノ森章太郎の出世作で、1964年に執筆が開始された作品ながら、いまだ、リニューアル作品が作られる『サイボーグ009』は、9人のサイボーグ(この作品では、兵器として作られた改造人間)戦士達のお話である。
9人の中で、最後に作られた(人間を改造した)009こと島村ジョーは、やはり、初めて触る武器や戦闘メカなどを自由自在に使いこなせた。
見たことすらなかったジェット戦闘機の操縦席に座らされ、操縦するように言われ、そんなことが出来るはずがないと思いながら、やってみると、完全に操縦が出来た。
そのカラクリは明かされなかったが、1960年代前半に、こんな発想が出来た石ノ森さんは本当に天才だと思う。

では、才人やジョーが、武器や戦闘メカを教わらずに使いこなせるカラクリを明かす。
これは世界初だ(笑)。
まず、人間の脳の構造と似たシステム(今日ではニューラルネットワークと言う)である魔法物質やコンピューターが、才人やジョーの中にあるのである。
これは、深層学習システムである。
この深層学習システムには、ありとあらゆる武器や戦闘マシンの情報を与えられている。
そして、この膨大な情報を受け入れながら、深層学習システムは自ら、あらゆる武器や戦闘マシンの根底にある原理や特性を「掴み取った」のである。
それにより、未知の新しい武器や戦闘マシンに出会っても、武器・戦闘マシンに共通の原理や特性を適用することで、その新しい武器や戦闘マシンの能力や使い方を「予測する」ことが出来るのである。
つまり、才人の魔法や、ジョーの機能は、原理や特性を元に「予測」することで、「これは、こう使うんだ」ということが、鮮明に、あるいは、なんとなく解るのだ。

人間は、そんな能力(深層学習)を持っているが、その部分の能力を拡大したものが、現在のディープラーニング型のAIである。
このことを、出来るだけ簡単に、自分でAIを作ることで解るように私が書いた本(共著)を、来月、出版することになっている。
Excelさえ使えれば、無料のディープラーニング型AI構築アプリであるソニーのNNCを使って、誰でもディープラーニング型AIを作れるように書いた。
この本では、最初は、拍子抜けするほど簡単な問題から始め、出来るだけ面白い問題をAIに解かせて楽しめるようにした。
自分でAIを作るためのデータを作ることが出来るシミュレーションプログラムをExcelマクロ(VBAプログラム)で作り、ダウンロード出来るようにもした。

書 名:楽しいAI体験から始める機械学習
著 者:Kay & Mr.φ(共著)
出版社:技術評論社

である。4月出版を目指しているが、より良い本にするために、ギリギリまで書き直したので、5月にズレ込む可能性が出てきた。
よろしければ、AI時代に、権力者にAIの力で支配されないためにも、また、AIを使って活躍するためにも、ご活用願いたいと思う。