コロナ前から、家でも会社でも、まともなセールスマンを見ることはなくなったと思う。実際には、いるのかもしれないが、たちの悪い電話セールス(自動音声も含め)が多くなっただけのように感じるのだ。
セールスマンというものは、まともなセールスマンでも嫌われて当然な理由もある。なぜなら、セールスを受ける側としては、どうしても必要というわけでもないものを買わされるのだから。
まともなセールスマンの場合でさえ、セールスマンが売りに来たものを買った結果、良い状況になることは、私の考えでは、まずない。
インターネット時代で、情報が簡単に手に入るからといって、販売側に騙されないどころか、むしろ騙されることが多くなっているように思う。それはそうで、ネットの情報が嘘だらけなのは商売の世界も同様だ。
とはいえ、一目で嘘と分かる情報に騙される、短絡的な考え方しか出来ない者(いわゆる馬鹿)が多いのであるが。
また、通販での販売は、買う側に責任が押し付けられる傾向が強い。これは、売る側が責任逃れをするためだ。それもあり、ある程度高価なものは、やっぱり対面での販売が良いと思う。
昔は、自動車や百科事典、あるいは、ミシンを、セールスマンが、全ての家を訪問して売り込んでいた・・・なんて言ったら、若い人は驚くかもしれない。
まあ、今も、「ガス機器の検査」とか「不用品の回収」などと言って、実はセールス(悪質なものも多い)であるというのは、よく見る。
もちろん、企業での個別のセールス活動はあるが、これは、メリットを提供出来ない販売者は、最初から相手にされないようになっている。
だが、コロナのこともあり、無差別訪問セールスというのは、なくなってきていると思う。
ところで、もうかなりの昔、1960年代とか1970年代のことと思うが、日産自動車に、奥城良治さんというセールスマンがいて、16年連続で日産のセールスマンの中でトップの成績を上げたらしいが、これは凄いことである。
そもそも、訪問先(主に家庭)で、見下され、野良犬のように扱われる(いまどき野良犬はいないかもしれないが)という、人間にとって最も辛い、自尊心を傷付けられる仕事を続けるだけで大変なのに、長年、誰よりも多くの家を訪問して売る奥城さんのような人は、人間としての感情がない、あるいは、感情が鈍化してしまったと思われるかもしれないが、そこは普通の人と全く同じなのである。
また、心を鍛えれば、プライドを傷付けられることをされても平気になるかというと、人間の心は、そんなふうには出来ていないのである。
ただ、修練によって、耐える力が多少得られるだけで、人間は見下されることが辛く、それは、どれほど社会的に地位が低く、値打ちがないと言われる人間でも、絶対に変わらない。
ただ、奥城良治さんは、トップセールスマンだけに大変に高収入であったらしく、この点では高い自尊心を持てたと思う。
奥城さんは、1日の訪問件数を100軒と決め、それを何があっても・・・言ってみれば、死んでも守ったそうだ。
もし、商談や雑用などで、どうしても100軒訪問出来ず、例えば、90軒でその日が終わった場合、翌日はその分を足して110軒を訪問したそうだ。
当時の「働きバチ」と言われた勤勉な日本人にとっても、この仕事振りは異常であったと思う。
ところで、奥城さんが、仕事でも十分に鍛錬しているのに、なんと、鍛錬のための鍛錬として、1日1時間、強歩を行っていた。
セールスで散々歩き回っているのに、その上、1時間、ただ歩くのではなく、鍛錬のために速く歩くのである。
そして、これも、雨や風やその他の理由で出来なければ、翌日に、翌日も出来なければ翌々日に持ち越していった。2日出来なければ、3時間歩くのである。
ところが、奥城さんが社員旅行で、ある所に行った時、ホテル周辺は歩くための平地がなかった。
強歩は日曜祝日も行っており、社員旅行の日も、もちろん例外ではない。
奥城さんは「また、明日に持ち越しか」と憂うつになったが、石段があることに気付き、石段を1時間歩くことにした。
入浴も終わってさっぱりとし、皆が宴会に備えてのんびりしている中、奥城さんは、ぜーぜーと息をしながら、汗みどろになって石段の昇り降りをしており、皆には、キチガイを見るような目で見られたという。
昭和の時代遅れの人間の話ではあるが、見習いたい点が全くないとは思わない。
私も、腕振り運動を、その日、10000回出来なければ、その分、翌日に持ち越そうと思う。
もっとも、腕振り運動10000回は、奥城さんの100軒訪問や、1時間強歩に比べれば楽なもので、大概はその日に終えられるだろう。
昨日も、私は、腕振り運動を10000回行った。
セールスマンというものは、まともなセールスマンでも嫌われて当然な理由もある。なぜなら、セールスを受ける側としては、どうしても必要というわけでもないものを買わされるのだから。
まともなセールスマンの場合でさえ、セールスマンが売りに来たものを買った結果、良い状況になることは、私の考えでは、まずない。
インターネット時代で、情報が簡単に手に入るからといって、販売側に騙されないどころか、むしろ騙されることが多くなっているように思う。それはそうで、ネットの情報が嘘だらけなのは商売の世界も同様だ。
とはいえ、一目で嘘と分かる情報に騙される、短絡的な考え方しか出来ない者(いわゆる馬鹿)が多いのであるが。
また、通販での販売は、買う側に責任が押し付けられる傾向が強い。これは、売る側が責任逃れをするためだ。それもあり、ある程度高価なものは、やっぱり対面での販売が良いと思う。
昔は、自動車や百科事典、あるいは、ミシンを、セールスマンが、全ての家を訪問して売り込んでいた・・・なんて言ったら、若い人は驚くかもしれない。
まあ、今も、「ガス機器の検査」とか「不用品の回収」などと言って、実はセールス(悪質なものも多い)であるというのは、よく見る。
もちろん、企業での個別のセールス活動はあるが、これは、メリットを提供出来ない販売者は、最初から相手にされないようになっている。
だが、コロナのこともあり、無差別訪問セールスというのは、なくなってきていると思う。
ところで、もうかなりの昔、1960年代とか1970年代のことと思うが、日産自動車に、奥城良治さんというセールスマンがいて、16年連続で日産のセールスマンの中でトップの成績を上げたらしいが、これは凄いことである。
そもそも、訪問先(主に家庭)で、見下され、野良犬のように扱われる(いまどき野良犬はいないかもしれないが)という、人間にとって最も辛い、自尊心を傷付けられる仕事を続けるだけで大変なのに、長年、誰よりも多くの家を訪問して売る奥城さんのような人は、人間としての感情がない、あるいは、感情が鈍化してしまったと思われるかもしれないが、そこは普通の人と全く同じなのである。
また、心を鍛えれば、プライドを傷付けられることをされても平気になるかというと、人間の心は、そんなふうには出来ていないのである。
ただ、修練によって、耐える力が多少得られるだけで、人間は見下されることが辛く、それは、どれほど社会的に地位が低く、値打ちがないと言われる人間でも、絶対に変わらない。
ただ、奥城良治さんは、トップセールスマンだけに大変に高収入であったらしく、この点では高い自尊心を持てたと思う。
奥城さんは、1日の訪問件数を100軒と決め、それを何があっても・・・言ってみれば、死んでも守ったそうだ。
もし、商談や雑用などで、どうしても100軒訪問出来ず、例えば、90軒でその日が終わった場合、翌日はその分を足して110軒を訪問したそうだ。
当時の「働きバチ」と言われた勤勉な日本人にとっても、この仕事振りは異常であったと思う。
ところで、奥城さんが、仕事でも十分に鍛錬しているのに、なんと、鍛錬のための鍛錬として、1日1時間、強歩を行っていた。
セールスで散々歩き回っているのに、その上、1時間、ただ歩くのではなく、鍛錬のために速く歩くのである。
そして、これも、雨や風やその他の理由で出来なければ、翌日に、翌日も出来なければ翌々日に持ち越していった。2日出来なければ、3時間歩くのである。
ところが、奥城さんが社員旅行で、ある所に行った時、ホテル周辺は歩くための平地がなかった。
強歩は日曜祝日も行っており、社員旅行の日も、もちろん例外ではない。
奥城さんは「また、明日に持ち越しか」と憂うつになったが、石段があることに気付き、石段を1時間歩くことにした。
入浴も終わってさっぱりとし、皆が宴会に備えてのんびりしている中、奥城さんは、ぜーぜーと息をしながら、汗みどろになって石段の昇り降りをしており、皆には、キチガイを見るような目で見られたという。
昭和の時代遅れの人間の話ではあるが、見習いたい点が全くないとは思わない。
私も、腕振り運動を、その日、10000回出来なければ、その分、翌日に持ち越そうと思う。
もっとも、腕振り運動10000回は、奥城さんの100軒訪問や、1時間強歩に比べれば楽なもので、大概はその日に終えられるだろう。
昨日も、私は、腕振り運動を10000回行った。