ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

ジキル博士とハイド氏

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

狂気なき正義は無能。芸術は狂気だ。

あなたが、うまくいかなかったのは、狂気がなかったからかもしれない。
成功して金持ちになれなかったのも、モテなかったのも、優勝出来なかったのも、絵が上手くならなかったのも、結婚出来なかったのも、プログラミングが出来るようになれなかったのも、漫画家になれなかったのも、注文を取れなかったのも、彼を落とせなかったのも・・・狂気がなかったからに違いないのだ。
室町時代の小歌の歌謡集として有名な『閑吟集(かんぎんしゅう)』の中にある1つの歌の、このフレーズを一度は聞いたことがあると思う。
「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」
(何になろうか、まじめくさって、人間の一生なんて夢でしかない。ひたすら狂え。)
昔のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で、伊達政宗の父、伊達輝宗は、19歳の政宗に言う。
「わしには天下は取れなかったが、お前ならと思う。お前には、恐ろしさ、狂おしさがある」
つまり、現代的に言えば、政宗には、狂気の極みがある・・・つまり、徹底的に狂っている、ぶっ飛んでいるといった感じだ。
まじめくさった…保身に気を使う人間に大きなことは出来ない。

まあ、上に書いたようなことは、分からないわけではないと思うのではないだろうか?
だが、「では、どうやれば狂えるか」に関し、「狂い方が書かれた教科書はどこですか?」と言う、どうしようもない者が多いのだ。
教科書を否定してこそ狂いなのに(笑)。

『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川流著)で、高校1年生になった美少女、涼宮ハルヒが、入学式の後の、クラスでの自己紹介で言った言葉がよく知られている。
「ただの人間には興味がありません。この中に、宇宙人、未来人、超能力者、異世界人がいたら、私のところに来なさい」
なぜ、覚えられているかというと、ハルヒがぶっ飛んでいる…つまり、狂気を持っているからだ。
狂気を持った者は魅力的で、本当は皆、こんなふうに狂いたいのだ。だが、まじめくさって、面白くない人生を送ってしまうのである。

言うまでもなく、狂気にはリスクがある。
下手な狂気の果ては刑務所か精神病院と相場が決まっている。まあ、昔のように、いきなり消されることは少ないが(笑)。
小さく狂っただけで、つまはじき者、仲間外れ、弾圧の標的だ。
それを恐れて、皆、まじめくさるのだ。
確かに、狂気に飲まれてはならない。
溢れる狂気を持つなら、自分を捨て、命を捨てないといけない。でなければ、大物か小物かの違いはあるが、本質的にはヒトラーやスターリンだ。彼らは大きな狂気を持っていたが、その狂気に飲まれてしまった。
自分を握ったまま、命を握ったまま、大きな狂気を持ったので、狂気に負け、狂気に食われてしまったのだ。
自分を握っている、命を握っているとは、欲望に憑りつかれているということだ。
政木和三さんは私に、「人を超えたければ、欲望をぽーんと捨てなさい」と言った。
より丁寧に言うなら、「欲望をぽーんと捨てて狂いなさい」だ。
欲望を捨てても、狂いがなければ幽霊だ。
狂いがあっても、欲望を握っていたら独裁者にしかなれない。
パスカルの『パンセ』の中の有名な言葉、
「カなき正義は無能であり、正義なき力は圧制である」
の「力」は「狂気」と言い換えた方が現実的である。すなわち、
「狂気なき正義は無能であり、正義なき狂気は圧制である」
とした方が、真理が明瞭になる。
力とは狂気である。
スティーヴンソンの傑作『ジキル博士とハイド氏』は、世間で言われるような二重人格の悲劇ではない。
ハイド氏が正義なき狂気、ジキル博士は狂気なき正義だ。両方、良くない・・・そんな理解がないと、何のためにスティーヴンソンがこれを書いたのか分からない。

そして、正義とは、自分を捨てること、命を捨てることであることを、口だけ達者な文化人には分からない。

芸術は爆発?
岡本太郎の、なんというセンスのなさ。
芸術とは狂気だ。
命を捨てて狂うことが芸術だ。
岡本太郎を立てるなら、命を捨てて狂うことが爆発だが・・・やっぱり、ものごとはちゃんと分かるように言わないといけない。
まあ、コロンブスの卵と同じで、後から言うのは易しいが(笑)。

『臨済録』の、「仏に逢うては仏を斬る」がぶっ飛んでいて、とても良い。こんな感じだ。
禅も、その根本の仏教も、本当は、よく狂っていて、ぶっ飛んでいるのである。
でなければ、人を殺させないし、ましてや、生かすことは出来ない・・・一休の真似だが(笑)。
狂いの師匠に弟子入りしようなんてやつは駄目だ。
自分が狂いの開祖たらねばならない。








ジキルとハイドの誤解

「ジキルとハイド」と言えば、ジキルが善の、そして、ハイドが悪の象徴であることは誰でも知っていると思う。
もちろん、これは、スチーブンソンの小説である『ジキル博士とハイド氏』から来ているが、小説を超えて、「ジキルとハイド」が「善と悪」の意味になっている。
だが、多くの人は、『ジキル博士とハイド氏』を全く誤解している。

多くの人達は、ジキルという名の医師に隠された極悪非道な面がハイド氏だと、間違って理解している。
それなら、ジキルとは何だろう?
ジキルを、高潔で正しい、善良な人格だと思っている人が多いと思うが、そうではない。
そんな、「善良な人格」など、どこにもないのだ。
正しくはこうである。
これは、私の私見ではなく、スチーブンソンはちゃんとそう書いてある。
ジキルは、世間向けに、善の顔をとりつくろっているに過ぎない。
ハイドが、ジキルの本当の本性なのである。
ハイドは、享楽的で、利己的で、自分さえ良ければ良いと完全に考えている。
だが、それは、ジキルが、本心ではそうだというだけのことなのだ。
ジキルは、成功した尊敬される医者であり、それは、本人も認識している。
だが、その名誉を守ることは、ジキルには辛いことだったのだ。
それで、生きる活力を得るために、ジキルは、元々(ハイドになる前から)、隠れて悪いことをしていたのである。
その「悪いこと」が何かまではスチーブンソンは書かなかった。知らない訳ではなかったのだろうが、そんなものを書けば、当時のロンドンの闇の部分を描いてしまうことになるからで、それはもう、小説の領分ではない。ドストエフスキーのような、本当に人間の真理を探究するつもりなら別だが、スチーブンソンは、娯楽作家の道を選んだのだ。
ジキルが発明した薬で、本性を表に引き出した存在がハイドである。
ハイドがジキルの本性である証拠に、ジキルはハイドになった時、力に満ちてくるのを感じている。
ジキルは、ハイドであることを、心の底から楽しんでいたのだ。

エマーソンは、「自分が悪魔だというなら、悪魔になりきる」と、子供の時から考えていた。
エマーソンは、自己の本性がロクでもないものであることを知っていたのだろう。
それで、彼は森の中に引きこもった。

ほとんどの人は、「良心」という重荷を背負っている。
それは、甚だ不完全ではあるのだけれども、とりあえず、持っている。
だが、25人に1人は、良心を持っていないものらしい。
そんな人間のことを、心理学や精神医学ではサイコパスと言うらしい。
ジキルも多分、サイコパスなのだろう。しかし、良心を持っているふりをし、尊敬される世間での顔の裏側で、弱い者達を悲惨な目に遭わせていたはずなのだ。
そして、ジキルほど優秀ではなくても、世間には、小型のジキルが沢山いるのである。
エマーソンもサイコパスだが、彼はまだ正直だった。
確かに、エマーソンも一目で悪人と分かる顔をしていると思う。とてもじゃないが、高潔な人間の顔ではない。
彼は、自分が善人であるなどと、一度も言っていない。
彼は、「一貫性を持つな」と言う。
一貫性を持たないことが悪人の特徴である。
だから、嘘をつく者は、記憶力が良くなければならない。
だが、エマーソンは、嘘はつかないのだ。
エマーソンは、良心が目覚める前であるという意味で、少年の性質を賞賛する。
もちろん、サイコパスが良いというのではない。
正直であることが良いと言っているのである。

そして、エマーソンも、「所詮はサイコパス」という面がある。
彼は、天才にしか興味がなかった。
凡人がどう生きれば良いかなど考えなかったし、そもそも、分からなかったはずだ。
彼は「ただの天才」だ。
その点、「超天才」である釈迦は「掟を守りなさい」と教えた。
個人的な掟を守れば、個人的な範疇でだけうまくやれる。
社会的な掟を守れば、社会的に成功出来る。
例えば、チョコレートを食べない、自動車を綺麗にしておく、腕立て伏せをする、マスターベーションをしないといった個人的な掟を守れば、それなりに良いことはあるが、それで世の中で成功することはない。
町内の掃除をするとかだと、町内では良いことがある。そんな掟を持つ場合は、そのくらいで満足しなければならない。
世間で成功するためには、製品やサービスの品質を保証するとか、納品期限を死んでも守るといった、世間的な掟を守らなければならない。
納期を守らない作家や漫画家が成功したりはしない。
確かに、芥川龍之介は、納期に原稿を完成させないことがよくあった。
しかし、そんな時でも、口で言ったことを編集者に書かせ、それが立派な作品になった。
芥川はサイコパスだったが、善人のふりに耐えられず自死したのかもしれない。
彼はジキルであった。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ

アセンション(昇天)に失敗した人間の生き方

『ジキル博士とハイド氏』という、1861年出版のスティーブンソンの有名な小説は、本来の、二重人格を題材にしたお話というよりも、誰の中にもある、善と悪を描いたものと考えられている場合が多いのではないかと思う。
石ノ森章太郎さんは、『人造人間キカイダー』という作品で、キカイダーというアンドロイドが、善悪両面を持っていることを、その左右非対称の姿で示したが、人間は、見かけでは分からないかもしれないが、実は、キカイダーと同じなんだということを言っていたのだろう。

デカルトは、自分には心が2つあることに悩み、悪い方の心を導こうと、『方法序説』という短い教本を書いた。
だが、誰だって、自分の中に、もう1人の自分がいることを感じている。
善人であれば、自分の中の悪人に怯え、逆に、悪人は、自分の中の善人を煩わしく思っているのだから、可笑しいというのも不謹慎だが、とにかく、変なものである。
フロイトは、人間の自我は基本的に悪だが、超自我という善が自我を導こうとしているのだと考えたのだろう。全くオツムの良い人である。

なんでこんなことになったのかというと、大体がこんな感じと思う。
元々、地上には悪魔族だけがいたのだが、悪魔族を不憫に思ったか、あるいは、悪魔族が他の星にまでやってきて悪いことをするのを恐れたのか、そのあたりは分からないが、天使達は、悪魔に突入して合体したのだ。大変な自己犠牲である。
そうやって、天使は悪魔を導こうとしたが、悪魔は反発した。
そして、稀に、釈迦やイエスのように、純粋な天使がやってきて、天使と悪魔がせめぎあっている人達を教化したのである。
ただ、教化も期限があり、それが、2012年12月22日だった。
それまでに、世界各地に災害を起こし、死によって、天使と悪魔を分離し、悪魔と合体していた天使を回収した。
また、UFOと呼ばれるフライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)を多数派遣し、天使を救い出した。
そして、ことは終った。
地球には、悪魔族が残されたって訳である。
では、自分のいる場所が、天国か地獄かを見分ける方法を教えよう。
いや、教えるまでもない。
日が昇っていなければ、電気を消したら闇になるなら地獄だ。
天国ってのは、光源がなくても明るいのだ。

だけどね、悪魔ってのは、元々は天使なのだ。
ちゃんと天使だったのが、支配欲や快楽の欲望を起こして悪魔化したようなのだ。
だから、自主努力により、天使に戻る方法もあるかもしれない。
また、天国への道も、1本くらいは残してくれているかもしれない。
デカルトも良いアドバイスを残してくれている。
例えば、「絶対に正しいと心の底から一点の曇りもなく信じられることだけ正しいとしなさい。それ以外は、いくら本当だと思っても間違いだとしなさい」というものだ。これだけでも、目が覚める思いがするではないか?
さあ、我ら悪魔族は、自己を消してしまわないといけない。台所のゴミは捨てるしかないのと同じである。
自殺したって肉体に戻ってくる。
悪魔の本体である自我を消すのである。天使がいる間は、適切な食事をすれば良かったが、悪魔は厳しく食を節しないといけない。
悪魔の要求はことごとに拒否するのだ。性の要求、優越感の要求・・・いやはや、厳しいものである。
だが、天使がこんなことを言っていた。
悪魔を教化できなかった責任は我らにもある・・・と。
いや、そんなことはないのだよ、天使さん。悪魔が言うのもなんだけど、君達はよくやってくれたよ。
そもそも、一緒にいてくれただけで、大変なことだったはずだ。まあ、一杯やってくれ・・・って、天使は酒は飲まないのだが。
そんな訳で、今後は、自己を消すための援助を求める人のところにだけ、天使はやってくるという訳である。









↓応援していただける方はいずれか(できれば両方)クリックで投票をお願い致します。
人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


当ブログは第1期ライブドア奨学生ブログです。
Kay Twitter Home

執筆のご依頼




最新コメント


月別アーカイブ
記事検索
ブログバナー&Mail


メールはこちらへ

PV since 2010/09/08
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

人気ランキング参加中
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ ひきこもりへ


タグクラウド
QRコード
QRコード