オウム真理教(現アレフ)という新興宗教団体は、戦後最大のテロ事件と言われることもある1995年の地下鉄サリン事件を起こし、教祖や何人かの幹部が死刑執行されている。
しかし、もうこの事件を知らない人も多くなっているが、現在もアレフは存続し、若者の入信者も多いという。
地下鉄サリン事件当時、テレビにも度々登場し、痛快な弁舌の冴えやイケメンであることから大変な人気者であったオウム真理教教団幹部の上祐史浩(じょうゆうふみひろ)氏は、地下鉄サリン事件との関りはなく別件で短期間服役しているが、現在は「ひかりの輪(本人言うところでは心理学や仏教等の学習団体)」を運営し、YouTuberとしても人気者で、いろいろ話題の多い社会学者の宮台真司氏とも長時間対談したりしている。
それで、私も上祐氏の動画をYouTubeで見たが、今は全く穏やかで、大変な知識人であり弁舌も素晴らしい。宗教の話はするが、それはあくまで心理学の題材としてという雰囲気で、宗教人という感じは全くなく、話も説得力があると感じ、何といっても頭が良い人であると感じさせられる。
今でも、オウム事件の加害者として多くの人を苦しめた人物と見られていて、本人もそれを自覚というか、洗脳されてやったこととはいえ、罪を背負っていることは認めているようである。

だが、そんな人物であるからこそ見えるものもあるのだろう。
上祐氏が若い頃は、高学歴の若者が新興宗教にハマることが多かったようだ。
ところが、SNSが発達した今は、陰謀論が新興宗教の代わりになっていると上祐氏は指摘する。
つまり、かつて若者が新興宗教に洗脳されたように、今は若者に限らないが陰謀論に洗脳される者が多いと言う。
上祐氏が例に挙げた陰謀論に洗脳された人々は、トランプ大統領と共に悪を倒すといった人々だ。
もちろん、トランプ支持者の全員が陰謀論に洗脳されているわけではないが、トランプ支持者の中には、そんな人達もいることは否定出来ないと、トランプ支持者の私も思う。
たとえば、「トランプは善の宇宙人の協力を得ており、悪の宇宙人が関与し世界を支配している闇の勢力を倒す」と言う女性が多くのファンを持ち、度々講演会(事実上の集会)を開いて、出す本もベストセラーになっているなどだ。
陰謀論も一種の宗教というわけだ(全ての陰謀論がそうでないところがややこしいが)。

そこで、上祐氏がこんなことを言われていたのが私の心に刺さった。
ただ、上祐氏は慎重に言葉を選び、はっきり言わない方が良いことはオブラートに包んでいたし、ひろゆき氏らとは違い「こんなやつは馬鹿」みたいな言い方はしない。
そういったこともあり、上祐氏の発言を正確に言うのは難しいので、あくまで私の受け取り方である。
宗教や陰謀論の問題は、証拠もないことを信じてしまうことがあることだ。
宗教では、死後に天国に行けると言うが、それが本当であるかどうかは死んでみないと分からない。
しかし、宗教信者の中には、それを固く信じている者がいる。
陰謀論には、証拠があるものもある。
しかし、やや極端だが、上でも述べた「トランプは善の宇宙人の支援を受けている」などは、証拠もなく、扇動者の話だけで信じてしまっている人が多い(別に嘘だとは言っていない)。
証拠がないものを信じて悪いわけではないが、それは疑念とセットであるべきではないかということだ。
つまり、信じるのは自由だが、証拠がないものや、心にひっかかりを感じるものは、疑念も必要ではないかということと思う。
しかし、宗教は、「証拠がなくても疑いなく信じること」に醍醐味があるから問題なのだろう。

ところで、引き寄せも陰謀論扱いされることがよくある。
引き寄せが本当にあるかは、証拠を示すのが難しいのだ。
引き寄せで成功したと言う者がいたとしても、それが本当に引き寄せの力であったのかは分からない。
ところが、著名な科学者が「引き寄せはある」と証言したら信頼性を感じるという人も多い。
とはいえ、科学者が引き寄せで商売をしている団体から金をもらってそう言っているのかも分からないし、さらに、科学者自体が引き寄せで商売をしているのかもしれない。
最近は、「量子力学で引き寄せを証明」なんて怪しいものも多い(笑)。

水の色
AIアート691
「水の色」
Kay


ところが、私の場合は、特殊なのかもしれないが、子供の時から、疑いようのない引き寄せの証拠を沢山見てしまっている。
それも偶然ではないかと言うなら、奇跡的な確率の同じようなことを何度も起こしたことは、これまでも時々書いた。
それでも、私も疑念は忘れないようにしているので、他者の引き寄せの話のおかしなところは分かるのである。
むしろ、引き寄せが出来る分、より明確に虚偽が分かると言えるかもしれない。
ところで、引き寄せの最大のベストセラー『ザ・シークレット』に登場する著名な量子物理学者フレッド・アラン・ウルフも、幼い時に体験した超常現象(テレポーテーション)について明かしており、彼の場合、それが量子物理学を志した理由だと言う。
まあ、その超常現象と引き寄せがどんな関係かは複雑だが、彼も私と同様、「信じられる明確な理由がある」のだろう。
そんな事情の上で言うが、引き寄せは複雑に見えることもあるが、やはり極めて単純なのである。
つまり、子供でも出来る簡単なことで、出来ない方がおかしいのである。
ただ、引き寄せを止める要因が多いだけの話で、それ(引き寄せを止める要因)を消すことが難しいのである。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)地下鉄サリン事件20年 被害者の僕が話を聞きます(さかはらあつし、上祐史浩)
(2)大きく考えるための小さな本(フレッド・アラン・ウルフ)
(3)聖なる量子力学9つの旅(フレッド・アラン ウルフ)
(4)ザ・シークレット
(5)銀河プロジェクトI 銀河連合からの使者&スタートラベラー※トランプ支持者の陰謀論と言われることもあるもの