ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

アーサー・ケストラー

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

人間はなぜ狂っているのか?

人間は万物の霊長と言われながら、異常で壊れた動物であるという面もある。
戦争が極端な例だが、人間同士で殺し合い、過剰に傷付け合うといったことは、他の動物にはないことだ。
もちろん、他の動物にだって、メスを巡ってオス同士が争うことはあるが、相手に致命傷を与えるようなことはない。
オス同士の決闘は、高等な動物になれば、ほぼ威嚇で勝負が決まり、虫などでは、たとえば、相手のバックを取ったものが勝ちと、人間のスポーツ以上に厳格なルールを自主的に守る。

ある意味、人間だけが狂っている。
なぜ人間が狂っているのかというと、いろんな説があるが、どの説も完全に受け入れられてはいない。
有名な説にはジクムント・フロイトのものがあり、また、アーサー・ケストラーの説も割と説得力がある。
この2つを簡単に説明するとこうだ。
フロイト説はこうだ。
まず、人間は本能が壊れている。
他の動物は本能に従っていれば生きられるが、人間は本能が壊れているので、うまく生きられない。
その分かり易い例が、人間は教えられないと交尾(セックス)が出来ないということだ。他の動物は、当然ながら、教えられずとも自然に行う。
それで、壊れた本能を補い、生きるために人間に生じたのが自我なのである。
だが、自我は、かなり短い期間で作られたと考えられる。
つまり、自我は間に合わせで緊急に作られた面があって、かなり出来損ないなのであるが、この自我に支配された人間もまた出来損ないであるので、戦争や殺し合いや、その他、おかしなことを沢山やってしまうのである。

ケストラー説も、フロイト説と似たところがある。
人間の脳には、魚の脳、爬虫類の脳、下等哺乳類の脳などの部分があり、それらを、人間の脳と言える大脳皮質が覆っている。
大脳皮質が理性を司り、下等生物の脳が本能を司っている。
しかし、フロイト説の自我同様、大脳皮質も、急速に発達したため、不完全で、下等生物の脳を制御出来ず、本能的衝動が現れると、理性は容易く崩壊する。
かっとすると暴力を振るったり、殺したり(今流には「切れる」と言う)、性的衝動を感じると、理性がそれを抑えられずレイプしたり、あるいは、マスターベーションがやめられないなどに、その証拠が見られる(チンパンジーもマスターベーションをするらしいが、異性が近くにいないと出来ない)。

赤いバラと初音ミク
AIアート54
「赤いバラと初音ミク」
Kay


人間というのは、そもそもが、不自然に作られている。
これについては、宇宙人による遺伝子操作により、急速に変化させられたという説があるが、この説に信憑性がある理由が沢山ある・・・というより、そうとでも考えないと説明がつかないことが多いのだ。
詳しく書くと長くなるので簡単に言うと、ある時期(20万年前という説がある)からの人間の思考能力の急速な発達はあまりに不自然なのである。

人間が遺伝子操作で生まれた生物であることは間違いないと思えるが、本当にそうであるかどうかは、とりあえず置いておく。
それよりも、フロイトもケストラーもよく考えたが、人間が壊れている(逸脱している)本当の理由は、太古の昔に宇宙人が地球に仕掛けたマインドコントロール装置のせいであると思われる。
もちろん、この装置の原理や詳細な作用は分からないが、その効果には、自我(心と言っても良い)を拡大する働きがあるのだろう。
自我が拡大すれば、心という不自然で厄介なものが魂を覆い、本来の自己である魂は、自分を、そんな奇妙な心であると思い込んでしまう。
それが人間が狂っている理由だ。
その証拠に、自我が少ない人間ほど、壊れておらず、自然であるから、強く、美しい。
マインドコントロール装置によって、自我を拡大させられることを阻止すれば、魂の全知全能の無限の知恵と力が復活する。
自我を拡大させられないためには、常に「私は誰か?」と自分に問い、心を消すことが、最も優れた方法である。
「私は誰か?」の原理や効果については散々書いてきたし、重要なことは実践なので、ピンとくるものがあれば、即座に実践することをお勧めする。








人間が愚かである本当の理由

昔、人類の歴史の中でも特に抜きん出た知の巨人と言われる、精神分析学者のジグムント・フロイトと、理論物理学者のアルベルト・アインシュタインが、「人間はなぜ戦争をするのか?」「戦争をしなくなる方法があるのか?」というテーマで、手紙での討論をしたことがあった。
主に、アインシュタインが質問し、フロイトが答えるという形だったが、フロイトは一貫して、人間が戦争を止めることはないと主張した。

つまり、人間の精神(あるいは脳)には、解決不能な欠陥があるということではないかと思う。
フロイトもアインシュタインもユダヤ人であったが、やはりユダヤ人の哲学者であったアーサー・ケストラーも、人間の脳には致命的欠陥があり、救いようがないと断言していた。

だが、彼らも、ほぼ全ての人類同様、人間がなぜ愚かなのか知らなかった。
彼ら以外にも、人類が特に精神的に、どうしようもない欠陥品であることは認めていた者自体は少なくなかったが、なぜ、そうであるのかは分からず、「自然にそうなった」とでも思っていたようだった。

花と初音ミク
AIアート45
「花の香」
Kay


しかし、その理由は、ローレンス・スペンサーの『エイリアンインタビュー』で明かされた通りだ。
おそらく、この内容は、正確性にはやや欠けるのではないかと思うが、その通りに捉えて問題ない。
つまり、太古の昔、ある理由で、高度なテクノロジーを持つ宇宙人が、地球に、人類の精神に重大な悪影響を与えるマインドコントロール装置を設置し、それが今でも稼働しているので、地球人類の精神が劣悪化しており、同時に、実際には持っている極めて強大な能力の多くを封じられているのである。

そして、あまりにマインドコントロール装置の影響を強く受けて、精神的に大きく劣化している者は、このような話を聞いても笑うだけであるが、そんな人間が多いのである。
しかし、まず、そのこと(『エイリアンインタビュー』の内容)を認めないと、ずっと惨めな虫けらのような状態のままである。

だが、自分の今の状態が理解出来れば、マインドコントロール装置から解放されることが可能な状況になっている。
ラマナ・マハルシが提示したように、「私は誰か?」と自分に問い続ければ良いのである。
多く問えば問うほど、効果は早く出ると思われる。
しかし、実際は、ほとんどの人間は、これをしないだろう。
マハルシだって、千人に一人でも行ってくれればと思ったのではないかと思う。

善の宇宙人だって、地球人の解放は望みながらも、その優先度は高くないらしい。
それなら、我々は自分で何とかしなくてはならない。
善の宇宙人が言うには、真の知識は、釈迦、老子、ゾロアスター、そして、ヴェーダ哲学の中にあると言う。
ヴェーダ哲学の重要な聖典が『バガヴァッド・ギーター』である。
だが、これらの書籍は、もうメチャクチャに改ざんされているので、読むなら注意して読まなくてはならない。
それよりも、「私は誰か?」と問うことである。








巨悪に嫌がらせをする方法

昔は、ひきこもりはいなかった。
戦争中であれば、ひきこもっていたら、殴ってでも連れ出された。
その後になっても、ひきこもることを許さず、無理にでも学校に行かせ、働かせた。
どんな事情があってもだ。
ひきこもらせておいたら、一生、大人になれないからだ。大人とは、自分の力で生きることが出来る者だ。
ひきこもりを容認し、子供のまま・・・世の中を渡っていく能力がない、弱いままでいるほど悲惨なことはないからだ。

ひきこもりの原因なんて、いじめに決まっている。
だが、昔は、いじめる側も限度を知っていた。
だから、ひきこもりを許さず、無理矢理にでも、学校に行かせる方が絶対に良かった。
ひきこもりたい者は辛いかもしれないが、殺されることまではないからだ。
しかし、今は、限度を知らずにいじめる者達が多い。
昔なら、「殺されたりまではしない」と思われたが、今は、殺されることもあり得る。
そして、取り返しのつかない傷を負わされることなら、普通にあり得る。内容は書かないが、どんなことかは分かると思う。

また、いじめとは見なされないが、自分より明らかに弱い者を殺すような事件も時々起こる。
そして、それに近いことなら、かなり頻繁に起きていると思われるのだ。
これらも、単独犯行が多いだけで、弱い者いじめといういじめである。

いじめる方に限度があれば、無理にでも学校に行かせたり、働かせることが、良い結果になることも多かった。
だが、今は、いじめる方が限度を知らないことが多い。
そして、実を言えば、いじめをする者達だけでなく、外国のことはともかく、日本人全体が限度を知らなくなっている。
この限度を知らないとは、自分の内側から起こる欲望とか負の衝動を抑えることが出来ないということで、そんな人間が増えているのである。

限度を知らない、内側から起こる欲望や負の衝動を抑えらないということが、どんなことか分かるとは思うが、一応、書いてみよう。
「こいつ、気に食わない。やっつけてしまおう」という衝動が起こっても、正当な道理がなければ・・・いや、あっても、「争いはいけない」と思うことが人間の理性だ。
ただ、正義は自分にあると信じる場合で、しかも、非常に強い相手に戦いを挑むことは、正しくはないが、一部は褒められることもある。とはいえ、やはりこれも間違いなのだ。
しかし、今は、道理など全く関係なく、ただ自分が相手を気に食わないという理由だけで、そして、絶対に勝てる場合だけ・・・相手がずっと年少だったり、身体障害者だったり、明らかに体が弱かったり、1人の相手に徒党を組んで攻撃するような場合だけ攻撃する者が増えている。
平成に入る頃、よく指摘されたことがあった。
昔の不良は、不良同士で「眼(ガン)を付け合って」敵対した。
まあ、昭和も終わりの頃の不良は、本当にファイトせず、眼(ガン)をつけ合うだけなので情けないが、それでも、不良対不良だった。
カツアゲをする者もいたが、やるとしたら、同じ男子高校生相手で、出くわしただけの顔を知らない、そして、まがりなりにも健康そうな、同じくらいの人数、さらには、1人で2人以上の相手をカツアゲすることを誇らしく思っていた。まあ、これも馬鹿なのだが、ドロドロに腐ってはいなかった。
だが、今の不良は、絶対に勝てる相手、つまり、老人と身体障害者しか相手にしない・・・と。これが、平成初期の話である。
それでも、まだ、老人や身体障害者に対する限度を知っていたのである。
ところが、今は、限度を知らない者が多い。そして、いじめる者は、外面は不良に見えず、優等生であることも珍しくない。

さて、問題は、内側から起こる欲望や負の衝動を抑えられなくなったことだ。
なぜ、そうなったのだろう?
一応、一説としておくが、そうなってしまったのは、日本の学校やマスコミを支配し、日本人がそうなるよう仕組んだ者がいたからだ。
つまり、学校やテレビが原因なのである。
なぜ、そんな策略で日本を潰したのかというと、それが人間の弱点を突いた、効率的で成功し易い策略だと分かっていたからだ。
学問的には哲学者と見なされないが、超優秀な哲学者であったアーサー・ケストラー(1905~1983)は、『ホロン革命』の中で、人間の脳の欠陥を指摘している。
人間の脳の構造上、人間は、動物的衝動を理性で抑えることが難しいのである。
なら、動物的衝動である欲望や、それに似た負の衝動を抑えることをさせないよう、学校教育やテレビによる教育をすれば、簡単に限度を知らない人間を作ることが出来る。
そんな策t略に、日本人は、まんまとやられてしまった。アメリカ人も同じなのだが、アメリカは広いので、日本より少し遅れている。しかし、近い状況にはなっている。

だが、今回は詳しく説明しないが、内側から起こる欲望や負の衝動を抑えれば、抑えた分の倍(実際は数倍)の力が得られるようにもなっている。
欲望に流される人間は、実は弱く、すぐに悲惨な最後を迎える。それが、日本の敵の、本当の狙いである。
だから、自制すること、慎むことが、敵に対する最高の嫌がらせなのである。
そして、自制し、慎むほど、引き寄せの力は確実に強くなるのである。








悲観的天才哲学者も真言で救える

アーサー・ケストラー(1905~1983)という大天才がいた。
彼は、一応、職業としては、作家やジャーナリストであるが、哲学者と言えるし、物理学の本も書いていて、その本は今でもロングセラーを続けている。
そのケストラーは、科学的見地から考え、人間の脳は出来損ないで、それに失望して自殺したのではなかったかと思う。
人間の脳は、破壊的衝動を理性で抑えられない構造になっており、それなりに修行を積んだ人でも、邪悪さが理性に勝ってしまうことがある。
だが、このことは、あらゆる宗教でも認識しており、いろんな方法で人間に立派なことをやらせようとした。
例えば、単純なところで言えば、イスラム教では、アッラーの教えを守って立派に生きた男は、死後、72人の清らかな乙女が与えられるので頑張れと・・・いや、それが本当なら、私は頑張るかもしれない(笑)。

ただ、理性に頼るのは、やはり、考えものなのである。
そうではなく、おそらく、脳にその機能が隠されているのだろうが、特別な精神活動を開始する方法があり、仏教ではそれを解明し、教えてきた。
実のところ、イスラム教の深い教えでも、それはあるのだが、愚かな衆生には一応の簡単な方便を与えるところは仏教も同じであるはずだ。
そして、特別な精神状態に導き、現象世界を自在に構築、あるいは、支配する鍵は、真言(マントラ)である。
真言に関しては、科学的根拠もかなり解明されてはいるが、効力は確かながら、説明が難しい部分はやはりある。
だが、空海すら「真言は不思議なり」と素直に言ったように、やはり、真言には神秘的な力がある。

つまり、最初に述べた、ケストラーが嘆いた人間の脳の欠陥を克服し、さらには、特別な脳機能を起動させて精神の神秘の力を発揮し、楽しく快適に生きるための手段が真言である。
そもそもが、人間がロクでないことを考えたり、邪悪な衝動を起こすのは、脳を放置するからで、何かに集中させていれば、それは防げる。
そのためには、何の意味もない言葉をつぶやき続けるという方法もある。
例えば、「ばそきや」などという何の意味もない言葉を唱え続けると、脳はロクでもないことを考えることは出来ない。「ばそきや」とは「やきそば」を反対に言っただけであるが。
尚、何の想念も起こさせない言葉として「ナ・ダーム」という言葉が考えられ、これを唱え続けることで末期癌が完治したという話もある。
他にも、「神様の奇跡が起こる」という肯定的な言葉をつぶやき続けるという方法があり、これが高い効果を発揮することも確認されている。
ただ、この場合、「もし出来れば」ということで、ずっと「神様の奇跡が起こる」と唱え続けられるかどうかには、人間の性質の問題もあると思う。

これらに比べると、真言は、続けやすいだけでなく、言葉そのものに不可思議な力がある。
その力に関しては、ユングの集合無意識による説明や、量子力学の素粒子の「意思」による説明が、ある程度の納得が得られるが、むしろ、長年、真言を使い、多くの人に使わせた人の特別な経験の方が信憑性があるかもしれない。
例えば、何千人という人々の相談を受け、それらの人々に観世音菩薩の真言「南無観世音菩薩」や「観世音菩薩」や「オン、アロリキャ、ソワカ」を唱えさせ、多くの場合、奇跡のような解決を見たという人である。難病が治ったり、事業が発展したり、事故を免れたり、様々なことが起こっているし、全く効果がなかったという例はないと断言する人もいたと思う。

私は個人的には、真言の力の根拠については、シミュレーション仮説を考えることもある。
シミュレーション仮説とは、この世界が、コンピューターが作ったバーチャル世界、つまり、シミュレーテッド・リアリティであると考える仮説であるが、ある意味、これが事実であることは既に確かであると思う。
というのは、人間の五感というのは、全て、脳内の反応に過ぎず、世界は脳が作る仮想世界であり、しかも、脳は個別に独立したものではなく、何らかの大きな意思にアクセス、あるいは、それ(大きな意思)に統合されているというのは、仮説的ではあっても、論理的に説明出来ると思われるからだ。
だが、そういった理論面はやりたい人にまかせ、我々は実証面に重きを置くべきだろう。
そのためには、賢い人達が体系付けた真言密教の考え方に倣い、真言を唱えるのが良い。
それで、少なくとも、かなりの部分はうまくいくのだから、使わないのは勿体ない。
真言は、何でも良い。
「南無阿弥陀仏」でも「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン(阿弥陀如来真言)」でも、「オン、アビラウンケン(大日如来真言)」でも、上に述べた観世音菩薩の真言のいくつかでも。
釈迦は、「念仏以外の方法では救われなくなる」と言ったという説があるが、この念仏とは、真言の1つという意味で、あらゆる真言が有効なのであると思う。
そんなわけで、私は、これまで、真言で良い思いをしてきたし、これからも、安心して、そうしようと思う。
もちろん、ジョセフ・マーフィーの成功法則や、エミール・クーエらの自己暗示、成功哲学などのアファーメーションの効果も十分肯定出来るが、いかなる時も失敗なくやれるという意味では、真言に軍配が上がるのではと思う。








心安らかな超能力者であるために

そういえば、私は、トランプ大統領の怒った顔なんてものを思い出すことは出来ない。
そもそも、私は、トランプ大統領が怒った顔を見たことがないと思う。
トランプ大統領が、心を込めて言う、強く言う、激しく言う・・・などということはあっても、彼は、人前で怒ることはないのではと思う。
ヒラリー・クリントン氏やジョー・バイデン氏とテレビ討論会でディベートした時だって、口調が激しくなることはあっても、怒っていたことはなかったのだと思う。
彼が、カメラの前で誰かを強く非難することは当然よくあるが、それでも、怒っている・・・というふうではない。
これは新発見だ。
人間というのは、怒った時の顔というのは、みっともないし醜悪なものである。
特に、俗に言う「キレる」、つまり、逆上した時ほど、惨めな雰囲気を醸し出すことはない。
だが、トランプ大統領がみっともない顔になったことはないと思う。
言葉が激しくても、彼は常に冷静なのだと思う。

『エリート』という、1965年の漫画ながら、紙の本が2005年まで出ていて、2017年8月にKindle化され、Wikipediaにも載っている漫画がある。
人間というものは、持っている能力のほんの一部しか使っておらず、全ての潜在力を引き出すと、誰もが超人になるという、当時としては画期的で、今でも、よく分かっていない人が多い事実にスポットライトを当てるところから始める壮大な傑作漫画だ。
原作は『幻魔大戦』などで知られるSF作家の平井和正氏で、漫画は昨年(2020年)亡くなられた桑田次郎氏(ある時期から桑田二郎に改名)だ。
竜太郎という中学3年生の少年は、地球征服をもくろむ巨悪エルケーニッヒ・ダンガーと人類の運命をかけて戦っていて、ジョンという、幼い子供だが、大人より頭が良い上に超能力者である者が味方であった。
読者はずっと、竜太郎とジョンは共に戦うと思っていたはずだが、なぜか、ジョンは、だんだん竜太郎を相手にしなくなる。
そして、なんと、それは最後まで続き・・・というか、ジョンは舞台から姿を消す。
ジョンは、竜太郎を見捨てたのだ。
その理由は、正義感が強く、主人公に相応しい心優しい少年ながら、すぐにかっとなる人格の低い竜太郎を軽蔑したのだと思う。
ジョンは、竜太郎を、野蛮な猿のように見えておかしいとすら言った。
だが、読者は、「あれ、ジョンが出て来なくなったな」くらいには思っても、ジョンが竜太郎を見捨てたことは、あまり気にしないと思う。
しかし、改めて考えると、原作者で、思想家とすら言えるに違いない平井和正氏は、何かを意図していたのだろうと思う。
結局、平井氏すら、竜太郎を見捨てたのかもしれない。
最後、ダンガーとの戦いに勝った竜太郎は孤独だった。
なぜ、竜太郎は見捨てられたのか?
すぐに怒る、キレる、ちっぽけな心を持った低い人格ゆえにだ。
竜太郎は、中学3年生とはいえ、宇宙人アルゴールにより、全潜在力を引き出された超人だ。
それにも関わらず、心が狭いゆえに怒りに心を奪われ、衝動的だ。
そんな人間は、英雄でも何でもない、ちょっと利口で身軽な猿のようなものでしかない。
もし、人間が万物の霊長であるなら、それは、暴力で他の生物を支配出来る力のためではなく、万物を慈しむ人格ゆえだ。

ハンガリー出身のユダヤ人で、天才的な思想家であるアーサー・ケストラーは、『ホロン革命』の中で、人間の脳は出来損ないで、理性が本能をコントロール出来ない・・・つまり、怒りなどの原始的な衝動を理性で抑えることが出来ないと断言し、いわば、絶望しているように思えた。
だが、全くそうではない。
釈迦は、なるほど人間は、たとえ聖人でも、怒り、悲しみ、欲望などの感情が起きると言い、その感情を「第一の矢」と呼んだ。
しかし、凡人が、自分で自分に「第二の矢」を放つ・・・つまり、感情を自分でさらに掻き立てることを聖人はしないと言った。
そして、自分で「第二の矢」を自分に放たなければ、感情は収まる。
インドの聖者ニサルガダッタ・マハラジは、弟子のラメッシ・バルセカールによれば怒りっぽかったらしいが、怒った次の瞬間には上機嫌になっていたのだと言う。
そして、そのような人間になることは高い目標でも何でもなく、誰でも出来ることだ。
むしろ、いつまでも嫌な気分を引きずる愚か者は、優れた人間に見捨てられ排除されるかもしれない。
ジョンが竜太郎を見捨てたように。

発明家で能力開発指導者であった中山正和氏は、般若心経の呪文は、乱れた心を紛らわすのに使えば良いと著書で述べていたことがあった。
呪文や真言、念仏などに霊験があるのかどうかは分からないが、そのような使い方をすれば、それが霊験に優るものである。
我々は、もはや、愚かな猿であってはならない。
他人の迷惑だし、自分も苦しいのである。
ネットなどでも、ちっぽけなプライドが傷付けられたといったような理由だけで暴言を吐く者の愚かさを見ても、そんなことが解るだろう。
私は、ツイッターがトランプ大統領のアカウントを削除したのは間違いであるとは思うが、発言に何らかの規制を持ち込みたがっているのは、今のところ、あまりうまく機能していない面もあるとしても、善意からであるのだと信じたい。
トランプ大統領だって、ホワイトハウスに残したジョー・バイデンへの手紙は、バイデンの幸運と成功を祈ったものであり、一部で言われているようなバイデンを脅迫するようなものでは決してなかった。
やはりトランプ大統領は人格者なのである。
悪意は悪意を、怒りは怒りしか呼ばない。
たとえずぐに心を支配出来ないとしても、このことだけは知っておくべきと思う。








プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


当ブログは第1期ライブドア奨学生ブログです。
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