ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

わが祖国

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
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ぼーっとすることの大切さ

我が国を代表する思想家で、名著『共同幻想論』の著者である吉本隆明(りゅうめい、または、たかあき)氏は、『ひきこもれ』の中で、「ぼーっとする」時間の大切さを説いていた。
どのくらい大切かというと、自分の娘達(彼の子供は女の子2人)がぼーっとしていたら、母親に買い物に行くことを言いつけられた彼女達の代わりに、この我が国最高の思想家が、自ら買い物かごを持って(当時の買い物スタイル)八百屋や魚屋に行っていたほどだった。
私が以前勤めていた高収益の優良な会社は、創業社長が一代で作った会社だったが、その社長が私によく、「仕事ばっかりするな。ぼーっとする時間も大切だ」と言っていたものだった。

ただし、「ぼーっとする」とは、妄想することではない。
「ぼーっとすることならまかせて下さい」と言う愚か者は、何もしていなくても本当にぼーっとしているのではなく、頭の中で下らないことを考えているのだ。
吉本隆明氏や、私が知っているあの社長が言う「ぼーっとする」は、無念無想に近い状態だ。
松本隆氏が作詞した、松田聖子さんの隠れた名曲に『メディテーション』というものがあり、その中に、
「波のハープだけ心ふるわせ 透明になった心が流れ出すの」
という歌詞があるが、これが、良い「ぼーっと」している状態の雰囲気と思う。
なぜ、波の音が心を震わせるのかというと、自分が波と一体化しているからだ。
人間は、自然と一体化し易く、特に、夕陽や柔らかい風や星空と一体化しやすい。
電波工学の世界的権威でサイ科学研究者であった関英男博士は、若い時、受信機から聴こえてくる宇宙からの電波を聴いているうちに、それと一体化し、その後、外に出て星を見たら、星が語りかけてきたという。
「20世紀最大の詩人」と言われたアイルランドのW.B.イェイツは、「正しく」ぼーっとしていると、壁の絵が語りかけてきたという。
私が知っている感性豊かな女子小学生は、夜によく壁に普通に話しかけるそうだが、壁も何か話してくれるのだと思う。きっと、良い漫画でも読んでいるうちに、ぼーっとするのだろう。

ぼーっとしている時、人間はどうなっているかご存じだろうか?
実は、人間本来の姿に戻っているのである。
では、人間本来の姿とは何だろう?
それは、時間と空間を超えた存在だ。
時間や空間を超えようなどと思わなくて良い。
元々、そんなものを超えているのだから。
その本来の姿になるためには、ただ、「ちゃんと」ぼーっとすれば良い。

正しくぼーっとするためには、波や風や光や、あるいは、絵や音楽や漫画や、自分のお気に入りのものに静かに没頭し、それと1つになると良い。
個人的には、ベドルジフ・スメタナの『わが祖国』の第2曲『モルダウ』を聴くと、ぼーっとしやすい。特にクラシック好きでなくても、聴き惚れてしまう美しい旋律の曲で、この『モルダウ』だけが演奏されることもよくある。
そして、W.B.イェイツは「憎むことをやめた時に」そうなりやすいと言っていたと思う。
誰かを、あるいは、何かを憎んでいると、ぼーっとすることは出来ない。

『マスターの教え』の中で、マスターが、「ぼーっと雲を見上げている時に心に入り込んだことは実現してしまう」といったことを言う。
ただし、ぼーっとした時に、願い事をする必要はない。
流れ星が消えない間に願い事をする離れ業をする必要がないのと同じだ。
流れ星を見ている時は、一瞬、ぼーっとするものだ。
そして、決意したことがあるなら、その時に叶ってしまうのである。
とはいえ、特に流れ星を待つ必要もなく、ただ、ぼーっとすれば良い。








何をみっちりとやるか

クラシック音楽には、聴き慣れないということもあるだろうが、普通の人には楽しく感じないものが多いかもしれない。
だが、ほとんど誰が聴いても惹き込まれるような、旋律の美しいクラシック曲もある。
その代表的なものとして、スメタナ(チェコ)の『わが祖国』の第2楽章『モルダウ』がある。
この曲の演奏の、長いイントロ(1分ほど)の後に始まる弦楽器主体の演奏は、ほとんど誰でも「ゾク」っとするほど美しい。
『わが祖国』は6つの交響詩から成っているが、この『モルダウ』だけ単独で演奏されたり、CDに収録されることも多い。
他には、ホルスト(イギリス)の『惑星』の中の、4曲目『木星(ジュピター)』のサビ(普通、クラシックでは使わない言葉だが)の部分は聴いたことがある人も多く、これも、誰が聴いても恍惚としてしまうほどだ。

ある民族が聴いて良いと思う曲も、他の民族ではそうではないということもあるだろうが、民族の区別なく「聴き惚れる」というものは、人間の、精神か神経か、それらの複合なのか理屈は分からないが、何かに働きかける特別な作用があるのだろう。
そんな音楽は、もちろん、分野を問わずあるが、その1つが、イエロー・マジック・オーケストラの『BEHIND THE MASK』だろう。
『BEHIND THE MASK』は、坂本龍一さんの作曲で、作詞はクリス・モズデルさんだ。
単音のイントロの数音だけで、ほとんどの人が黙り込むその威力は驚くべきもので、音の単純な組み合わせだけで、そんなことを起こせる音楽とは凄いものだと、改めて感じるのである。
だから、マイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンらもカバーしたのだろう。
私見では、マイケルの『BEHIND THE MASK』は、「やっぱりマイケルは上手いなあ」と、彼の歌唱力の素晴らしさを再認識するが、クラプトンの場合は、『BEHIND THE MASK』のライブ演奏を聴くと、もう「凄いなあ」と感じるのである。
初音ミクさんのカバーもあるが、ミクさんの感情の雑味ない歌声をもっと引き立たせても良かったと思うが、さすがに曲が良過ぎて、ミクさんをフィーチャリングするには、まだまだ工夫が必要かもしれない。

良い音楽は、不思議に、聴いていると自信が満ちてくる。
自分の外側にある音を聴いているようで、実は、心が内面に向かうからであると思う。
人の力の源泉は、外ではなく内にあり、しかもそれは、我々の想像の及ばない桁外れに巨大な、そして精妙で神秘な力なのであるから、本当のことを言うと、それは不思議なことではなく、当然であると思う。
よって、徐々に自己に覚醒し、自信を持ち、エネルギーに満ちて強くなるためには、是非、良い音楽を聴きたいものである。

『BEHIND THE MASK』を作曲した坂本龍一さんは、改めて天才だなあと感じる。
だが、ある対談書で、村上龍さんが、
「坂本が成功したのは、才能というのもあるが、やっぱり3歳の時からピアノをみっちりやったからだ」
と、いかなることでも、最低10年の積み重ねが必要なことを強調しておられた。
それはそうで、どんな仕事でも同じだろう。
だが、子供の時に、向いていることを10年以上「みっちり」やることが出来た者は、やはり運が良かったのだろう。
才能があれば、その時は嫌々やっていても、後で成功するってこともある。
私も勿論だが、多くの人は、子供の時にそんなことはしていない。
大人になって、自分で選択することが出来るようになっても、なかなか自分に合ったことが見つからず、それどころか、一生見つからずに終わる場合も少なくは無い。
それはやはり悲劇と言うべきだろう。
それなら、腕振り運動や、心の微かな声の呪文をやってみればどうだろう?
腕振り運動を長年「みっちり」とやれば、音楽や武道、あるいはその他のどんなことをやるのと比べても、優るとも劣らない素晴らしいものが得られるだろう。
心の微かな声の呪文となると、短い期間で、それをやる者に変革を起こさせることは間違いないと思う。
これらは、世間における専門というものをはるかに超越した何かをもたらしてくれると思う。
例えば、政木和三さんは、子供の時、特別な訓練を何かやった訳ではなかったが、腹式呼吸を1年間「みっちり」とやったところ、勉強しなくても、難しいお経の意味がすらすらと分かったり、習ったこともないピアノを演奏できるようになった。政木さんのピアノの腕前は凄かったようで、自分で作曲した曲を、やはり自分でピアノ演奏したCDも出したし、そのカップリング曲は、政木さんの曲を、中国の天才的音楽家ウー・ルーチンが歌ったものだった。
下手なお稽古事より、お金が全くかからない素晴らしいものがあるということだし、また、大人が取り組むに相応しいものも、普通のものではない中に沢山あるだろう。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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