日本人であれば、大黒様、えびす様と呼ばれる神様をご存知だと思うし、これらの神の像を置いておられる家も多いと思う。
私の家の居間には、誰が置いたのは私も知らないが、ガラスケースに入った金色のえびす様と大黒様の「豪華タッグ」の像がある。
えびす様も大黒様も、みごとに太っておられるが、注意すべきことは、神は肉体を持たないのであり、これらのお姿も肉体の姿ではない。
神の姿をあえて形にすればこうなるのであるが、これは、霊的に豊かであるという意味なのである。
魂の食物をたっぷりと摂ることで、魂が非常に豊かになった・・・そういうお姿なのである。
魂の食物とは、人に優しくし、辛いことをものともせず、好んで人の前に立たないことで摂る、慈愛、無執着、謙譲という、霊的に素晴らしい食べ物である。

水野南北は、「身体が痩せていると、精神が肥えている」と言ったが、食を慎んで痩せている者の場合は、そういったことが多いのである。
また、さほど食べない、あるいは、非常に少食でありながら太っている人もいる。
岡田虎二郎がそうで、大食な訳ではないのだが、100kgをはるかに超える巨漢であった。このような人は、魂の姿が肉体に現れるのであり、太っているからといって見苦しいということは全くなく、むしろ美しく、豊かで立派に見えるのである。そして、それは肉の身体を持つ必要がないレベルに進歩しているということなので、本人がこの世に留まる意思がなければ夭逝(ようせい。年若くして死ぬこと)することが多いのである。岡田虎二郎も、周囲には健康な姿を見せたまま、49歳で亡くなっている。

科学者で発明家の政木和三さんの前に、3体の大黒天像が出現しているが、顔が政木さんの顔をしているのである。
その姿は当然、立派に太っており、これらの像の出現は、政木さんの魂が豊かになったということを示しているのである。

最近の日本では、身体は肥満しているのに、魂は餓鬼のようにガリガリに痩せている者が多いのである。
肉体の栄養は過剰に摂っているのに、魂の栄養を全く摂らないからだ。
肉体が肥えていても、魂が貧しければ、物質世界でも力はない。
逆に、魂に豊かな栄養を与え、肥えさせていれば、物質世界にも強力な力を及ぼすことができるのである。
聖典を読むというのは、本来は魂の栄養を摂ることなのであるが、「これを読めば世俗の強者、例えば金持ちになれる」とかいった邪まな気持ちで読むと、魂の栄養は全く摂れない。しかし、聖典の教えを敬い、無心で読めば、それは霊的な無限の食物なのであるから、制限なく魂の栄養を得られるのである。
また、人に優しくし、人を思いやり、驕る(思い上がる)心を抑え、へりくだって奉仕すれば、神はその者の魂をどんどん豊かにしてくれるのである。

この世で肥満している者が天の国では痩せていて、この世で痩せている者が天の国では豊かに太っていることが多いのである。
昨夜も述べた通り、この世でいう微かな声が、天の国では大きな声であり、この世での大きな声は天の国には存在しないのである。
この世とかの世(天国、神界、真の世界、エデン、楽園)では、全く逆なのである。
デカルトが「我思う、ゆえに我あり」と言ったのはこの世でのことで、霊的世界では、「我思わず、ゆえに我あり」なのである。
簡単に言えば、無心で私心なく、忘我であれば、天の国に存在しているということである。そうであれば、たかがこの世で不可能などあるはずがないのである。
そして、昨夜も述べた通り、心の中で微かな声で神や仏の名を唱えれば、自然に天の国に在るようになるのである。

仏様の姿は豊かに太っているが、それは、この世のものではないからである。
一方、菩薩様の姿は痩せているのである。それは、菩薩様というのは、この世に降りて来て、人々のために働いておられるからである。
広隆寺の弥勒菩薩像も、肉体はとても痩せているが、その表情は限りなく豊かで慈愛に満ち、魂の豊かさを表しているのである。この像を、写真でも良いから、よく見て、霊的な豊かさを感じれば、あなたの魂にも栄養が流れ込んで来るのである。この像を見れば、たちまち癒され、無限の力を得る秘密はこういうことなのである。

言うまでもなく、優れた芸術は魂の栄養である。
特に、人を思いやる気持ち、慈愛の想いを込めて創られた優れた芸術作品を味わうと、大きな魂の栄養を得るのである。
私は、冨田勲さんが、苦しむ人々を救おうとする大いなる慈悲の想いで制作された『イーハトーヴ交響曲』を百回以上聴き、やせ細っていた魂に、少しは栄養をつけられたのだと感じるのである。
例えば、この作品の第5楽章『銀河鉄道の夜』での、初音ミクの「ケンタウルスよ、露を降らせ」という天使の歌声には、露という言葉で表した魂の食物を降らせる響きが秘められているのである。









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