ITスペシャリストが語る芸術

何か１つのことを、寝食忘れてやることが出来れば幸せだろう。
なぜなら、何か１つのことを寝食忘れるほど打ち込んでいて幸福でない人間を見たことがないし、想像も出来ないからだ。
それで必ずしも成功するとは限らない。
しかし、それはどうでも良いことに違いない。

とはいえ、何かから逃げるために、何かをやっているフリをしたり、自分でもやっていると思い込んでいるのは、打ち込んでいるのとは違う。
本当に何かに打ち込んでるなら、美味しいものを食べるとか、色事とか、気晴らしとかには興味がないものだ。
本当に打ち込んでいるなら、明日世界が終わることになっていても、それを続けることだろう。
そして、本当に打ち込んでいるなら、「いつまで」とか「どこまで」はない。
だから、今倒れたとしても後悔はない。

人間は、三度の食事より好きなものがあるらしい。
それを早く見つけることが出来た者は幸せだ。
メジャー最後の４割バッター、テッド・ウィリアムズは、少年の時から、起きている時間の全てをバッティングの練習に注ぎ込みたがっていた。
夜は、両親がベッドに押し込まない限り、バッティングの練習をして寝なかったという。
また、本当の話かどうか知らないが（脳科学者の茂木健一郎氏が語ったことだ）、マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツは子供の時からプログラミングが大好きだったが、高校では担任教師が、ゲイツに「お前はプログラミングだけしていろ。そしたら他の単位もやるから」と言ったらしい。
もし本当なら、最高に良い教師であり、ゲイツは最高に幸運だった。

だが、何が自分に向いているかは、なかなか分からないかもしれない。
だから、何でもやってみた方が良い。ただし、自分で選んでね。親や教師や兄貴や姉貴の言うことは聞かないことだ。
でないと、刹那的な下らないことにうつつを抜かすことになってしまうが、そうやって人生を駄目にする者も多い。

本当のチャンスとは、自分がやるべきことに出逢うことで、それは割とありふれているのではあるまいか？
しかし、何か別のつまらないことにかまけ、それに気付かないのだ。
「打ち込めることが欲しいなあ」と思うことだ。
学校やテレビでは、そう思わないような思想を叩き込んでくるが、それに逆らえば世間の集団意識を超え、引き寄せの力が強くなる。
だから、打ち込めることに憧れることは、実に良いことである。