ITスペシャリストが語る芸術

「でっち上げ」というのは案外に面白くて重要だ。
「でっち上げ」とは、「事実ではない虚偽・嘘偽りをいかにも事実であるかのように仕立て上げること、捏造すること」という意味である。
もちろん、善いことではないが、身に覚えがない人はいないのではと思う。
そして、私は子供の時から、でっち上げが上手い人と下手な人がいることが、非常に印象的だった。
でっち上げがあまりに上手い人は、現実すら歪曲させ、でっち上げを事実にしてしまう。
そうすると、その歪曲された現実が、「元々の事実にすら変わってしまう」ことを衝撃を持って見ていたものだった。
つまり、魔法のように、「本当に」現実が根本的に変わってしまうのだ。
「そんな馬鹿な」と思うかもしれないが、私の知る範囲では、そんな事実が多々ある。
早い話が、それは強力な引き寄せなのである。
もちろん、普通の人の下手なでっち上げではそうはいかず、むしろ、悪い結果を呼ぶ。
おそらく、優れた事業家や政治家、あるいは、軍人には、そんなことが出来る人が多く、自分では無自覚ながら、現実を作り変えているのである。

そりゃ、インドの詩聖タゴールがアインシュタインに言ったように、月すら、人間が見ていなければ存在しないのだ。
人間の意思には、それほどの力があり、方向性を整えてその力を使えば、大抵のことは捏造・・・と言って悪ければ、現実を改変出来る。
このような力を持っていた代表的な人物が、カエサル、ナポレオン・ボナパルト、ウィンストン・チャーチル、T.E.ロレンス、それに、スティーブ・ジョブズだ。
もちろん、どんな時でも、そんなことが出来るわけではない。
ただ、現実改変が出来ない時というのは、利己的であるかどうかよりも、現実を改変する理由・・・早い話が、大義名分がなければ、大抵うまくいかないように思う。

そして、大義名分を打ち立てることは知恵であり、そのために勉強することは良いことである。
尚、上に挙げた、現実歪曲空間を作り出せる人達ですら、ある時期から、それが下手になった。
大方はストレスのためで、大義名分を立てることに情熱を持てなくなったのだ。
人間、大きなことを成し遂げたら、さっさと引退し、別のことをやるべきなのである。

尚、下手なでっち上げは、たとえ一時的にうまくいっても、百害あって一利なしだ。

今回は、でっち上げや大義名分が引き寄せのスペシャルな技術であることを取り上げた。
そして、引き寄せがうまい人というのは、ある程度は、でっち上げが上手い人である。
まず、何と言っても、自分に対してでっち上げをしてしまう。
ただ、自分への影響もあり、ある程度は、周囲に対してもでっち上げをしなくてはならない。
良ければ、上に挙げた人々から学ぶと良い。
ちなみに、ビル・ゲイツは、ナポレオンから学び、それを、マイクロソフトの経営や、アメリカ合衆国を相手取った裁判で存分に活用し、常に勝ったのである。