ソクラテス、プラトン、アリストテレスの関係が分かるだろうか?
昔、私は、ある社長さんに、「今の女子大生は、信長、秀吉、家康の順番を知らない」と言われ、「まさか!」と思い、立派な短大を出て入社してきた女の子に尋ねてみたら、本当に知らなくて絶句したことがある(笑)。
まして、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの順番も知るまいと思った。
プラトンはソクラテスの弟子で、アリストテレスはプラトンの弟子だ。
まあ、別に、知ってても偉くはないが・・・

で、ソクラテスである。
彼は、アテナイ(今のアテネ)の人達に、「最も知恵がある人間は自分だ」と言ったと言われていた。
本当だった(笑)。
それで、当然ながら、傲慢だと非難された。
もちろん、馬鹿がそう言っても、単に馬鹿にされるだけだが、ソクラテスほどの者がそう言うと、それなりに当たっているだけに非難されるのである。
ところが、ソクラテスは、「私には知恵はない」とも言っているのだ。

こういうことだった。
ある高貴な巫女がソクラテスに、「あなたは人間の中で最も知恵がある」と言った。
私なら、「おお!やはり!」と思うかもしれないが(笑)、ソクラテスは、「そんなはずはない」と困惑した。
当時の巫女の超能力は凄いものだったから、ソクラテスは「そんな馬鹿な」と驚いてしまったのだ。ソクラテスは、そのくらい謙虚だった。
だが、高貴な巫女の神託に逆らうことは出来ない時代だったので、ソクラテスは、とりあえず、自分より知恵のある人を1人でも見つけ、巫女に、その神託の真意を問おうとしたのだ。
そこで、誉れ高い知恵者達・・・詭弁家、作家、芸術家、技術者などを、片っ端から訪ねた。
すると、おかしなことになった。
自分より知恵のある人間が、どうしても見つからないのだ。
ソクラテスが、それらの人達に知恵があるかどうかを判定した方法は、彼らが、自分の能力をどう思っているかだった。
皆、その高い能力を、自分が身に付けた自分のものだと思っていた。
だが、ソクラテスには、そうではないことが分かっていた。
彼らの能力は、彼らの霊から来ている。今でいう潜在意識だ。
彼ら自体には、何の能力もなかった。
そして、ソクラテスは、自分についても、そのことを理解していた。
だが、ソクラテスのように理解している者は1人もいなかったのだ。
それを分かっているというだけで・・・つまり、自分には何の能力もないと分かっているだけで、ソクラテスは、自分は誰よりも知恵があると確信した。それだけのことだった。

確かに、世間で評判の知恵者達も、その能力が霊(潜在意識)から来ていることを自分では気付かなくても、確かに有能だった。
しかし、ソクラテスのように、2500年経っても崇拝されるほどではない。

ソクラテスの態度は、UFO研究家の矢追純一さんが、「僕は頭が悪いから考えることを諦めた」と言ったのと同じだと思う。
そうやって、潜在意識にまかせれば(矢追さんは「大きな流れに乗れば」と表現したが)、引き寄せがうまくいくのだと思う。
まあ、ソクラテスは、「貧乏だった」「悪妻に苦しんだ」と言われ、最後はご存じのように死刑になったのだが、働きもせずに元気で長命だったし、優秀な弟子達だけでなく、ファンは大勢いて、町を歩けば、ファンの行列が出来るほどだった。
ただ、彼は論争好きで余計な頭を使い、人を憎むこともあり、争いもしたなど、当時の時代の影響もあったのだろうが、引き寄せに必要な気楽さがなかったかもしれない。
自分に知恵がないことを知りつつ、論争を止められなかったのだ。
その点、師の欠点に学んだプラトンも、その弟子のアリストテレスも豊かだった。
それに、ソクラテス自体も、先程も述べたが、当時としては、悪い人生ではなかったはずである。
我々も、自分の頭が大したことはないことを悟り、潜在意識にまかせてしまうことで豊かで楽しい人生を送れるのであると思う。








  
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