人間の、脳、あるいは、無意識、あるいは、潜在意識の力を、最も鮮明に描いた書籍は、私は、『猫の妙術』と、矢追純一さんの自伝『ヤオイズム』であると思う。
『ヤオイズム』は絶版で、以前は古書も高価で入手し難かったが、PDF的な電子書籍『真・ヤオイズム』が出て入手し易くなっている。

『ヤオイズム』、あるいは、『真・ヤオイズム』の中の、矢追さんが、あり得ないことをさらりとやった話を1つ取り上げ、なぜ、そんなことが出来たかを私が説明する。
実に簡単だが、信じられない、常識をあざ笑うような話だ。
矢追さんは、学力最低の不良高校として有名だった高校に入るが、全く通学しなかったという。
そして、矢追さんは、10歳の時に父親が死んでいたが、高校2年生の時に母親が死んだ。
すると、矢追さんは、2人の妹を自分で養うと決め、高校生がどうやったか分からないが、すぐにアパートを借り、妹2人を引き取った。
そうなると、矢追さんは、高校どころではなく、朝から働きに行って深夜まで働いたが、仕事が終わった後は飲みに行っていたという。
とにかく、それで、妹達には、不自由をさせることもなく、さらに自分は、全く勉強することなく、東大を超える司法試験合格数を誇る中央大学法学部に入学する(入試の過去問集を覚えるくらいはやったらしい)。

矢追さんは、雑誌のインタビューか何かで、どこまで本心かは分からないが、「僕は頭が悪いので、考えることを放棄していた」と述べている。
だが、私には、これこそ、矢追さんの成功の秘訣と思う。
高校生が、「妹2人をどうやって養おう」なんて考えたら、そんなこと出来るとは思わないだろう。
だが、矢追さんは、「それは出来る」と考えたというより、「出来ないとおかしい」と思ったのだろうと思う。
繰り返すが、考えていたら、そんなこと「出来る」なんて思えないはずだ。
では、この無敵の思想は、どこから来たのかというと、彼の凄い母親から与えられたに違いない。
普通の母親であれば、子供が本を読むことを喜び、「本を読め」と言うことも多いだろう。
しかし、矢追さんの母親は、矢追さんに絶対に本を読ませなかった。
男の子は身体を鍛えるべきであり、本を読んでいるようでは駄目だという考え方なのだろう。
矢追さんが本を読んでいたら取り上げて捨てた。矢追さんが、「これは友達から借りた本だ」と言っても、容赦なく捨てたらしい。
当然、家で勉強することは許されない。教科書はさすがに捨てなかったが、教科書なら読んでも良いというわけではない。
ところが・・・
その母親が、矢追さんが、試験は100点、通信簿はオール5でないと許さない。4なんか取ってきたら殴られる。
つまり、母親は、矢追さんが家で勉強しなくても、「試験は100点、通信簿はオール5でないと、おかしい」と決めつけていたのだ。
そんな考え方が、矢追さんに教育されたのだろう。
これは、納税額日本一にもなった商人として有名な斎藤一人さんが「俺は16歳の時から働いているのだから、金持ちにならないとおかしい」と考えていたのと似ている。
矢追さんや、矢追さんの母親も「出来ないとおかしい」と考えていたが、「〇〇だから、出来ないとおかしい」という理由を、何か持っていたのだと思う。
これについて、斎藤さんは、例えば「私はこんなにいい女なんだから、素敵な彼氏がいないとおかしい」と言えと指導している。
「〇〇だから」という理由は何でも良いのだ。真偽すら問わない。言った者勝ちである。

矢追さんの母親が「私は〇〇だから、私に出来ないとおかしい」という〇〇を持っていたことは十分に想像出来るのだ。
それが何かは知らないが、彼女は、きっと、子供の時から、そんな何かを持っていた。
矢追さん一家が中国に住んでいた時、父親が生きていた時は、お城のような豪邸に住んでいたが、父親が死に、敗戦と共に召使い達に家を追い出され、小さなボロアパートに住んでいた。
そんな時、矢追さんの4歳の妹が誘拐される。おそらく、子供を売買する誘拐組織に連れていかれ、諦めるしかなかった。
しかし、矢追さんの母親は、妹を取り戻した。
「私は〇〇なんだから、取り戻せないとおかしい」と思ったに違いない。でないと、ただの女に、そんなことが出来るはずがない。
私だって、子供の時、夜の満天の星の中から土星を一発で特定して天体望遠鏡で見たり、交通量の多い車道に目をつぶって飛び込んだり(決して真似しないで欲しい)、以前見たテレビドラマを録画したいと思うと、その場でそれを放送させた。
そんな馬鹿げた奇跡を起こしたのも、「僕は〇〇だから、出来ないとおかしい」という思いがあったはずなのだ。
斎藤一人さんの『成功脳』という本に、そのやり方が載っているようだ。








  
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