本を読んでいる時、その本の中の、普通に考えたら、どうでもいいような言葉が、強く心に響き、忘れられないことがある。
私の場合、こんなものがあった。
E.E.スミスの、大長編SF小説『レンズマン・シリーズ』の第1巻『銀河パトロール隊』(1937)の中のものだ。
レンズマンとは、各惑星の中で最も優秀な若者だけがなることが出来る、最高級の戦士の名称だ。
レンズマン養成校で高度な訓練を受け、厳しい最終試験に合格すると、宇宙最古の生命体であるアリシア星人から特殊なレンズを与えられ、レンズマンとなる。
レンズマン養成校を首席で卒業した、レンズマンの中でも特に優秀なレンズマンであるキニスンは、困難な任務で高い実績を残し、上級のレンズマンであるグレー・レンズマンに昇格する。
グレー・レンズマンは、全宇宙の全人類の憧れの的である。
若きキニスンが、宿舎の自分の部屋で、初めてグレー・レンズマンの制服を着た時、鏡に映った自分の姿を見て、彼が口の中でつぶやいた言葉・・・それが、私が忘れ得ぬことになる言葉だった。
それは、
「なんて格好いいんだ!」
である。
それで、キニスンの素晴らしい姿のイメージが頭の中で広がったのだ。

この小説とは関係ないが、この「なんて〇〇だ」という表現は、潜在意識に強く印象付けられるらしい。
超優秀なキニスンは、誰よりも潜在意識の力を活用しているはずだ。
そして、彼が潜在意識を活用出来る鍵は、この「なんて〇〇なんだ」という言葉の使い方にあるのではないか?
作者のE.E.スミスは「スペースオペラの父」と呼ばれる偉大な作家だが、実に、社会人人生を肉体労働者から始め、それから大学に入学し、ついに、化学工学の博士号を取得している。
キニスンが、自分の姿を「なんて格好いいんだ!(How cool!)」と言ったのはナルシストっぽい感じもするが、キニスンは、いつも、このような言葉で潜在意識をプラス化していたから優秀であることを、スミスは無意識に考えていたのだと思うのだ。
キニスンは、例えば、「なんて幸運なんだ!」「なんて嬉しいんだ!」「なんて良いショットなんだ!」と言うクセがあるに違いない(と勝手に思う)。

我々も、この言葉を大いに使うべきではないだろうか?
自分のことについて、事実や客観的評価に関係なく、
「なんて格好いいんだ!」
「なんて可愛いんだろう!」
「なんて豊かなんだ!」
「なんて幸運なんだ!」
「なんて優秀なんだ!」
もう何でもいいから、「なんて〇〇だ」で褒めちぎるのだ。
すると、やすやすと潜在意識にこの言葉が入り込んで定着し、潜在意識は、嫌でも、その通りの現実を創り上げるのである。
と思ったら、なんと、YOKOさんという人気YouTuberの著書『「全自動」であらゆる願いが叶う方法 潜在意識がみるみる書き換わる』に、ほぼ同じことが書かれていた(レンズマンの引用はないが)。
YOKOさんは、若い綺麗なお姉さんだと思ったら、10歳の子持ちだそうだ。
全部は読んでいないが、引き寄せの本としては実践し易いものだと思う。








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ