世界、あるいは、人生の主人公でいるためには、モラルを持ち、かつ、シャンとしなくてはならない。
しかし、モラルというものが何か分からなくなってしまった者が多い。そして、その原因がある。
アメリカに亡命した、旧ソ連の有名な元スパイによれば、社会主義国家が、民主主義国家を侵略する際には、その民主主義国家の学校やマスメディアを支配下に置き、モラルを破壊する教育、モラルを破壊する報道や広告を行うのだそうだが、それは確かに最も強力な侵略方法だろう。モラルを破壊された人間は、容易く支配出来るからである。
モラルを破壊するには、そのような方法で、15年から20年かかるそうであるが、アメリカ、日本では、第二次世界大戦直後から、社会主義国家がそれを推進していったので、今や、大半の日本人やアメリカ人はモラルが破壊されている。
もちろん、今も、いや、さらに激しく、我々のモラル破壊計画は推進中である。
モラルとは、道徳的に正しい行動のことだが、道徳教育そのものが道徳を破壊している状況だ。
テレビを付ければ、番組もCMも、実に効果的に視聴者のモラルを抹殺するものばかりである。

モラルを持たない者は、正しい判断、正しい思考が出来ない。
しかし、自分ではそれに気付かない。
むしろ、自分は頭が良く、判断力が優れていると思い込んでいる場合が多い。
サイコパスというのは、脳の欠陥のために共感を持たない者のことであり、単にモラルに欠けた人間のことではない。
サイコパスとモラルに欠けた人間を混同するから、日本やアメリカで「皆、どこかサイコパスだ」という、誤った認識を持つことになる。

モラルを持たなくても、楽しく生きることは出来る。
ただし、それは主に若い間で、それも、ごくわずかの期間のことである。
それを過ぎれば、本人はうまくいっていることをアピールしても、本当は不安で惨めで苦しいのである。
世界は漫画のようなもので、我々はそのキャラクターだとすれば、モラルを持たない者はモブキャラ(雑魚キャラ、背景キャラ)でしかない。
だが、モラルを破壊されてしまった者は、モラルが何かすら分からないのだ。

言い換えれば、モラルがない者が、本当の意味で「頭が悪い者」である。
さっきも述べたが、モラルに欠けると、正しい判断、正しい思考が出来ない。
数学や物理学のように、答があるものがいくら出来ても、本当の意味で頭が良いということとは何の関係もない。
数学や物理学の試験で抜群の点を取っても、最も重要なことでとんでもない判断をしたり、本当に大切なことで的外れな考え方をする者はいくらでもいる。

真に楽しい人生を送るには、魂の声を聞く必要があるが、モラルが無ければ魂の声を聞くことが出来ない。
魂はモラルを通してしか、この世界に顕現することが出来ないからだ。
まあ、悪魔の声を魂の声だと勘違いする者も多いが(悪魔とは、闇の魂とでもいうものである)。

モラルを破壊された日本人に何を言っても無駄なのであるが、とはいえ、人間はモラルを完全に失うことはない。
私は、個人的には、モラルについて知りたければ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読むことをお勧めする。
この作品は宮沢賢治が存命中には出版されず、宮沢賢治はこの作品から全く利益も名誉も得ていないが、長い年月をかけて丁寧に作り上げた珠玉の傑作である。
日本も、モラルの壊滅による存亡の危機にある。
モラルを失った人間の判断力や思考力では敵に勝つことなど望むべくもない。
そのために、敵は、長い年月をかけて我々のモラルを破壊したのだ。
敵は、闇の魂に支配され、モラルの欠片もないが、戦いでは強い。
まあ、敵の正体はよく分からないのであるが、我々が、道徳と共に牙も奪われたことは確かである。
全てを取り戻すには、魂の声を聞くためにも、モラルを再生する必要がある。








  
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