有名なアニメ『ルパン三世』の、1971~1972年の第1シリーズで、何と、ルパンがAI(人工知能)と戦っている。
当時は、「AI」は専門家しか使わない用語で、このアニメでも、単にコンピューターと呼んでいたが、このコンピューターは、ルパンの行動を正確に予測するのだから、まさに、今日、AIと呼ばれているものと同じである。
AIとは、思考するのではなく、予測するのである。ここを間違うと、AIを正しく活用出来ない。
例えば、企業が、何を売り、どんなサービスをするかを考えるのは、あくまで人間で、AIは、それが売れるか(あるいは、どのくらい売れるか)予測するだけである。だが、現代のAIの予測精度はおそろしく高い場合があり、人間の予測をはるかに超えることもある。
一方、人間なら簡単に予測出来ることを、AIが予測に失敗することもある。
例えば、「5」という文字を見た時、人間だって、それを「5」だと予測するだけなのだが、少々乱暴に書かれた「5」でも、それを「5」であると、素早く予測出来ることが多い。しかし、十分に調整されていないAIは、予測が出来なかったり、他の文字だと予測してしまうこともある。
もっとも、現代のスマートフォンを通して使えるグーグルのAIは、手書き文字も含め、沢山の言語をかなり正確に読み取り翻訳出来る。
とはいえ、ルパンの行動を予測することは難しい。
ルパンの行動を正確に予測するためには、ルパンに関する、とんでもなく沢山のデータが必要だ。
この、『ルパン三世』のアニメでも、今日のAI以上のAIを使い、ルパンの多量のデータを収集済みであることが、暗黙の了解であると考えないといけない。
それで、ルパンは、ことごとく行動をAIに予測され、盗みの仕事に失敗し、逮捕されてしまう。
そこで、最終勝負となる。
つまり、ルパンがどんな方法で脱獄するかをAIが予測すれば、それを封じる方法を人間が考えて事前に準備することが出来るのである。
ルパンは脱獄計画を実行しながら、「さて、ここまでの俺の行動はAIに予測されている」と考えた。
だが、最後に、ルパンはAIの予測通りに動かなかった。
そして、ルパンは言う。
「AIに勝てるのは人間の気紛れさ」
ルパンは、気紛れに行動することでAIに勝ったのだ。

では、本当に人間の気紛れがAIに勝てるかというと、ただの気紛れならAIに予測される。
人間にとっても、AIにとっても、「斜め上」の気紛れでないと、つまり、言ってみれば、ぶっ飛んだ気紛れでないと駄目だが、人間は本来、そんな発想が出来るのである。
だが、すっかり、メディアに洗脳された人には、そんな「超斜め上」の発想が出来ない。
「超斜め上」になれるかどうかが、我々が洗脳社会に勝ち、幸福になる鍵である。

最近、人気急上昇中の「天才」成田祐輔(なりたゆうすけ)氏(経済学者。東大首席卒業。MIT博士。イエール大学助教授)が登場した動画で、印象深いものがあった。
成田氏はデータの専門家で、それはつまり、AIやビッグデータ活用の専門家ということだろう。
成田氏は、イエール大学に、Amazonの副社長を呼び、この、データを駆使して高収益を上げる企業のデータ活用法について何か話してもらおうとした。
ところが、Amazon副社長は「データは危険」だと言う。
これは、どういうことかというと、おそらく、「ある範囲のことでならデータは有益であるが、高度な場面では、データは役に立たない、つまり、信用出来ない」ということと思う。
成田氏が、では、何を信用するのかとAmazonの副社長に尋ねた時の答が素晴らしかった。
それは「CEO(最高経営責任者。社長である場合が多い)の心の声だ」である。
頼りになるCEOの心の声は、きっと「超斜め上」であり、人間にもAIにも予想外のことのはずなのだ。

企業に限らない。
強い企業のCEOの心の声が頼りになるように、平和な国では、大統領などの国家元首の心の声が重要なのだ。
そして、心の声は我々にだって聞けるし、それは、CEOや大統領の心の声と変わらないのだ。
では、どうすれば、魂の声とも言える、純粋な心の声を聞けるのか?
アニメ映画『009 RE:CYBORG』を見よ(笑)。
009ことジョーは、「彼の声」を聞くが、多くはないとはいえ、他にも、世界中で「彼の声」を聞く者が現れ、それは神の声と思われることもあった。
だが、ジョーは言う。「人によって、彼の声がどう聞こえるかは違う」。
ジョーは、やがて、「彼の声」を正しく理解するようになる。
なぜなら、彼が人を思いやり、仲間を信じる心を持っているからである。
ある世界最高クラスの投資家も、心の声を聞いていた。
そのコツを尋ねると、「欲張らないことだよ」と答えた。
これが答ではあるまいか?








  
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