斎藤一人さんという、銀座まるかんという会社の創業者で、納税額が公表されていた時代には上位の常連で、1位にも2度ほどなっており、純資産が200億円という(Wikipediaより)人がいる。
著作も大変な数なのだが、最初の本は『変な人が書いた成功法則』(1997)で、私は、この本は非常に良いと思ったし、2003年の『変な人が書いた驚くほどツイてる話』も読んだが、これも素晴らしかった。
しかし、果てなく著作を出し続け、後になるほどおかしなものになっていき、あくまで個人的にだが、「この人、馬鹿か詐欺師ではないのか?」と思うようになっていた。
けれども、私は最近、斎藤さんが無駄に本を出し続ける理由が分かったように思うのだ。

斎藤さんの最初の本『変な人が書いた成功法則』の主題は、「困ったことなんか起こるはずがない」で、本当は、斎藤さんは、この1冊だけを書けばよかったのだと思う。
だが、その後の本、『変な人が書いた驚くほどツイてる話』で、「私が成功したのは、『ツイてる』と言ったからです」というのが本当かどうかは分からないが、「ツイてる」は、前向きな口ぐせとしてトップクラスで、これを勧めることは良いことであったと思う。
だが、いくら何でも、この2冊で十分であった。
しかし、その後も本を出し続け、講演をしまくっていたのは、チヤホヤされて賢者気取り、さらには、神様気取りの哀れな老人になったのだと、私は短絡的に思っていた。

しかし、こんな事実が、確実にあったと思うのだ。
最初の『変な人が書いた成功法則』は素晴らしい本で、成功すべき人なら、これを読めば成功に近付けると思う。
ところが、これを読んでもさっぱりの人がいる・・・というより、それが圧倒的なはずだ。
そして、『変な人が書いた驚くほどツイてる話』を読み、「ツイてる」と言えば、やはり、ツクべき人はツいたが、全然ツかない人が圧倒的だったのだ。
それが当たり前である。
成功するとか、常にツくとかは、単純な知識や小手先のテクニックで得られるものではなく、人物の問題なのである。
斎藤さんは、才能ということもあったと思うが、育った環境、様々な経験を通して、人物を磨いたから成功したのだ。

そして、斎藤さんというのは、根本的に非常に親切な人間なのだと思う(これも成功の要因だろう)。
だから、興味を持って海外の自己啓発書を読むうちに、自分がうまく教えれば、皆を成功させることが出来るに違いないし、そうしたいと思うようになったのだと思うのだ。
しかし、自分ではどんどん良い本を書いているつもりが、それらを読んでも、凡人が良くなることは全くなかったのである。
けれども、それでも諦めずに、本を出し続け講演をし続けているのだ。

『変な人が書いた成功法則』『変な人が書いた驚くほどツイてる話』を読んで成功しない人は、その後の斎藤さんの本を読んでも、決して成功しないと思う。
逆に言えば、成功すべき人は、この2冊あたりを読めば、成功する可能性が高い。
さっきも述べたが、肝心なものは、人物・・・言うなれば、人間性である。
これは、優秀とか学歴があるとか、人付き合いがうまいとかいったことではない。
欠点はあっても、肝心なところでは誠実であり、必要なだけの責任感があり、超人的とは言わないまでも、十分な忍耐がある・・・そんな当たり前のことに欠けた人間が成功することは、当たり前に考えてあり得ない。人物に欠けていても、ごく短期的にならうまくいくこともあるが、それはやはり、ごく短期的でしかない。
逆に、当たり前の人間性があれば、上に挙げた斎藤さんの1冊か2冊を読めば、成功する可能性が高くなるかもしれない。
尚、それらを本を読むと、直接には書かかれていないが、斎藤さんは『マスターの教え』という本を肯定していることが分かるので、そちらを読んだ方が良いかもしれない。








  
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