何を美しいと感じるか、醜いと感じるかは、人ぞれぞれだ。
それを、美男、美女について考えると面白い。
美男、美女という感覚は、本当に人それぞれで曖昧なものだが、1つの国では、ある程度共通している。
だが、日本人の子供がアメリカで育てば、アメリカ的な美男美女の感覚を持つようになるので、人種によって感覚が異なるのではないと思われる。
よって、美男美女の感覚は、後天的に決まるもので、おそらく、テレビが発達するまでは、1つの国でも、地域によって美男美女の感覚に、いくらか違いはあったと思われる。
また、1つの国でも、時代によって美男美女の感覚は異なり、それも、十年程度の短い期間でも変化があるのだから、美人美男には、流行というものがあると分かる。
日本人の中でも、例えば、20代と60代で、美人や美男と思うタレントはかなり異なり、20代の人が最も美しいと思う女優さんを60代の人が見たら、あまり美人と思わないということもあり得る。

ところで、美男美女について、もっと面白いと感じることがある。
それは、1人の人間においても、時と共に、美男美女の感覚が変わるということだ。
例えば、50代の人が、20代の時に、美しいと感じ、熱烈なファンだったアイドルを見て、
「全然美人とは思えない。なんで、この人が好きだったのだろうか?」
と不思議に思うことは、よくあると思う。これも、個人差があり、若い時の感覚とあまり変わらない人もいるだろう。

それで、美の感覚とは、錯覚であるのだと分かるのである。
誰かを見て、美人だと感じたとしても、それは、感じさせられただけである。
「美人は3日見れば飽きる」「ブスは3日見れば慣れる」という言葉があるが、それは嘘だろう。
美人と結婚し、ずっと妻を美人だと思う夫も少なくない。
ところが、夫の感覚が変わってしまい、妻を美人だと感じなくなることがある。
夫婦ではなく、高校生のカップルがいて、お互い相手を美男美女と思っていたが、男の子の感覚が急に変わり、彼女を少しも美人だと思わなくなるというのは、実際にあると思う。
それで、彼の自分の扱い方やサービスが急に悪くなり、彼女は不満を感じるが、彼には仕方がないことだ。
美男だから美女だからという理由で付き合うと、そういうことは起こり易い。
私は、小学5年生の時、ずっと可愛いと思っていたクラスメイトの女の子が、何かあったわけでもないのに、ほとんど急に、全く可愛いと思わなくなって、不思議なものだと思ったことがある。

メルヘンだが、女の子が、自分を魅力的に見える魔法を男の子にかけるというのを聞いたことがあると思うが、これは案外、本当のことかもしれない。
催眠術的なテクニックを無意識に使って、相手をマインドコントロールして自分を好きにさせることが出来る人もいるかもしれないが、マインドコントロールされた相手は、マインドコントロールした人を「美人だ」「美男だ」と、感じるのではなく、感じさせられるのである。
そして、それは、催眠術的なものではなく、超能力なのかもしれない。
クレオパトラや楊貴妃は、大勢の人に自分を美しいと思うようマインドコントロール出来る超能力を持っていたのかもしれない。
いくら美人だと言っても、たかが人間である、人間が美人だという理由だけで、極めて意思の強い人や、メディアも未発達な時代に、沢山の人を魅了出来るものではない。
そして、そのような力は、初めの方で述べたように、「私がこの人を美人だと感じた」と勘違いさせているものに作用するものだ。
そのやり方を知っている者は、数パーセントはいるから教えてもらうことは可能だし、それを意識的に使えば、かなり危険な武器である。








  
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