世界的画家の横尾忠則さんが著書の中で、十代の時に好きだったことを大切にしろとよく書かれている。
横尾さん自身が、自分の芸術のルーツは、子供の時に好きだった、アメリカのTVドラマ『ターザン』や、南洋一郎の冒険小説だったと言う。
ところが、発明家で世界的な能力開発のスペシャリストだった中山正和さんが著書に何度も書かれていたが、十代に限らず、生涯に渡って好きなものが決まるのは、3歳までである。
だから、自分が本当は何が好きかを知ろうとしたら、可能な限り、3歳までの家庭環境を調査・確認しておくことが役に立つと思う。
これは、親に聞くか、あるいは、親の普段の言動や性格を考えれば、自分がどんなふうに育ったか分かる可能性が高い。
幸か不幸か、人生の大部分は、親で決まってしまうかもしれない。
とはいえ、自分の好き嫌いを、どう生かすかは自分である。
ただ、幼い時に作られた好き嫌いを無視してはいけないというのも確かだ。
けれども、具体的な好き嫌いの形は、幼児期や子供時代を通しての環境や経験で決まる部分が大きいので、やはり、十代をしっかり思い出すのが良いと思う。
横尾忠則さんも、十代の時、ターザンや南洋一郎の冒険小説を好きになる基本的な土台そのものは3歳までに出来ていたが、具体的に、ターザンや南洋一郎の冒険小説が好きになったのは、環境や偶然の影響が大きいのである。

私で言えば、母親が、良い言い方をすれば信仰があったが、悪い言い方をすれば迷信深い。
そして、私が年少組で通った幼稚園がカトリック系であったので(単に家に近かったからかもしれない)、キリスト教に対し、良いイメージを持つか、逆に、悪いイメージを持つかだが、ある程度、良いイメージを持ったらしく、イエス・キリストは好きで、憧れの気持ちもあると思う。何より、「マリア様」という、普通の日本人なら言わない言葉を普通に言っていたことには注目すべきだろう。実際、聖母マリアへの畏敬はかなり強い。
私の父親はほぼ無宗教だったと思われるが、両親の郷里の状況からすると、仏教より神道の影響が大きかったと思え、私も、神道の方が親しみがあり、仏教の勉強をする割には、仏教には抵抗がある。
それで言えば、サイババの講演録である『ナーマスマラナ』によれば、「イエス」も、ナーマスマラナ(神の名を心で唱える行。念仏もその1つ)になるのであるから、「イエス」にしておいた方が効果があったかなと思う。そんな訳で、「イエス」も唱え始めた(転身速い!笑)。
実際、「イエス」と唱える時の安らぎは半端ない。
思い返せば、16歳の時、長く飼っていたインコが死んだ時、真っ先に『新約聖書』を買ったことを考えれば、キリスト教と言うより、「マリアーイエス」が好きなことに気付くべきだったかもしれない。
そんなわけで、あなたは失敗しないようにと願う。

ナーマスマラナこそ、誰にでも出来、しかも、高次の力に保護され、全てうまくいく究極の手段であるのだから、あなたも、自分が唱える神仏の名を決める際、自分の幼い時のことを考えると良いと思う。
後天的な好きより、本質的な好きに従う方が良いのだ。
後天的な好きに従っても、あるいは、特に好きというわけではない神仏の名ですら、大きな効果はある。
しかし、ナーマスマラナ自体が続くとか、熱心に行えるかということを考えると、自分が本当に好きな神仏の名を唱えるのが一番である。

日本人というのは、無宗教のように見えても、新年には基本的に神社に(お寺の場合もあるらしいが)初詣に行く人が多く、七五三のお祭りをするなど、神道が空気のように存在する。
(まあ、今流行りの「同調圧力」のためもあるかもしれないが)
しかし、仏教と神道が融合しているので、仏教の方にも自然、親しみがある場合が多いのである。
だから、神道の神様や仏教の仏様・菩薩様、いずれにも、良いイメージがある場合が多いだろうが、より好きな方があるかもしれない。
また、『古事記』を読むと、自分の中にある神道の因子に目覚める可能性はある。そうすれば、天照大神をナーマスマラナで唱えれば、霊験あらたかであるかもしれない。
家の宗派が、例えば、真言宗や曹洞宗というふうになっていたら、その方面を調べれば、自分の思想のルーツとか、少なくとも、それに影響を与えたものが分かるかもしれず、また、好きな仏や菩薩が分かるかもしれない。
ただ、日本人の場合、皆が大好きで、大抵の宗派で重んじられるのは観世音菩薩であり、実際に、観世音菩薩による救いが多いのも、そのためであるかもしれない。
従って、迷ったら、「観世音菩薩」あるいは「南無観世音菩薩」あるいは「観音様」あるいは「観音さん」あるいは「観音」と唱えると良いのではないかと思う。








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ