人間には、小は、家族や友人のグループから、大は、国家や惑星に至る規模のユニット(集団)がある。
そして、
「どんな家族が栄え、どんな家族が衰退するのか?」
「どんな国が栄え、どんな国が衰退するのか?」
ということには、単純な法則がある。
釈迦は、ある小さな国で、「どうすれば繁栄するのか?」を「7つの繁栄の法」として説き、それを守ったその国は大いに繁栄した。
ある強大な国が、その国を攻め滅ぼそうとした時、釈迦は、「7つの繁栄の法を守る国を亡ぼすことは出来ない」と言い、強国は侵略を止めた。釈迦が言うことに間違いがあるはずがないからだ。
「7つの繁栄の法」は、『ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経』(中村元著。岩波文庫)にあるので、引用する。
次のような国、民族は栄える(企業やその他の団体も同じであると思う)。

(1)しばしば会議を開き、会議には多くの人が集まる。
(2)協同して集合し、協同して行動し、協同して為すべきことをする。
※「協同」は、心と力を合わせての「共同」。
(3)勝手にルールを作らず、決まったルールに従う。
(4)古老を敬い、尊び、崇め、もてなし、傾聴する。
(5)良家の婦人、少女を強奪しない。
(6)先祖を敬い、尊び、崇め、供養する。
(7)尊敬されるべき修行者を歓迎し、保護し、もてなす。

これを聞いた強国の大臣は、「このうちの1つを守っているだけでも、その集団は繁栄し、滅亡はないだろう」と確信を込めて言った。
もちろん、時代に合った解釈も必要だが、現在においても、企業やチームや国が繁栄するか、滅びるかは、この「繁栄の7つの法」で決まる。
逆に言えば、傾く会社、消え去るチーム、衰退する国というのは、「繁栄の7つの法」から外れているのである。
例えば、会社で、権限のある者が、決まっているルールを無視し、勝手なルールを作って、自分が行ったり、幹部や社員に強制すれば、確実に会社は傾く。
徳川家康は、重鎮達との会議では、自分はほとんど発言せず、他の者達が討議するのを大人しく聞いていたという。
功績ある人物を「老いぼれ」「老害」と言って軽んじる企業、政治組織、学術団体は必ず廃れる。

7つ全部は難しくても、1つでも、何があっても厳格に守れば、あなたのチームも繁栄する。
だが、釈迦の時代は、人間には知恵があり、道理を理解する心があった。
だが、時代が進み、物質主義、営利主義の世の中になると、確かに一面では、人間の知識や思考力は増大したが、知恵は失われた。
多くの企業や国は、「繁栄の7つの法」の1つも守っておらず、それに所属する個人も、そんな企業や国の考え方に流され、国は衰え、人々は不幸になり、そして、人間はますます愚かになっていった。
そして、釈迦は、それを予言していた。
そこで、釈迦は、「念仏だけが残る」と言ったのである。
もちろん、直接、「念仏だけが残る」と言ったのではなく、どんなに落ちても、神仏を崇め頼ることを忘れるなと言ったのであり、そのためには、神仏の名を呼ぶ言葉を唱えれば良く、また、愚かな人間には、それしか出来ないだろうと言ったのである。
よって、神仏の名、神仏を褒め称える言葉、神仏の存在を認める言葉を、絶えず唱えることで、宇宙の無限の知恵と力に守られるのである。
このような言葉を真言と言う。
従って、我々は、好きな真言を自主的に選び、自主的に、たゆまず唱えれば、決して不幸にならず、むしろ、嬉しいことばかりになる。
選ぶ真言は、1つでも、2つでも、3つでも、あるいは、それ以上でも構わない。
だが、何を真言とするかは、親、教師、先輩、権威者に強制されてはならない。
家の宗教が何で、宗派が何かは全く関係がない。
自分が、どの真言を唱えているかは、誰にも言う必要はない(親しい人に言うのは構わないが、注意深くすること)。
真言は、声に出さず、心で、静かに、丁寧に唱えなければならない。
そのように真言を唱える者には繁栄があるのみで、滅ぶことはないだろう。








  
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