日本には神道という信仰があったのだが、552年もしくは538年に仏教が伝えられた。
日本では、神道と仏教で宗教戦争はなかったと思われているかもしれないが、長引かなかっただけで、純粋神道派と神道・仏教習合派との戦争があり(曽我氏と物部氏の戦争)、習合派(曽我氏)が勝った。
神道・仏教の習合を推進したのは、有力豪族の曽我氏と聖徳太子(厩戸皇子:うまやどのおうじ)だった。
ところで、神道は、特殊な宗教で、開祖はおらず、神から伝えられたもので、根本的に教義はない。
だが、今日でも、空気のように存在し、新年には神社にお参りし、七五三のお祝いを神社で普通に行う。
そして、仏教を受容し、見事なまでに共存している。
そして、やはり、日本人のアイデンティティーは神道にあり、仏典よりも『古事記』に馴染みがある。
だが、日本人のほとんどが仏典を読まないのと同様なレベルで、『古事記』を読む者も少ない。
なぜ『古事記』を読まないのかというと、学校で「読め」と言われないからだ。
私は、大手塾の国語や日本史の講師が、『古事記』を読んだことがないと普通に言われて驚いたことがある。
『古事記』の内容が試験に出ることはないので、無用というわけなのだろう。

中国も、日本と少し似たところがあり、中国には、儒教と道教があったが、仏教が入って来て、やはり、習合したのである。
中国は、表向きは圧倒的に儒教が重んじられていたが、浸透しているのは、神道に似た道教だ。

納得しない向きもあろうが、本当の宗教は、人間の精神と宇宙の精神を同調させる科学的なものだ。
ヒンズー教では元々、「小宇宙である人間が大宇宙と一体化する」と言葉で言われたが、この根本原理は、実は、どの宗教でも同じなのだ。
しかし、宗教が支配者に利用され、捻じ曲げられたのは、どこの国でも同じで、真に重要な部分が失われた。

宗教は、本来、道徳ではなく、魔法に近いものだ。
自分が宇宙大に拡大していき、それに伴って魔法的な力を持つ。
だが、権力者は、当然ながら、その重要な部分を民衆に隠した。庶民に力を持たせるわけにはいかないからだ。
人間が持つ隠された力を「魔法」と呼ぶのは、必ずしも適格ではないかもしれないが、話を分かり易くするため、以下「魔法」で統一する。
神道では、魔法の技術は祝詞としてしっかり存在しているが、そんな難しいもの、庶民が唱えられるはずがない。
だが、神道においては、庶民は、自然神と同調することで、神の恵みを得た。
しかし、それは抽象的過ぎ、ぼんやりとして掴みにくく、民衆は、十分な恵みを得られなかった。
そこで、空海が、超魔法的な真言密教を中国から持ち帰ったが、これも、支配者用になり、庶民が魔法使いになることはなかった。
しかし、空海の真言は庶民が使うことはなかったが、道綽、善導らによって中国で普及していた念仏が日本に伝えられ、庶民が、念仏という真言を唱えることになった。
これを唱えることで、庶民が魔法使いになるのであり、それは、江戸末期から昭和にかけて、多くの民衆によって証明された。しかし、これも断ち切られてしまった。
今日では、念仏も「南無妙法蓮華経」のお題目も、葬式用となり、魔法の力を失っているように思われる。
元々、インドでは、短くて唱え易い真言が沢山あったが、やっぱり真言は「僧院で声を揃えて唱えるもの」にされてしまい、民衆が魔法の力を得ることはなかった。
真言は、各自、心で丁寧に唱えることにより、確実に魔法の力を発揮するのである。
道教には真言という概念がない。確かに、深遠な教えであるが、庶民には難しい。
キリスト教では、お祈りをすることで魔法力を使えるのだが、やはり、支配者が民衆支配用に作り変えてしまったように思う。

普通の人が魔法の力を自在に行使するには、真言の形にしなければならない。
成功しかけたのが念仏であるが、宮沢賢治が念仏の教えを誤解し嫌ったように、念仏はすっかり捻じ曲げられてしまった。
念仏自体の価値は失われていないが、イメージが悪く(葬式色が強い)、魔法効果を発揮し難い。
そこで、リズム感があって、潜在意識の奥の超意識に働きかける効果が強い(原理については何度か簡単に書いたが、特に理解しなくて良い)、サンスクリット語かそれに近い中国語の真言をお勧めするのである。
これは、現代でも、確実に魔法の効果がある。
あらゆる問題は真言で解決する。
しかし、それを使う者は少ないし、増えそうもない。
だが、あなただけは、真言を使い、自由自在に生きるべきである。
ところで、日本には、やや長いが、「いろは歌」や「ひふみ歌」という、強力な真言があり、さらに、短くて強力な「アオウエイ」(唱える時は「アーオーウーエーイー」)という、言霊、音霊と言われる真言がある。
仏教の真言と共に使うと良いと思う。
こんな良いものがあるのに使わないのは、何とももったいないことである。








  
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