凄い美人や、凄く強い格闘家、凄く美しく踊る舞踊家、凄い豪華絢爛な宮廷・・・などを見て、物凄く感激したとする。しかし、それがどんなものであったかを言葉で伝えようとしても、ほとんど何も伝わらない。
また、たとえ世界一の画家が絵で示そうとしても、浦島太郎の歌のように「絵にも描けない美しさ」ということになってしまう。
聖書やコーランでは、神を褒め称えるが、「凄いんだぞ」「偉いんだぞ」と言うだけで、細かいことは言わない。言葉で言うことは出来ないからだ。
だから、いかな聖書画家でも、神様の姿を絵にする者はさすがにいない。
一方、ギリシャ神話の画家では、ゼウスやアテナなアポロンなどの神の姿を描き、それらの絵が称賛されることもあるが、本物の神の美や優雅さや気高さはけた違い・・・どころではないはずだ。
同じことが、仏教画の、仏や菩薩の絵についても言える。

西洋では、そういったことが、善や理性や、それらの進歩に対する、大きな障りになっている。
つまり、ちょっと美人の大スターを見たら興奮して称賛し、また、巨悪と呼ばれる存在が現れたら恐れてしまう。
あなた方が信仰、崇拝する神の美しさは、それどころではないし、巨悪といったところで、たかが人間のはずが、信仰深い人でも、そんな人間の悪(例えば、ディープ・ステート)に圧倒されてしまうのだ。
だから、民衆のマインドはその程度と知っている支配者は、容易く民衆を操ることが出来るのである。

ところが、仏教の『浄土三部経』の1つ、『観無量寿経』を読んで驚くのは、何と、阿弥陀如来の強大さや、阿弥陀如来の国である極楽浄土の美を、表現出来ていることである。
そのために、特殊な方法を使っているが、著者は凄まじく頭が良いのだろう。
ただ、このお経は、もしかしたら、浄土宗や浄土真宗の人は、お葬式や法要で聞いたことがあるかもしれないが、お坊様が読むような中国語の真似では、全く意味が分からない。
そこで、現代語訳を読めば良いのだが、最初は、あまりに気宇壮大な記述に呆れてしまうことだろう。
大乗仏教の仏典全般に、そんな傾向があり、たとえば、法華経にも、そんなところ(気宇壮大に感じるところ)が多い。

アメリカのスーパーヒーロー『スーパーマン』のアニメは、かなり素晴らしいものが1943年に作られ、映画は、現在も新作が作られ続けている。
特にアニメのスーパーマンは、お話を面白くする都合上、スーパーマンがピンチになることもあるが、それでも、強過ぎると感じるだろう。
しかし、人々は、いくらスーパーマンが強くても、神様と比べたら、象とアリの差どころですらないという発想を持てない。神様を絵や文章で描くことが出来ないので、全く見たことも聞いたこともないからだ。
『バガヴァッド・ギーター』では、神クリシュナは、アルジュナ王子の願いに応じて、アルジュナに姿を見せたが、アルジュナはクリシュナの姿のほんの少しを認識しただけで、恐怖で震え上がってしまった。
ほんの一部を見ただけとはいえ、アルジュナにとっては、今後は、この世のいかなる凄いものも、ちっぽけに見えるはずである。
だが、ほとんど全ての人は、ほんのわずかでも神様の姿を見ることが出来ないので、そうはならない。
しかし、『観無量寿経』を熱心に読めば、もしかしたら、アルジュナ以上の衝撃を感じることが出来るかもしれない。
保証の限りではないが。

あるいは、「南無阿弥陀仏」という念仏や、「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン(原音は、オーン、アムリタ、テージェ、ハラ、フーン)」という阿弥陀如来真言を唱えれば、心の中に、阿弥陀如来(アミターバ)の姿や力が浮かぶのかもしれない。
『観無量寿経』を読めば、さらにそうなるかもしれない。
最近、私は、『魔王学院の不適合者』というアニメを見ているが、ヒーローのアノス・ヴォルディゴードの強さに惚れ惚れとしている。
従来のアニメヒーローとは一線を画す強さで、それを自然に・・・と言うのもおかしいが、美しく描くことに成功していると思う。
私は別に、浄土宗や浄土真宗の信者ではないが、このアノスの力すら、阿弥陀如来に比べれば小さなものだということが分かるのである。
それが、念仏や阿弥陀如来真言(どちらも真言で結局は同じだが)の力である。
よって、真言がますます定着すれば、この世に恐いものは1つもなくなる。
これは別に、阿弥陀如来真言に限らず、優れた真言であれば同じである。
アノスが味方になっても世界征服くらいは容易いが、それとは比較にならない力が味方である。
この世界は、そう思ったらそうなる仕組みになっている。
そして、結局、人間は、安心や安らぎが欲しいのである。
そうであるなら、真言を唱えることが勧められる。
ついでに、忍耐があれば、『観無量寿経』を読むことをお勧めする。
これ(観無量寿経)が、シミュレーテッド・リアリティを描いているとすれば、さらにまた興味深いが。








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ