アーサー・ケストラー(1905~1983)という大天才がいた。
彼は、一応、職業としては、作家やジャーナリストであるが、哲学者と言えるし、物理学の本も書いていて、その本は今でもロングセラーを続けている。
そのケストラーは、科学的見地から考え、人間の脳は出来損ないで、それに失望して自殺したのではなかったかと思う。
人間の脳は、破壊的衝動を理性で抑えられない構造になっており、それなりに修行を積んだ人でも、邪悪さが理性に勝ってしまうことがある。
だが、このことは、あらゆる宗教でも認識しており、いろんな方法で人間に立派なことをやらせようとした。
例えば、単純なところで言えば、イスラム教では、アッラーの教えを守って立派に生きた男は、死後、72人の清らかな乙女が与えられるので頑張れと・・・いや、それが本当なら、私は頑張るかもしれない(笑)。

ただ、理性に頼るのは、やはり、考えものなのである。
そうではなく、おそらく、脳にその機能が隠されているのだろうが、特別な精神活動を開始する方法があり、仏教ではそれを解明し、教えてきた。
実のところ、イスラム教の深い教えでも、それはあるのだが、愚かな衆生には一応の簡単な方便を与えるところは仏教も同じであるはずだ。
そして、特別な精神状態に導き、現象世界を自在に構築、あるいは、支配する鍵は、真言(マントラ)である。
真言に関しては、科学的根拠もかなり解明されてはいるが、効力は確かながら、説明が難しい部分はやはりある。
だが、空海すら「真言は不思議なり」と素直に言ったように、やはり、真言には神秘的な力がある。

つまり、最初に述べた、ケストラーが嘆いた人間の脳の欠陥を克服し、さらには、特別な脳機能を起動させて精神の神秘の力を発揮し、楽しく快適に生きるための手段が真言である。
そもそもが、人間がロクでないことを考えたり、邪悪な衝動を起こすのは、脳を放置するからで、何かに集中させていれば、それは防げる。
そのためには、何の意味もない言葉をつぶやき続けるという方法もある。
例えば、「ばそきや」などという何の意味もない言葉を唱え続けると、脳はロクでもないことを考えることは出来ない。「ばそきや」とは「やきそば」を反対に言っただけであるが。
尚、何の想念も起こさせない言葉として「ナ・ダーム」という言葉が考えられ、これを唱え続けることで末期癌が完治したという話もある。
他にも、「神様の奇跡が起こる」という肯定的な言葉をつぶやき続けるという方法があり、これが高い効果を発揮することも確認されている。
ただ、この場合、「もし出来れば」ということで、ずっと「神様の奇跡が起こる」と唱え続けられるかどうかには、人間の性質の問題もあると思う。

これらに比べると、真言は、続けやすいだけでなく、言葉そのものに不可思議な力がある。
その力に関しては、ユングの集合無意識による説明や、量子力学の素粒子の「意思」による説明が、ある程度の納得が得られるが、むしろ、長年、真言を使い、多くの人に使わせた人の特別な経験の方が信憑性があるかもしれない。
例えば、何千人という人々の相談を受け、それらの人々に観世音菩薩の真言「南無観世音菩薩」や「観世音菩薩」や「オン、アロリキャ、ソワカ」を唱えさせ、多くの場合、奇跡のような解決を見たという人である。難病が治ったり、事業が発展したり、事故を免れたり、様々なことが起こっているし、全く効果がなかったという例はないと断言する人もいたと思う。

私は個人的には、真言の力の根拠については、シミュレーション仮説を考えることもある。
シミュレーション仮説とは、この世界が、コンピューターが作ったバーチャル世界、つまり、シミュレーテッド・リアリティであると考える仮説であるが、ある意味、これが事実であることは既に確かであると思う。
というのは、人間の五感というのは、全て、脳内の反応に過ぎず、世界は脳が作る仮想世界であり、しかも、脳は個別に独立したものではなく、何らかの大きな意思にアクセス、あるいは、それ(大きな意思)に統合されているというのは、仮説的ではあっても、論理的に説明出来ると思われるからだ。
だが、そういった理論面はやりたい人にまかせ、我々は実証面に重きを置くべきだろう。
そのためには、賢い人達が体系付けた真言密教の考え方に倣い、真言を唱えるのが良い。
それで、少なくとも、かなりの部分はうまくいくのだから、使わないのは勿体ない。
真言は、何でも良い。
「南無阿弥陀仏」でも「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン(阿弥陀如来真言)」でも、「オン、アビラウンケン(大日如来真言)」でも、上に述べた観世音菩薩の真言のいくつかでも。
釈迦は、「念仏以外の方法では救われなくなる」と言ったという説があるが、この念仏とは、真言の1つという意味で、あらゆる真言が有効なのであると思う。
そんなわけで、私は、これまで、真言で良い思いをしてきたし、これからも、安心して、そうしようと思う。
もちろん、ジョセフ・マーフィーの成功法則や、エミール・クーエらの自己暗示、成功哲学などのアファーメーションの効果も十分肯定出来るが、いかなる時も失敗なくやれるという意味では、真言に軍配が上がるのではと思う。








  
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