新宿湘南美容外科クリニックのテレビCMを覚えておられる方がいるだろうか?
イケメン、美人のドクター達が、
「好きな言葉は思いやりです」
「好きな言葉は向上心です」
「 好きな言葉は感謝です」
「 好きな言葉は情熱です」
と真面目な顔で言う。
これを見て、反感みたいなものを感じる人もいるかもしれないが、私は嫌いじゃなかった。
たとえ嘘だとしても、「好きな言葉は思いやりです」って言うのは良いことだ。

私なら、「好きな言葉は素振りです」になる。何のこっちゃいである(笑)。
私は、野球のバッターの実力は素振りの数で決まると決めつけているし、いかなる分野でも、野球の素振りに相当する何かの数で実力は決まる。

明治・大正の教育者で「岡田式静坐法」で知られた岡田虎二郎は、
「念仏をするなら、生活しながら念仏するようではいけない。念仏しながら生活するようでなくてはならない。静坐をするなら、生活しながら静坐するようではいけない。静坐しながら生活するようでなければならない」
と言ったが、この言葉が究極であろう。
尚、念仏は分かるが、「1日中静坐する」の静坐とは、腹に力を込めることである。丁度、中村天風が、「常に肛門を引き締めよ」と言ったのと同じだ。
まあ、本当に1日中は無理でも、その心構えでやらなければならない。
野球のバッターなら、素振りしながら生活しなければならず、「メジャー最後の4割バッター」テッド・ウィリアムズは、少年の時からそうしていた。

史上唯一、3度の三冠王を達成した落合博満氏が中日ドラゴンズのGM(ゼネラルマネージャー)だった時、落合氏に憧れるルーキーが、練習が終わった夕刻に落合氏に指導を求めた。いい度胸である。
すると、落合氏は、彼をGM室に連れて行き、「素振りをしろ」と言う。
彼は熱心に素振りを始めたが、なぜか、落合氏は、いつまでも「よし(止めろ)」と言わない。
2時間くらい経った時、落合氏は「止めるなよ」とだけ言ってトイレに行き、すぐ帰ってきた。
これで、落合氏が止めろと言うまで絶対止めてはいけないことが、いっそう確定となった。
そして、さらに3時間経った時、落合氏は、
「最後のが良かった。それを忘れるな」
と言い、それが終わりの合図になった。
延々5時間、沈黙の中で素振りをやらされたのだ。
だが、落合氏はずっと見ててくれたのだ。とっくに帰宅していなければいけない時間なのに。
私は、この話を知って、確定的に「素振り」という言葉が好きになった。

小説家になりたかったら、文豪の作品をひたすら筆記、あるいは、タイプするのだ。
ヘミングウェイらの作品をひたすらタイプして大作家になった作家が実際いる。
良いプログラマーになりたければ、ひたすら、優れたプログラムコードをタイプするのだ。
超能力を得て、この世界を自在に動かしたいなら、ひたすらジャパ(神仏の名やマントラを唱える)をするのだ。
例えば、観世音菩薩真言「オン、アロリキャ、ソワカ」を唱えるなら、落合博満氏のように観世音菩薩が見てくれていると思って5時間。心構えだけは・・・
慈愛に満ちた阿弥陀如来様が見てくれていると思いながら、阿弥陀如来真言「オン、アミリタ、テイセイ、カラウン」を唱えるのは楽しそうだ。
では、がんばってくれたまえ。








  
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